Strange Days

2008年01月01日(火曜日)

やはりなんてことのない元日です

23時09分 暮らし 天気:くもり時々晴れ(おまけに雪もだ)

 朝は雑煮を食う物と相場が決まっている。実家の雑煮には牡蠣が入っていて、これが子供の頃は*1苦手だった。ところが近年は嗜好が変わってきて、牡蠣の味が好みになってきた。逆に昔は増量してもらっていたほどの練り物が、どうもうっとうしく感じるようになって来た。究極の雑煮は、餅、牡蠣、水菜だけか!? それも味気ないものだ。
 昼過ぎに亀山神社に初詣。相も変わらずの人出だ。しかし鶴が丘八幡宮の殺人的人出に慣れた拙者、むしろ『空いとるのお』などと暢気に眺めてしまう。
 さて、一度家に帰ってから、他のお宮へのお参りに出かけた。相変わらず不可知論的な立場からの無神論者である我が輩だが、近年はお参りするのが楽しみになってきた。古びたお社の佇まいは良いものではないか。それに健康を、幸福を願う人の気持ちに嘘は無いだろう。そんな祈りを捧げる現場を見るのは、そこはかとない共感を呼び起こしてくれて好ましい。
 呉全体の総社とされるのは亀山神社だが、近所にはもう二つ、小さな社がある。一つが鯛之宮、もう一つが大蔵神社だ。鯛之宮は間近にあり、実家のある辺りが氏子とされていたので、祭りにも良く参加した。また亀山神社招請以前からある古社で、それゆえか海軍とも由縁が深いらしい。かの第六潜水艇事件の鎮魂碑もここにある。むしろ鎮魂塔と言うべきか、石積みの立派な尖塔だ。
 もう一つが大蔵神社。こっちは各地にある大蔵神社の末社だろう。しかしこの日になって、母から初めてその存在を聞いたのだ。いわく、この三社を全てお参りすればいいことがある、と。うむ、やろうじゃありませんか。
 亀山神社の石段までは、実家から歩いて5分だ。実家は神社の裏手のある塩梅だ。この石段は110段程度あるようだ。映画で有名になった*2両城の200段の階段なんてのもあるが、この急峻な山裾にしがみついた町では、ちょっと知り合いの家に出かけようと思ったら、必ず何十もの石段を登り降りせねばならない。
 鯛之宮はひっそりとしている。お社にも人気はなく、しかし普段は置いてないおみくじ箱が、賽銭箱の隣に出現している。亀山神社で大吉を引いたので、ここでは遠慮しておく。この鯛之宮、芸備地震で大損害を受けたのだが、地元の土建業者が復旧に奔走して、今は前よりもしっかりと補強されているようだ。
 さて、亀山神社を降りて、両城方面へと歩く。今はかなり寂れてしまった三条通を終点近くまで歩くと、山に向けての参道と鳥居が現れる。
 参道をてくてく登って行くと、鯛之宮と同じくらいの社が現れた。こちらには宮司なのか氏子の当番なのか、ちゃんと人が置かれていた。
 この社がある真下を呉線が通っている。
 社の少し下った公園に、ここで正岡子規が詠んだという句を顕彰する句碑が立っている。
 実家への帰り道、たぶんこれが両城200階段だろうというのを撮ってみた。実家の裏手にも、墓地に通じる似たような急峻な階段があって、子供の頃は『ここを思い切り駆け降りたら、滑って転げ落ちて死ぬんじゃないだろうか』などとドキドキしたものだ。そういう嫌な思い出を呼び起こしそうな眺めである。
 帰宅して、YouTubeとニコニコを巡る。しまったな、本を持って帰ればよかったよ。
 そんなわけで、今年も駄文を書き連ねるだけの拙ウェブをよろしくお願いします。