Strange Days

2011年12月24日(土曜日)

年末の奈良『遠すぎた飛鳥』ツーリング? 2日目

22時26分 , デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴

 たっぷり寝たせいか、気分は上々。昨夕の『ああ、このまま行き倒れになるのか』という勢いの、強烈な倦怠感は無い。
 さて、今日は昨日の残り、興福寺や新薬師寺、そして元興寺を回って、平城宮跡に向かおうと思っていたのだが、考えなおした。昨日のペースでは、興福寺で昼を迎えてしまうかもしれない。そうなると、東大寺周辺の宿題を片付けてから平城宮に向かうと、日が暮れてしまいそうなのだ。
 そこで、まず斑鳩の法隆寺を襲い、そこから薬師寺、唐招提寺、平城宮跡に向かうことにした。最後は二月堂で夕陽を見たい。
 Bromptonでホテルを出発し、とりあえず南西方向に走った。フロントバッグは付けず、折りたたみバッグだけで賄った。できるだけ裏道を取ろうとしたのが裏目に出て、盛大に迷走しながら走った。
 薬師寺に近づいた辺りで、川沿いにサイクリングロードがあるのに気づいた。実は斑鳩まで通じているのだが、気づかないですぐに薬師寺方面に向かってしまった。
 薬師寺の南は、車道が細くて、とても大観光地とは思えない場所だった。しかし通過し、まずは法隆寺を目指す。
 ここでまた、しばらく迷走していたが、大和郡山の坂道で、再びサイクリングロードに遭遇。ここからはなぞって走っていった。しかしこの道、歩道に敷かれている上に、謎のアップダウンも多く、ギアが不調なBromptonでは難儀した。
 そう、どうも朝からBromptonのギアが決まらないのだ。リア5段の調整法は合っているはずなのに、それでも決まらない。ふと、シフト用のチェーンを手で動かすと、動きが渋いことに気づいた。うーん、そろそろ整備に出さんとイカンかのう。一度シフトを余計に切ってから切り戻せば、とりあえずリア側は使えることがわかった。意外だったのは外装2段も不調なことで、やたらスーパーインナーに落ちてしまうのだ。即座に調整できないので、とりあえず快調なハイギアで固定することにした。これで走行に支障なくなった。
 ヘコヘコと走り続け、遂に斑鳩に到達した。まず迎えてくれたのが法起寺。聖徳太子の営んだ宮跡に建てられた寺だとか。この三重塔は創建当時のもの。1400年ものだよ。奈良にはこういう代物がゴロゴロしている。
 導かれるままに*1、法隆寺に。思いの外、広い境内だ。
 まず目立つのが、五重塔と金堂。飛鳥時代の風を感じさせる、とすごくいい加減で適当なことを言ってみる。風格がある。
 宝物館に導かれたので、観て回る。概ね飛鳥~鎌倉にかけて製作された仏が多い。さすがに古い大刹だけに、仏は数多いものだ。
 最後に、かの有名な夢殿を見る。青空の下、キリッとした小堂は絵になる。
 なんだかんだで、この法隆寺だけでも3時間ほども費やしてしまった。寺域が広いという、東大寺と同様の罠も張られていたが。
 薬師寺方面に戻る前に、法隆寺門前で食事。寒かったので温かいのをと考えたら、毎度の肉うどんが合致。
 食後は、まだサイクリングロードを逆に辿り返していった。案内板を見るに、薬師寺、唐招提寺を経由して、平城宮跡に至る、理想的な経路ではありそうだ。ところが、実際に走ってみると、結構アップダウンがあったり、車道の右逆走を強いられたりで、あまり嬉しくない。終いには、不可思議な迂回路を指示された挙句、盛大な迷走を強いられるハメにもなった。
 なんとか薬師寺。ここもかなり大規模な寺だ。寺門の前に駐輪場があり、どこに停めればいいのよという法隆寺よりは良い待遇だった。
 講堂西塔は、近年の再建だが、東塔は平城京への移転当時当時からのものらしい。もちろん国宝。奈良の寺は国宝だらけだ。そしてこの寺も世界遺産だ。東塔は2018年まで解体修復が予定されており、間もなく完全に覆われてしまう。こんなふうに露出している姿も、そう長くは拝めそうにない。しかし、なんだか内之浦のロケット打ち上げ場みたいだな。
 薬師寺の裏手には唐招提寺横手の林の情景が良い
 時間的に、平城宮を見ていたら、夕方になってしまう。暗い中、あまり道の良くない奈良を走りたくないので、ホテルに戻っていった。下手に裏道を行くより、新しい広い幹線に生まれ変わった三条大路を走る方が楽だった。
 一度ホテルに戻り、自転車を置いて、徒歩で東大寺に向かった。二月堂にて夕陽を待ったが、あんな好天が続いていたのに、山の上に濃い雲がかかってきた。それでも奈良の空は頑張って、切れ目を作ってくれたが、そこまで。まあ、そこそこいい夕景ではあった。
 夕暮れ時、人気の途絶えた東大寺を見ながら三条通りまで戻り、アーケード街で見つけていた洋食屋あるるかんに入った。手書き看板の『とろとろビーフのカレー』という惹句が美味しそうだったので、ビーフカレーを注文。カレー自体普通だが、肉には手が掛かっていて、じっくり煮こんであった。ビールも美味いぞ。
 満足して宿に帰り、地図を見ながら明日の作戦を立てる。あれ、意外に充足してないか、俺。