Strange Days

2000年09月24日(日曜日)

またも星を見た

23時55分 星見

 夜、20:00頃の空は曇っていて、星がほとんど見えなかった。こりゃダメだと思っていたが、寝る前の1:00過ぎに空を見ると、なんと雲ひとつない快晴が広がっている。ちょっと観望しましょ。
 100EDにUW6.7を着けて土星を見た。シーイングは7/10程度だろうか。シンチレーションは乱れ気味だが、安定した瞬間にはカッシーニの間隙が全周にわたってくっきり見えた。本体の縞も特に濃い1本が明瞭に見えた。
 Or7+2.2倍バローで見ると、さらによく見えたが、拡大して見えるという感じで、細部までは見えない。100EDの限界かな。
 次に木星。こちらも本体の縞のほか、細かな蛇行の様子も見えた。しかし全体的に薄い感じで、C8EXとの光量の差を感じさせる。
 試しに清掃したばかりのツァイスアイピース群で見ると、いままで感じられた汚れによるにじみが、遂に払拭された感じだった。
 すばるは窓から見るにはつらすぎるので、ベランダに出て見上げた。しかしここからも屋根にかかってしまうのでかなりつらい。テレスコと10*42双眼鏡で見比べた。テレスコだと淡い光の塊という感じだが、10*42双眼鏡だとすばるらしい星の群れに見える。アパートの前に出てさらに見た。すばるだけでなく、木星と土星の脇に広がるヒアデス星団が、この双眼鏡の視界にちょうど収まって心地よい。小さく、ぎっしり密集したようなすばると、大きくV字に広がるヒアデス星団の対比は見事で、木星と土星込みで全天一の華やかな眺めになっている。

テレビ見たよ

22時30分 テレビ

 今夜のNHKスペシャルは、ようやくオリンピック縛りから逃れての新展開だ。というか通常営業なんですけど。今夜はスーダン内戦とその過程で出た多くの難民の命を支える国連援助活動の話題。
 スーダンは北部がイスラム圏、南部が中央アフリカのネイティブ・アフリカ圏と接している。北部にはイスラム化したアラブ系住民、南部にはキリスト教などを信仰する黒人系住民が分布している。これらの人々は、長い間に大きないさかいも無く暮らしてきた。しかし'80年代に北部のイスラム系住民が掌握する政府が、急進的なイスラム政策を推し進めようとしたことから、宗教弾圧を懸念する南部の住民との間に内戦が勃発したのだ。今は南部の広範な地域を拠点とするスーダン人民解放軍と、北部の政府軍とが、南部の都市部を中心に激戦を繰り広げている。以来10年条経過しているが、いまだに終息する気配はいない。
 紛争が長期化している背景には、南部に豊富な石油資源が眠っているという事実がある。これが無ければ、あるいは北部のイスラム政権も、南部の住民にある程度の自治を認めることで終息したかもしれない。しかし石油資源が存在する以上、南部の住民の自治をびた一文足りとも認めるわけには行かなくなったのだろう。
 南部でゲリラ戦を繰り広げるスーダン人民解放軍にも問題がある。彼らが非常に精強ならば南部を完全に掌握することで内戦をこう着状態に持ち込めた可能性がある。しかし装備に勝る政府軍に対して都市周辺でのゲリラ戦を挑むしかなく、また南部の全ての部族が解放軍に同心しているわけでもないため、十分な掌握が出来てないのだ。その結果、南部では熾烈な殲滅戦が延々と続くことになり、都市を追われた住民や、農地の耕作が不可能になった農民が難民化し、食糧事情が極端に悪化しているのだ。そして彼ら難民の命を支えているのが、国連による食糧援助活動だ。
 国連は周辺諸国から、トラックを使って直接食料を難民キャンプに送り込んでいる。その輸送を請け負っているのは、なんと周辺諸国の民間業者だという。この仕事は非常に報酬が大きいので、危険に関わらず請け負っているという。実際、トラック群が行く道は地雷が敷設されている可能性があり、また正体不明の武装勢力による攻撃がしばしばあり、コンボイに死傷者が出ることも度々だという。人民解放軍はこれらのトラックの通行料などを徴収するが、身の安全を保障するわけではない。また政府軍機もしばしば空爆を繰り返すので、四方八方に危険が満ちているといっても過言ではないのだ。
 こうした援助活動は、実は飢餓の長期化を帰って推し進めるという主張がある。番組中でも住民の依存心が強まる一方で、自立する気持ちが薄れていることが描き出されていた。またこうした無償の食糧援助は、これらの地域本来の商業活動を効果的に破壊してしまうという指摘もある。いつぞやの他の番組での話だが、ノーベル賞受賞者の経済学者、セン博士が、「飢餓は食料全量の確保が足らないためだけではなく、流通がうまく機能してないためにも起こる」と話していたのを見た記憶がある。そのような目で見れば、例えばベトナム戦争中でさえもベトナムの農民は危険と隣り合わせのまま食料を生産しつづけていたのであり、その結果ベトナムでは餓死者が出るような飢饉はあまり見られなかった。問題は農民が危険を冒してまで農事に従事できる動機をもてるかどうかだ。そしてさらに効率的な流通機構が整っていれば、これほどまでに深刻な飢餓が長期化することも無かったのではないか。国連の配給する無償の食糧は、農民に死ぬ気で農作業を実施する動機を奪い、さらに戦地での脆弱な流通機構を破壊してしまっているという可能性は否定できないように思う。
 しかし僕だって砲弾が降り注ぐ中での農作業はゴメンだし、実際に飢えている人がいるのに「自分で何とかしろ」とはいえない。難民たちの気持ち、そしてその救援活動に従事する人々の止むに止まれぬ気持ちも良く分かるのだ。
 なんとも割り切れない気持ちだが、この紛争は結局どちらかの勢力が強大化するか、あるいはこれらの土地の価値が下落するかしないと終息しないだろう。煮え切らない紛争を前に、「国連軍の強化」という甘い夢を主張する人々の気持ちも、あながち分からないでもないような気がする。

