Strange Days

2003年01月13日(月曜日)

三浦半島一周2

00時00分 自転車 天気:快晴

 先日、神奈川支部のBBSでこの3連休に奥湯河原ツアー、三浦半島一周をすると公表したところ、前者にまき氏が乗ってきた顛末は前にも書いた。同時に三浦半島一周にも、"ちゅうねん"氏というハンドルを使う方から同行したいと反応があった。こっちは一人で行くつもりだったのだが、今まで一度も会ってなかったちゅうねん氏の顔を見たいと思い、二人で三浦半島一周に出かけることにしたのだ。
 7:00、集合場所の高鎌橋に着くと、そんな老けて見えない男性が待っていた。この人がちゅうねん氏だった。このハンドル、考え直した方が良いのでは。こんな若く見えるのにこう名乗られては、実際中年揃いの神奈川支部では受けが悪そうだ(笑)。
 ちゅうねん氏は、無印の(本当にステッカーやペイントの類が一切無い)フラットバーロードに乗っていた。軽そうで、侮れない走りを見せそうだ。早速、三浦半島周回へと走り出した。
 今日はTCR-2に着けたPD-7750の具合を見たかったので、バイクは当然TCR-2だった。念のために輪行道具を持ってきてはいたが、天気はすこぶる良さそうなので雨天装備はない。輪行バッグをボトルケージに収め、カメラだの財布だのはホーカスポーカスに入れて腰に回した。下はパールイズミのレーシングタイツ、上はいつものカステリコンビだ。天気が良く、ぽかぽかするので、ジャケットの前ジッパーは開けたり締めたりを繰り返した。シューズは買ったばかりのロード用だが、コレが意外に風を通し、寒い寒い。それを見越して着けていたスペシャのソックスカバーが、しかしほとんど役に立ってない感じだ。やっぱ、カステリのシューズカバーをした方が良かったか。
 今日はLSD狙いなので、25km/h前後を保って走る。ちゅうねん氏は危なげなくついてくる。僕の方は、一昨日の疲れがいまだに残っている感じだった。あー、ほんと、体は確実に中年になっているのね。
 コンビニ休憩を挟みながら、鎌倉、森戸海岸、葉山と過ぎて行く。ちゅうねん氏はご友人の関係で不幸があったらしく、時々電話していた。その件もにらみながら、三浦半島の南部を南下していった。
 SPD-SLは、SPDに比べてダンシングのときの挙動が安定しており、また踏んだときにいかにも面を踏んでいるという安心感があって、非常に良好だ。ただ、慣れてないせいか、左のステップを拾いづらい。一発で拾えるときもあれば、なかなか拾えないときもあった。練習しなければ。
 天気は良く、空は雲ひとつ見えない。目を右に転じれば相模湾が広がり、風は穏やかだ。左には冬の三浦半島の丘陵が、穏やかな表情を見せている。坂はやや辛いが、この速度ならそれほど消耗せずに越して行ける。自然に顔がほころんで、大声で歌いたくなってくる。ライダーズハイという奴か。走ることがひたすら楽しい。このままずっと走りつづけていたいと思う。しかし、時々の信号待ちで、クリートを外した瞬間、なぜか現実に引き戻される。接続が切れるという感じだ。
 三浦海岸へ下る途中で一服。ちゅうねん氏は今後のスケジュールをはっきりさせるべく、携帯電話で話し込んでいる。コンビニ前の駐車場に座り込んだ僕の前を、ローディーが何人か走りすぎていった。好天ゆえか、自転車を楽しむ人は多いようだ。
 ちゅうねん氏の話がつき、最後まで同行できることになった。さて、横浜まで帰着できるか。
 この頃から、ちゅうねん氏の動きが弱りがちになる。坂では辛そうだ。やはりかなり消耗しているのだろうか。聞くと、膝が痛むという。重いギアの踏みすぎではないかと思った。というのも、ちゅうねん氏はアウターのままずっとここまで来ていたからだ。
 少しスローダウンしながら、三浦海岸から横須賀まで、海岸線を延々と走って行く。辛い坂道もなんとか乗り越え、久里浜、観音崎と走り、馬堀海岸をひた走った。ここまで来ると辛い登りはほとんどこなしているので、かなり気が楽だ。ただし、疲労し始めた体には、少々の坂でもこたえ始める。
