Strange Days

2003年10月11日(土曜日)

名古屋~大阪ツーリング2日目

00時00分 自転車 天気:また晴れた

こぐ家、きさ家合流


 起床後、昨夜買ったパンなどの朝食を取る。朝食は美味しいものを食べたくはあったが、仕方ない。コンビニ朝食だった。
 身支度をして、サイクリングターミナルを出たのは、8:30頃だった。今日は途中でこぐ家、きさ家、ぽた家と合流しながら、京都市内まで走ることになっていた。
 途中、長浜ドームに立ち寄りながら、合流地点の琵琶湖畔まで走った。
 琵琶湖に着き、こぐ、きさ両家を待ちながら、一服入れる。琵琶湖を間近に見るのは、実は初めてだった(米原にも彦根にも来た事はあるのに)。ほとんど海という感じだが、波がほとんど立ってない点が違う。
 ほどなく、両家が現れた。米原駅から走ってきたのだ。これで一行は、一気に9人の大所帯になった。昼飯にする美味しい駅弁を買いに行くことになり、半数が米原駅へと向かった。
 駅弁は、その駅弁を作っている会社で買えた。すぐ側に製造現場があり、いかにも事務所という感じのビルの入り口で購入。なんとなく焼肉弁当を選択したが、やっぱりステーキ弁当の方が良かったかも。買ったはいいが、バッグに入りきらず、サコッシュで運ぼうかとも思ったが、弁当が片寄せになってしまいそうなので、にち氏に運んでもらった。感謝。サコッシュ自体は、コンビニの買い物等で大活躍してくれた。これは便利なグッズだ。
 元の合流地点まで戻る道で、やはり琵琶湖周辺を走るつもりらしいサイクリスト集団と並走した。琵琶湖では多くのサイクリストを見たが、湖畔を走っている間、我々のように時計回りルートを走っている人は、ほとんど見かけなかった。反時計回りに、がセオリーらしい。我々は、長浜から京都に抜ける都合上、どうしてもこうなってしまう。
 きさ家の先導で、琵琶湖畔を走ってゆく。もっぱら歩道を逆送して行くことになるのだが、琵琶湖畔に設定されたサイクリングコースがこうなっているのだから仕方ない。むしろ、裏道っぽい湖畔の車道を走っている間の方が、心地よかった。

昼食とぽた家合流


 途中、休憩を挟みながら、琵琶湖を右に走ってゆく。湖畔から離れたり近づいたり、自転車の一団はやがて昼食のために足を止めた。場所はちょっと荒れた護岸の側だった。羽虫が凄かったが、渚に出るとそうでもない。ここで買っておいた駅弁を広げる。肉がやや硬めに煮付けてあったが、悪くない。あまり食欲が無かったのにぺろりと平らげたので、美味しかったということだろう。
 琵琶湖は湖だけあって、波はごく穏やかだ。漣が立っている程度だった。広さは、瀬戸内のちょっとした灘より広いのではないかと思うほどだが、波はさすがに海ほどではない。干満も無いのだろう。長閑だなー、などとのんびり構えていたら、急に波が立ち始めた。風か、船か、どちらかだろう。
 さて、ぽた家との邂逅地点である近江大橋を目指し、さらに南下していった。途中、大きな物産センターのような場所に立ち寄った。海産物......いや、水産物とくくるべきか、が豊富で、うまそうな匂いに満ちたここは、ちょっと胃の毒だった。さっそく、なにがしか購入した者もいたようだ。
 さらに走りつづけ、近江大橋まで後少しという地点で、再び小休止。琵琶湖の方を見ると、巨大な風車が立っていた。なにかの実験施設だろうか。
 こぐ氏は夜行で来た疲労が出たのか、道端でゴロンと横になって寝てしまう。僕も多少の眠気を感じ始めていたので、缶コーヒーを買って飲んだ。カフェインが全身に染み渡る。
 さらにさらに南下。あまりにゆっくり走ると疲労してしまうので、とうとう歩道ではなくて車道を走ることにした。歩道を走る一行を追い越して、どんどん先に走っていった。スピードが乗ると走行感が軽くなり、楽しく走りつづけることが出来た。と、(あ)氏も歩道走行に飽きたのか、背後に着いてきた。SatRDayでもそこそこの巡航速度は稼げるんだな。
 橋をいくつか渡ったところで、後続を待つ。再び歩道を走る一隊と合流し、さらに近江大橋に近づいたところでだった。前の方を走っていた人たちが、『おーっ!』と声を上げながら反対側の歩道を見ていた。そちらに目をやると、黒いBikeEとBirdy、そしてポケラマ風の小径車(後でよく見るとMetro7だった)にまたがった一団が目に入った。ぽた家との邂逅の瞬間だった。
 少し進んだ歩道で、感動の集合。Metroに乗った男性は、関西小径車界(ってあるのか)の一人、Qyou氏だった。
 遂に12人に膨れ上がった集団は、ぽた郎氏の先導で、ひとまず近江大橋を越えた。
 橋を越えた公園で、しばし邂逅を喜ぶ。陽気に誘われて多くの人出があった公園では、この集団は良く目立った。

京都で湯豆腐を


 大津市内を走り、やがて蝉丸神社に至った。ここは境内を京阪電鉄の線路が横切る面白い構造。時代を感じさせる古びた、苔むした境内の地面が印象的だった。
 この前後はかなりの上りがあり、また車道は交通量が多くて歩道を走っていたので、少々辛かった。それでも坂を登りつづけると、逢坂の関跡に到着。石碑と常夜灯が目に入った。ここが都と下界とを分ける地点だったわけだ。
 今日は仁和寺に宿泊する予定だった。寺に、それも歴史あるそれに泊まるなど、滅多に出来ない体験だろう。その仁和寺までは、京都市街を横切って行く形になる。殿を着いて行ったのだが、結構疲れる道行きだった。トランシーバーで先頭を引くぽた郎氏と連絡を取りながら走ってきたのだが、市内でそれを続けると、頻繁なストップ・アンド・ゴーの度にやらなければならない。疲れるというより、ストレスのたまる道行きだった。まあ、それでも、全員が安全に走れたので、良かったのだが。
 途中、京都市役所近辺で別の参加者(てふてふ氏というスーパートレンクル乗り)を待ち、やがて仁和寺へと到達した。が、どうも閉門されてしまっている。もしかして、門限? などと一同青くなっていたが、やがて、ようやく中から人が出てきて(どうやら勝手に通用門を入って受付まで行けばよかったようだ)、今夜の宿に入ることが出来た。
 宿坊、ということで、古めかしい合宿所のようなところを想像していたのだが、実際には内装もきれいな小さな観光ホテル風の建物だった。ここにQyou氏を含む男8、女4、合計12人が泊まる。それぞれ大部屋への宿泊だ。なんとなく、気分は修学旅行。この建物、真言宗の寺である仁和寺が、信徒や関係者を宿泊させるために作ったもののようだ。
 荷物を部屋に置くと、今度はタクシーで今夜の宴会場まで向かった。"わら"という店名の湯豆腐屋だった。最初に胡麻豆腐が出てきたのだが、これがまた胡麻の香りとぬめるような食感がたまらない逸品だった。湯豆腐も期待にたがわず美味。また野菜の天ぷらも、運動で枯渇したエネルギーを即座に補充してくれた。それと、京都という土地柄か、漬物が非常に美味だったことも付け加えておく。まあ、要するに、なにもかも良かった。
 宿に戻り、風呂に入ったりしているうちに、眠気が襲ってきた。日付が変わる前に布団に入った。