Strange Days

2004年07月17日(土曜日)

NHKスペシャル『地球大進化』第4夜「大量絶滅」~巨大噴火が哺乳類を生んだ~

23時36分 テレビ 天気:なんだか禍々しい

 毎度毎度、生物に襲い掛かる悲惨な事件が楽しい(爆)この番組。今夜は『大量絶滅』ときたもんだ。期待も膨らむってもんだ(どんな期待だ)。
 毎度、山崎努の語りで始まる。『せっかく苦労してここまで来たってのに、また絶滅かよ』。その通り、人類の生命進化観は、過去の漸進的で継続的なものから、急進的で断続的なものに代わってきた。種の多くが根絶される大量絶滅劇は、過去5回もあったとされる。その中でも、2億5千万年前に起こったペルム期末のそれは、種の95%が途絶えたという凄まじいものだった*1
 ペルム期末、世界中で繁栄を極めていたのは、哺乳類の先祖に当たる、哺乳類型爬虫類だった。この奇妙な名称は、体の構造としては爬虫類の一種に当たるのだが、生活様式には現在の哺乳類の特徴も見られることから名づけられたらしい。一部には温血性の恒温性をもつ種もあった*2
 この絶滅劇、原因は様々に考えられているのだが、注目を集めているのが、プルームテクトニクスと絡められた環境激変説だ。
 この時期、陸地はパンゲアという単一の超大陸に集結していた。この時代だったらグレートジャーニーなんて簡単だったんだなあ。どうでもいいですかそうですか。ともあれ、でっかい大陸が一つ。馬鹿でかい海に取り囲まれていると思いねえ。海洋プレートと大陸プレートとの境目には、プレートが落ち込んでゆく海溝が発達する。日本の南海上にある奴ね。この時期、この超大陸は、周囲をぐるりと海溝に取り囲まれる形になっていた。そして、その海溝からは、潜り込んだ海洋プレートが落ち込み、マントルの中を地球の核へと向けて落ち込んでゆく。核は、超高温*3の内核、溶解した金属によって出来たやや低温の外核によって形成されている。この外核へとプレートが大量に落ち込んだとき、その反動*4で、巨大なプルームがマントルの中を上昇していった。この巨大プルームが、今のシベリア北西部へと衝突したのだ。地球内部から放出された膨大な熱が、巨大な火山活動を引き起こしたのだ。プルームの上昇は、今もシベリアの近くに、大きな裂け目として爪痕を残している。
 この大噴火は、しかしそれほど大きな被害はもたらさなかったろう。巨大な超大陸では、これほどの大噴火でもごく限られた領域に過ぎず、生物たちが逃げ出す余地は十分あったからだ。生物たちに大打撃を与えたメカニズムは、別にあった。
 この噴火は、大量の二酸化炭素を放出し、その温室効果により、地球の平均気温を数度、極地では10度以上も上昇させたものと思われる。その結果、海洋の底深くで異変が生じた。大量に蓄積されたメタンハイドレートを溶解させ始めたのだ。地表に放出されたメタンは、二酸化炭素より遥かに高い温室効果により、さらに地表の温度を上昇させた。それが更なるメタンの放出をもたらすという悪循環が始まり、結果、地表に莫大な量のメタンが放出されることになった。
 このメタンは、大気中の酸素と結びついてしまう。ペルム期、繁栄を極めた植物たちにより、大気中の酸素濃度は30%に達していたという。それが一気に10%前後にも落ち込んでしまったのだ。酸素濃度が1/3にも減少すると、多くの生物は運動能力が激減し、餌を得ることが難しくなっただろう。呼吸が出来ず滅びる種さえあったかもしれない。酸素という活性の高い物質を利用することで、高い運動能力を得てきたのが地球の生物だった。それゆえに、酸素の急減は、大量絶滅の一因として働いたのだった。
 この酸素不足は長い間継続した。その間、地球の生物相は、プルム期末からは一変していた。哺乳類型爬虫類は支配種族の座を滑り落ち、双弓類から進化した恐竜たちが闊歩する時代になったのだ。従来、この劇的な交代劇は、その原因がはっきりせず、諸説取り沙汰されて来た。後々、なぜか*5恐竜が、その哺乳類型爬虫類から進化した哺乳類に取って代わられたことを考えると、その奇妙さは増す。
 原因の一つとして考えられているのが、恐竜たちの呼吸器が優れていたからだ、というものだ。鳥は恐竜から進化したとされている。その鳥と、恐竜との間には、構造上の一致点が多い。首の骨の構造などはそっくりだ。そのことを敷衍してゆくと、鳥が持っているある器官を、当時の恐竜も持っていたことが分かる。気嚢の存在だ。気嚢は吸気を一時蓄積し、肺に流すことで、常に肺に対して新鮮な空気を流入させ続ける器官だ。この存在により、鳥は、そして恐竜は、低酸素の状況下にあって、なお高度な運動性を獲得できたと思われる。最大のライバルである哺乳類型爬虫類との生存競争の上で、恐らくは圧倒的な優位に立っただろう。
 このように、数多くの種が、巨大プルームの上昇によって生じた様々の現象に、直接、間接的に滅ぼされていったのだ。そして恐竜の時代が来た。
 人間の祖先に当たる哺乳類型爬虫類にとって、圧倒的な恐竜の脅威の下、苦難の生活を送る日々がやってきた。だが、彼らも新しい環境への適応を進めていた。一つは横隔膜の発達だ。低酸素濃度に対応するために、肺のサイズを拡大すると共に、迅速に排気するための横隔膜をも所持するようになったのだ。これにより、従来よりは遥かにすばやく動けるようになったと思われる。
 もう一つの画期的な事件は、真の哺乳類への進化だった。胎内で子供をある程度育て、生まれた子を確実に育ててゆく。それは恐竜の脅威の下で暮らす彼らの生存率を、確実に上げる手段だった。そのことが、未来での逆転劇、今度は哺乳類がメインストリームとなる事件の伏線になったという説がある。恐竜が滅びたとき、何らかの環境の激変*6を伴っていただろうという予測は多い。その時、基本的に*7卵を産みっぱなしだった恐竜に対し、子を育て、効率的に資源を受け渡してゆける哺乳類の方が、激変後の適応拡散の時期に大きく有利になれたと思われる。その結果、今度は恐竜が生存競争に敗れたのだ、という説だ。
 なんにせよ、恐竜の脅威下で、人間の先祖たる哺乳類が生まれ、その絶滅と共にいよいよメインストリームに躍り出たわけだ。
次回はお猿さんの登場らしいぞ。

