出雲を離れる日が来た。二日ではぜんぜん物足りない。暑すぎて距離を伸ばせなかったのもある。やはり観光には体力が必要だ。それと、今回は出雲市を拠点にしたが、観光地はむしろ米子、松江周辺に多いので、松江市街を拠点にする方が良いかもしれない。
さて、ホテルを出る前に、フロントにトラベスケースの返送をお願いする。珍しく、元払いでも受け付けてくれた。小さなホテルだと着払いしか扱わないものだが。
荷物は着替え類と電子機器だけだ。それらを背負ってホテルを出た。
出雲市から
米子行きに乗る。さあ、半日掛りの電車の旅が始まる。
宍道で
木次線備後落合行きに乗り換える。著名な地名なので駅も大きいかと思いきや、駅員数名の小さな駅だった。ここで弁当を買おうという野望は潰えた。出発駅で買うべきだった。
備後落合まで、電車はのんびりと走ってゆく。この車両には、電車の旅を楽しもうと乗り込んだと思しき、主に中高年の男女が散見された。車窓の風景は、せせこましくも愛らしい、典型的な
中国山地の眺めになってくる。
途中、比較的アグレッシヴに周囲と交歓しているおっさんに、
記念撮影をしてもらう。これは出雲八代辺りだったか。なんの気なしに駅舎に目をやると、
おおっと言うものが。乗りたかった。
出雲横田辺りだったと思うが、ここで2両編成っきりの電車を切り離し、後ろの1両は宍道への
折り返し便になる。
電車は出雲坂根にさしかかる。ここら辺が木次線の売りで、2重スイッチバックがあるのだ。まず駅でスイッチバックして上り線に移り、わずかに行った山中で2度目のスイッチバックを行う。
この写真に見える分岐は2度目のスイッチバックで乗り換える路線だ。今は微速で行き止まりの線路を進行中で、まもなくスイッチバックして乗り換える。スイッチバックの度に運転手が前後に移動するので、1両きりの電車だと助かることだろう。
木次線と併走しているR314も、ここでおろちループと名づけられた環形路で一気に高度を稼ぐ。それを撮ろうと待ち構えるも、木々が邪魔で中々視界に入らない。しかし、まずループを抜けた先の
鉄橋が眼に入り、それから
ループの全景がようやく見えてきた。
進んだ三井野原駅は、
JR西では最高所にある駅だとか。"トロッコ&サイクリング"の文字が気になるが、この線をトロッコ電車が走っていること、出雲三成にサイクリングターミナルがあることは間違いない。トロッコで輪行できるのか?
列車は備後落合に着き、ここからは芸備線三次行きに、さらに広島行きに乗り換え、呉まで帰還した。もう夕方だった。
しかし、出雲の国は、どうやら鉄分多き人に幸をもたらす国らしいぞ。
今日は比較的距離を走りそうだ。宍道湖を反時計回りに回り、境港でゲゲゲってから松江に引き返し、観光して帰るつもりだった。しかしこの道行き、かなり険しいものだった。
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半日ほどもサンライズ出雲に揺られた末に、ついに出雲市駅に到着した。
宿で荷物を受け取り、難なくSatRDayを組み立てて出発、と思いきや……。
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今日は荒川サイクリングだなあ、と思いつつも、結局部屋で過ごす。暑くなりそうだもん。
今日は22:26横浜発のサンライズ出雲に乗ればいいのだから、夕方は21:00に家を出ればいい。それまでゆっくり荷物の準備をすればいい、はずだったのだが、のんびりしすぎて出る直前にドタバタする羽目になった。実家に直接送るものを思い出したりもしたのだ。
横浜までは東海道線で出る。サンライズ出雲は車内販売が無いので、夕食は出掛けに取っておいた。
やがて
サンライズ出雲/瀬戸が入ってきた。今回取ったのはB寝台シングル。個室としてはボリュームゾーンだ。
部屋はやはり狭くて、ベッドにちょっとおまけした位だ。しかしサイドテーブルにコンセントが一つあるのはありがたい。これ以外の荷物スペースはわずかなので、自転車の持ち込みは難しそうだ。自転車持ち込みならばA寝台がおすすめだな。
アメニティとしては浴衣があったので、それに着替え、布団に横になる。車窓の外はどんどん流れてゆく。下段を取ったので空の眺めはよくないが、駅に入る度にホームすれすれの奇妙な眺めを楽しめた。まあこんな時間に女子高生が闊歩してパンチラしたりはしてなかったが。
そんなこんなで、窓の外を眺めているうちに夜は更けていった。