Strange Days

2003年11月01日(土曜日)

トーキョーサイクルショー2003

00時00分 自転車 天気:雨混じりの曇天

 昨日から明日にかけて、サイクルショーが開かれている。去年はたか氏らと自走で行ったので、今年もそうしようかと思っていたのだが、天候が思わしくない。この時期に降られるとつらいので、鉄道を乗り継いでゆくことにした。
 地下鉄で戸塚、戸塚から東海道線で横浜、横浜から京浜東北線で大井町に出る。そこから地下へ地下へとひたすら降りてゆくと、ようやくりんかい線の改札があった。なんだってこんなに深く掘ったんだろう。地下鉄でも通っているのか。
 りんかい線で会場の近くに出て、会場まではひたすら歩き。かなり広い、よく整備された公園が、周囲にぽつぽつと立つ建造物の隙間を埋めていた。みなとみらい地区も、完成すればこういう眺めになるんだろう。
 会場入りしたのは15:00という時刻だったので、入場のピークは過ぎていたようだ。後で聞くと、神奈川支部関係者もほとんど会場を後にした頃だったとか。受付は一瞬で終わり、入場証を首から提げて、会場入りした。

GIANT


 端から見て回る。COLNAGO、PINARELLO、LOOKといった辺りは目の毒なので、ちょっと立ち寄るだけだ。GIANTのブースには新顔のMR-20が展示されていた。去年見た試作品を商品化したものだ。MR-4より折りたたみ性能が高く、BD-1よりは走行性能が高い。そういう線を狙ったようだ。ロードバイク的な商品ではない。やや重量化したこともあり、それほど欲しいとは思わなかった。ただ、最初の一台を考える向きには、意外に受けるかも。

SPECIALIZED


 SPECIALIZEDのブースで、やっとTarmacの実物と対面した。そう、物も見ないで発注したのである。これも形に惚れた弱みよ、くぅ。実物は、トップチューブの曲線も美しく、従来までのロードバイク設計とは一線を画しているように思えた。むしろ、トライアスロンバイクに見られるような、アヴァンギャルド性を含有しているように思えた。性格的には、歴然たるロードバイクなのだが。むしろRoubaix系の方がトライアスロンバイクの形質を有しているようだ。
 ボディ・ジオメトリ系サドルを並べた一角で、ガイジンのおっさんがスタッフの同時通訳を受けながら、なにやら発表している。あっ、この人には見覚えあり。ボディ・ジオメトリ系サドルの設計者、Dr.ミンコーだ。聴衆を前に、PowerPointで作ったらしいチャートを操作しながら説明していた。うーん、時間があれば聞きたかったかも。

RITCHEY BreakAway


 RITCHEYのブース(正確には東京サンエスのそれ)で、噂の折りたたみロードバイク、BreakAwayを発見。ふつうの鉄ロードなのだが、フレームを小さく折りたためるのがポイント。その結果、BD-1とそれほど変わらんのじゃないかというくらい、小さいサイズに収めることが出来るのだ。700Cのホイールに+α程度だ。専用のスーツケースに収めると、どこにでも持ってゆけるし、鉄道輪行なら、それこそちび輪バッグでも使えそうだ。定評あるRITCHEYの鉄ロードが、しかも折りたためるものが手に入る。惜しむらくは価格で、なんと35万弱もする。バッグ込みで、純正パーツで固めているとはいえ、これはちょっと手が出ない。特にTarmacを発注している段階では。折りたたみ(というか普通のロードの輪行よりさらに手間が掛かるはずだが)の手間次第だが、ポケロケよりもこっちの方に色目が行く今日この頃だ。
 その後、DAHONのブースを眺めたが、その時にはある重要な隠しアイテムに気づかなかった(いや隠していたわけじゃないんだろうが)。

台湾勢


 例年、怪しげな物品を並べている、アジア勢のブースを見て回る。今年はそんなに奇矯な代物は目に付かなかった。軽い小径折りたたみのメーカーで知られるNEO BIKE社で、おまえそれはブロそのものだろ、といいたくなるような代物を発見。これ、前から街中を走り回っている奴だな。NEO BIKE製だったとは。っつか、Bromptonの台湾メードのものも、ここで作られているんだっけ?
 Birdy系の製造元で知られるPACIFIC社のブースで、LOROが販売しているAirnimalという高級折りたたみロードを発見。密かにMR-4最大のライバルと目していたものだが、これも台湾製だったのね。まあスポーツサイクル市場の現状をみると、さもありなんというべきだが。

リカンベントML試乗会陣中見舞い


 屋外に出て、リカンベントML主催の試乗会場を陣中見舞い。去年よりレイアウトが多少変わっていた。試乗会も2回目となり、運用もスムーズに行っている雰囲気があった。まき氏と目が合うと、「あっ」といって1万円を返してくれた。そうそう、南会津の時に貸してあげていたのだった。敬意を表し、利息は取らなかった(取ると金融法違反で捕まりそうな気もする)。
 メーカー主催の試乗会場はあまりに盛況だったので、今年は試乗をパス。バーゲン会場に入ると、サガミNo.3のおじさんが挨拶してくれた。会期中は、店を閉めてこちらでバーゲンをやっているようだ。

DAHONの核兵器(俺的には)


 さて、帰る前にもう一巡りするか。会場に戻り、DAHONのブースをもう一度通り過ぎたときだった。そこで取材班が目にしたものは!(爆) なんと、RITCHEYのBreakAwayのOEMモデルが展示されているじゃありませんか。しかも価格は思い切り安く、なんと19万円強。DAHON製品の常として、かなりのディスカウントがあるはずだから、実売は15万円台ですか。ぅゎ、やばすぎ。買えちゃうよ(爆)。って、ロードをそんなに増やしてどうする気ですか? でも700Cの折りたたみというセグメントは、コレクションには無い。だから買う意味はあるのだが(この考え自身が既にヤバ過ぎ)。なんだったらBD-1売ってもいいな(もうそこまで考えが行ってますか?) 暗黒の衝動と戦いながら、Allegroというそのバイクの前で悶々としていると、横からCHEE氏がひょいと現れた。そういえば、神奈川支部の掲示板に、ちょうど今時分に行くとか何とか書いてあったような。
 暗黒の衝動から逃れるべく、CHEE氏にAllegroのことをあれこれ説明する。なんだかはた迷惑な俺様だった。話しながら観察すると、パーツ的にRITCHEYの気合が入ったパーツてんこ盛りという感じではなく、フォークを始めいくらかRITCHEY度が低いようだった。しかし、少なくともリア・ディレイラーは同じULTEGRAだし、カタログスペックにしても同重量だし(8.3kg)、なんでこんなに安いのか不思議だった。ああ、問題はカラーリングだな。いかにもDAHONっぽい野暮なカラーリングさえ我慢すれば、BreakAwayとほぼコンパチな物が、ずっとお安く手に入るのだ。CHEE氏の反応を見ていると、ふふーん、という感じであまり関心がなさげだったが、ローディーには受けるんじゃないだろうか。意外に、年末商戦の台風の目になりそうな気がする。いや、折り畳みとしてはあまりに煩雑なので、やはり特殊な客(僕のような)にしか受けないのかもしれない。
 CHEE氏に別れを告げ、膨れ上がる煩悩に悩まされつつ、会場を後にした。