Strange Days

2013年08月11日(日曜日)

隠岐ツーリング初日~とにかく島へ編

22時53分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴

 朝、4:20くらいに起床。既に暑い。そして寝不足。まあ、今日は移動日なので、どこかで取り返せるだろう。
 荷物をVario一つにまとめ、身軽に羽田に向かう。カメラは、できるだけ軽くて防水防塵なTG-1というのも考えたが、やはりカメラとしての性能を取ってNikon 1 V2を選択する。
 羽田から米子空港に飛ぶ。機中、少しウトウト出来たが、睡眠不足解消には至らなかった。が、気分はすっきりする。旅の始まりが、一種の憂鬱さと高揚とを、同時にもたらしている。
 米子空港からは、どう境港に向かうか。米子空港到着は8:00過ぎ、境港からの高速船出港は11:00過ぎなので、かなり間がある。とにかく、朝飯を食い損ねていたので、空港の蕎麦屋に入り、出雲蕎麦を食した。
 バス便も調べたが、境港への便は、案に相違して少なかったので、空港に接続している境港線で向かうことにした。駅から振り返ると、乗ってきた便が折り返す所だった
 境港線は、というかこの弓ヶ浜半島以北は、まるごと水木しげるワールドの威光に屈しているが如き場所なので、電車なんてラッピング列車ばかりだ。しかしこの境港線、敷設者に優しい一直線の線形ばかりだな。
 境港に着くも、時間が早すぎて、まだ高速船の切符を買えない。窓口が閉まっているのだ。まあ、予約は入れているので、買えないことはないだろうが。
 それまで、駅周辺をうろつく。涼しい観光コーナーに飽きたので、外の妖怪像を見て回る。ぬらりひょんの旦那、頭を撫でられすぎですぜ。
 うろついているうちに、やっと切符の発売時間が来る。予約番号を忘れていたが、名前その他の照合で難なく買えた。硬券だ。
 しかし、出航時間までは、なおも間がある。待合室と、外とを、まだうろついて時間を潰した。一人、Birdyに乗っていた男性が、待合室前で輪行準備をして待機している。旧タイプの丸フレーム。おやと思った。乗船案内に、手荷物のサイズが明記されていて、小さな折りたたみとはいえ、さすがに持ち込みできないはずだからだ。
 やがて、高速船が入港する。ご覧の通りの双胴船で、瀬戸内では松山~呉~広島航路に就役しているタイプに近い。波の荒い外洋でも、双胴式ならば就役率が高くなるのだろう。
 しばらく行列して待つうちに、やっと乗船時間が来る。2階席を難なく占める。さっきの男性も、特に問題なく乗船できたようだ。これならば、Bromptonならば、全く問題ないのだろう。
 出港してしばらくは、島根半島を横目に走る。自衛隊の美保関基地が目立つなあ。そして洋上に出てからは、しばらくは海以外何も見えない航海が続く。外洋だなあ。
 やがて、前方に陸塊が見えてくる。まず見えるのは、島前の島々だ。島前は一つの大きなカルデラの中央火口と、取り囲む外輪山だ。かなりでかい。
 船は、やがて島前の島々よりも、もっとこんもりとしたまとまりのある島に近づく。これが島後。こちらも火山活動で出来た島だが、まだ日本海が陸地だった時代に出来たものだと聞いた。
 入港し、下船。は、さすがに観光地の正面玄関らしく、整備されている。
 さて、時間は14:00前。お腹が空いているので、まずは食事処を求める。泊まるホテルの近くで、釜飯屋を発見したので、お刺身の定食をいただく。こういう島では、海鮮にまずハズレがない。すこぶるコリコリとした歯ごたえが快感の、お刺身だった。ビールの誘惑には打ち勝つ。夕陽を何処かで見たかったから。
 隠岐での泊地は、隠岐ビューポートホテル。その名の通り、隠岐の港に面して立つホテルだ。しかし、チェックインは16:00からと、少し遅い。それまで、1Fの観光案内所で調べ物をし、更に時間が余ったので2Fのジオパーク情報センターに入る。この情報センターに併設されているミニ博物室、隠岐自然館にも入ってみた。入室受付に誰もおらず、呼び鈴で呼び出す必要がある。中は綺麗に整備されており、隠岐の成り立ちや、海陸に生息する生き物たちを綺麗にまとめているのだが、誰も居ない。30分ほどかけて見て回る間、誰も入館者がなかった。もったいない話だ。出る時に、ようやく別の入館者とすれ違う。
 さて、まだ15:00だが、待ちくたびれたので、荷物だけ受け取って、自転車を組むことにする。3Fのフロントに行ってみると、もうチェックイン可能だという。ということで、ここでチェックインする。
 部屋に入り、荷物を確認する。ポケロケを含め、無事に届いていた。一休みして、ポケロケを組んだ。部屋にはLANは来てなかったのだが、ドコモ回線は使えるので、B-Mobileのモバイルルータ+iijMioで難なく通信可能だ。
 さて、夕陽を見にゆくぞ。ポケロケを持ちだして、隠岐の島を走りだした。隠岐空港近辺に高台があり、良さげだったので、そちらに進路を取る。西郷港近郊から、空港のある半島まで、深い湾が隔てている。そこで、この赤い橋が渡されているのだ。絵になる橋だが、同時に景観を大胆に変えてもいる。
 空港線をひた走り、ふと見つけた"夕日の見える丘公園"の標識に引き寄せられ、高台に登る。隠岐牛の放牧地らしく、方々に牛が黄昏れている。
 公園内の道に沿って走ってゆくと、空港を見下ろせる一角に来た。と言うか、この場所は空港から登ってすぐのところだ。ここで夕陽を待つ。
 ポケロケと夕陽。起伏の多い島の道には、走行性能の高いポケロケが似合っている。
 夕陽は、空港の舗装に照り返しつつ、山の端に沈んでゆく。完全に見送ると、帰路が暗くなって危険なので、そこそこ見送ってから後にした。
 ホテルに戻り、夕食のために外出したが、驚愕の事実。島の夜は早い。目当てにしていた店は、いずれも早々と店を閉めていた。盆というのもあるのだろうか。幸い、ホテルの真裏にショッピングセンターがあり、その地下食品売り場で夕食を買い込んだ。とりあえずビールを開け、明日からのための英気を養うことにした。