 横須賀を超えた辺りから、ちゅうねん氏がいよいよ遅れ始めた。膝痛が増してきたようだ。上り坂では10km/hまでスローダウンして、努めてゆっくり走ったのだが、それでも辛そうだ。車との速度差がありすぎて危険なので、『歩道を走ってください。この先で合流しましょう。この先はあまり坂は無いと思います』と声を掛け、スピードアップした。しかし、この先も坂が結構続いたのだ。嘘ついちゃったよ。
 日差しが欲しかったので、適当なところまで走り、日向の歩道にて待った。今日は寒さが辛くないので助かる。これで雨でも降っていたら、ちゅうねん氏もさぞかし萎えたことだろう(というか、そもそも中止しちゃうけど)。
 やがてちゅうねん氏が追いついてきたので、『昼食場所は磯子です』と打ち合わせて、駅前で合流することにした。前回の昼食場所を磯子だと思い込んでいたのだ。途中、湾岸道路への分岐でまごまごしているうちに、またちゅうねん氏と合流し、しばし走った。しかし平地でも辛そうなので、また先行して待つことにした。ロードバイクだと、20km/h以下の低速はかえって辛いのだ。
 ずっと走りながら、前回の食事場所であるトンカツ屋を探した。しかし、走れど走れど見つからない。そのうち、磯子駅をとっくに過ぎていることに気づいた。おかしいなー、見落としたとは思えないが。しかし、さらに走りつづけているうちに、ようやく件のトンカツ屋を発見。地図を確認すると、磯子どころか根津駅の前だった。例の不動坂の前にあったのだ。しまった、凄い勘違いしている。早速、携帯電話でちゅうねん氏と連絡をとり、位置を説明した。なんか、今日はこれでもかというほど騙しまくってしまったなあ。
 やがてちゅうねん氏も意外に早く到着し、ようやく昼食になった。といっても、実は前回の三浦周回の時とあまり変わらない、13:00ちょっと過ぎの食事だったのだが。前回と比べ、休憩時間をなるべく短くするという方針を立てていたのだが、それがうまく行ったようだ。前回よりずっと巡航速度が低いのに、チェックポイントは同じくらいの時刻で通過できているのだ。その代わり、長距離を走るのは初めてというちゅうねん氏に、かなりの負担を掛けてしまったようなのだが。
 定食を注文し、ちゅうねん氏とあれこれ話しながら、ゆっくり休憩を取った。ちゅうねん氏はボードなんかを担いで海に入ったりしていたようだ。だからかなり走れたのかな。
 トイレに行こうとした時だった。ワックスで磨き上げられた床に滑って、危うく倒れそうになったのだ。SPD-SLクリートには、角に滑り止めが着いていて、アスファルトなんかだとなんとか歩けるのだが、こういう滑りやすい場所はダメだ。これは、ツーリングには使えないなあ。走ることを考えたらSPDよりは断然いい具合なのだが。
 ちゅうねん氏と今後の行程を話し合った。僕はちゅうねん氏の足の状態からして、横浜着はもう無理だと判断し、輪行か、ここから引き返すことを勧めた。ちゅうねん氏はここで引き返し、本牧経由で帰宅することになった。僕は横浜に用事があったので、ここでお別れだ。
 ちゅうねん氏と別れ、産業道路を経由して、山下公園、桜木町と走った。本当は平沼橋を超えてヨドバシに寄るつもりだったのだが、よくよく考えると金の持ち合わせが乏しいことを思い出し、また火急の用事でもないので、このまま日があるうちにR1経由で帰宅することにした。
 この時刻、連休の最終日ということもあり、R1はとても込んでいた。環状4号との交差を超えた辺りで、前方をなんとなく見覚えのある自転車が走っているのに気づいた。なんと、ちゅうねん氏だった。いつの間にか追いついてしまったようだ。本牧を押して超えたという。ちゅうねん氏は当然驚く。横浜はパスしました、と事情を話しておいた。
 またちゅうねん氏とつるんでR1を走りつづけ、戸塚への分岐点を通過した。ちゅうねん氏の膝のことを考えると、サポーターが必要だと思っていた。ちょうど近くのダイエーが目に入ったので、ちゅうねん氏にそのことを告げると、ちゅうねん氏はここで探してみることになった。ここで本当にお別れになり、長後街道経由で帰宅した。
 今回は初対面の人とのLSDという滅多に無い体験だったが、トラブルに備えてサポーターの類も必要そうだと痛感させられた。
 この三浦半島周回は月例行事にしてしまう気になっている。また一緒に走りましょう。