疲れたので、BikeEたんでお出かけ

18時29分 暮らし 天気:夏場の晴れ日は……

 昨日の疲労を感じつつ起床。脚が、腕がというよりは、全身が疲労している。夏の直射日光は、予想外に体力を奪うものだ。
 実は明日、前から岡山氏と語り合って決行の機会をうかがっていた、BikeEで荒川を計画を、ついに発動することになったのだ。そこで、先週駆動系の洗浄をやった、BikeEの塩梅を確かめてやろうと思った。
 泥除けを外し、少し軽量化したBikeEに、届いたばかりのサイドバッグ*1を右だけ付け、走り出した。
 どこに行こうか。などと考えるまでも無く、なんとなく南下コースを取っていた。結局あそこですか、飯田ですか。
 風はあったが、BikeEで走るのは気楽だ。楽というより気楽。20Km/h以下で走っても、悠然と構えていられる。逆に20Km/h以上で走るのが辛い気もする。それでも、BikeEで見上げる空の広さはいい。僕はローレーサータイプにほとんど魅力を感じない。ロードバイク系のリカンベント(ようするにハイスピード型)よりも、ロングホイールベースのものに興味がある。それでも、完全にシートが寝そべっているローレーサータイプで、青い空の下を走るっていうシチュエーションには、強く惹かれる。
 飯田牧場ではグレープフルーツのシャーベットにした。別に牧場でなくてええやんけといった観はあるが、美味であった。
 帰路は追い風だったが、それでもロードバイクのように30Km/hで鼻歌交じりに、といったわけには行かない。細かくポジションを変えてみたのだが、最適なものと思えるようなポジションでも、あまり高速では走れない。瞬間的にはスピードを出せるのだが、それを維持する気にはなれない。思うに、リアのSACS3*7の内装ハブが問題ではないだろうか。凄くフリクションを感じる。シマノの3段の方がマシではないかと思えるくらいだ。
 帰り道、立ち寄ったダイクマで、缶ビールの6本パックを買って、サイドバッグに納めた。余裕っち。1ダースのケースでも入りそうだ。
 まだ疲労を感じつつ、帰宅。