安全週間です

17時53分 星見 天気:雨かな晴れかな

 安全週間だからというわけでもあるまいが、アパートの各室の警報機をチェックするという。先週のうちにその旨が通知されて以来、なんとなく土日はピリピリした空気に包まれていた。部屋の中が散らばってるからなあ。人と会うときも必ず相手方に出向いていた小心者の俺様だった。まあ来るものは仕方ない。カオスに極みにある我が部屋を突貫工事で片付けた。
 検知器の検査にやってきたのは、50代と思しき実直そうな男性で、我がマシン群を見て「私らもこういうの(コンピュータということらしい)をやらないといかんのですが、講習料が日に5万円もかかりましてねえ」と愚痴る。日に5万はぼり過ぎかと思ったが、講師を呼ぶ場合ということらしい。僕らの業界でも、JSPだのソフトウェア信頼性だのといった講義を外で受けるとなると、やっぱり数万円かかるよなあ。しかし無理してコンピュータを導入することもないだろうとも思った。あれば確かに便利ではあるけれど、よほど凝ったマクロを利用しない限りは、Excelで作るのとワープロの表計算機能を用いるのとで、データの管理という意味では大差ない。
 おじさんが帰った後、部屋が随分広くなった感じがした。いやまあ、ある意味では広くなったのだが。おのれがいかにこまめな整理に向いてない性格かを思い知らされるようだ。誰だ、血液型と性格が相関するなんて妄説を流した奴は。
 せっかく広くなったのだからと、最近万年床状態だった(これがいかんのか)布団を片付け、広々としたスペースでレンズの手入れ。古代のツァイスサイズの4個は、何度か手を入れるうちにだんだんきれいになってはいたが、いまいちくもりが取れない。そこで以前手に入れていたカメラ用レンズクリーナ液と、昨日買ったブロワーでさらなるお手入れを実施したわけだ。
 最初は望遠鏡本体に手を入れる。先端にある2枚ガラス構成のレンズを外し、クリーナー液で丁寧に洗浄する。長い間にこびりついた脂がきれいに取れた。コーティングも何とか無事だ。鏡筒表面の汚れを洗い落とせば、やっと見た目も良くなるだろう。
 残るレンズ群も分解し、これもクリーナーで洗浄し、ブロワーでほこりを飛ばしておいた。次なる課題は、63mm径のこの望遠鏡をGP赤道儀に載せるアダプタを入手することだ。またスターベースででも相談してみるか。