Strange Days

2011年12月25日(日曜日)

年末の奈良『ごめん、舐めてました』ツアー 最終日

21時28分 , デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:好天

 旅行前は、初日に奈良公園はおろか、平城宮跡までも賄い、翌日には明日香村まで足を伸ばすつもりだった。しかし、いざ来てみると、何が何がであった。2日かけても、まだ東大寺周辺すら賄えてないではないか。いやはや、奈良を舐めててすいませんという気分だ。
 今日は未着手の興福寺を襲おう。朝一、荷物をホテルに預け、アーケードの喫茶店で朝食をとる。そして、まずは興福寺に向かった。南大門跡方面から、Bromptonを担ぎ上げた。
 眼に入るのが南円堂。これと対になる北円堂というのもある。五重塔は一番目立つが、実は西にある三重塔の方が古い。何度も焼けて何度も再建されてきた寺なので、五重塔の再建時期は比較的新しいものなのだそうな。
 国宝館に入る。ここも奈良国立博物館、東大寺国宝館に負けず劣らずの、国宝ラッシュだ。古い寺なので、謂れのわからない仏も多い。千手観音菩薩の威容には圧倒される。そして有名人(?)の阿修羅像も。阿修羅像は、やはり注目を集めていた。
 国宝の山に既に満腹感を覚えつつも、宿の近くにあったのに襲わなかった元興寺を訪った。蘇我馬子が建立した寺院が前身で、その後遷都に伴ってこの地に移転、広大な寺域を抱えていたが、徐々に衰退し、今はこじんまりとした寺域に収まっている。しかし、佇まいは威厳を感じさせるものだ。石塔の数が歴史を感じさせる。
 続いて、Bromptonをしばし走らせ、新薬師寺。ここも本尊を守る十二神将立像で有名だ。隣接する庫裏の庭は、織田有楽斎が作ったものだとか。
 ホテルの近くまで戻り、定食屋があったので生姜焼き定食を腹に収めた。そして奈良駅まで走り、新幹線で帰宅した。
 今回は宿題がたくさん残ったなあ。また行くぞ、暖かくなったら。いや、梅の時期の奈良もいいかもね。

2011年12月24日(土曜日)

年末の奈良『遠すぎた飛鳥』ツーリング? 2日目

22時26分 , デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴

 たっぷり寝たせいか、気分は上々。昨夕の『ああ、このまま行き倒れになるのか』という勢いの、強烈な倦怠感は無い。
 さて、今日は昨日の残り、興福寺や新薬師寺、そして元興寺を回って、平城宮跡に向かおうと思っていたのだが、考えなおした。昨日のペースでは、興福寺で昼を迎えてしまうかもしれない。そうなると、東大寺周辺の宿題を片付けてから平城宮に向かうと、日が暮れてしまいそうなのだ。
 そこで、まず斑鳩の法隆寺を襲い、そこから薬師寺、唐招提寺、平城宮跡に向かうことにした。最後は二月堂で夕陽を見たい。
 Bromptonでホテルを出発し、とりあえず南西方向に走った。フロントバッグは付けず、折りたたみバッグだけで賄った。できるだけ裏道を取ろうとしたのが裏目に出て、盛大に迷走しながら走った。
 薬師寺に近づいた辺りで、川沿いにサイクリングロードがあるのに気づいた。実は斑鳩まで通じているのだが、気づかないですぐに薬師寺方面に向かってしまった。
 薬師寺の南は、車道が細くて、とても大観光地とは思えない場所だった。しかし通過し、まずは法隆寺を目指す。
 ここでまた、しばらく迷走していたが、大和郡山の坂道で、再びサイクリングロードに遭遇。ここからはなぞって走っていった。しかしこの道、歩道に敷かれている上に、謎のアップダウンも多く、ギアが不調なBromptonでは難儀した。
 そう、どうも朝からBromptonのギアが決まらないのだ。リア5段の調整法は合っているはずなのに、それでも決まらない。ふと、シフト用のチェーンを手で動かすと、動きが渋いことに気づいた。うーん、そろそろ整備に出さんとイカンかのう。一度シフトを余計に切ってから切り戻せば、とりあえずリア側は使えることがわかった。意外だったのは外装2段も不調なことで、やたらスーパーインナーに落ちてしまうのだ。即座に調整できないので、とりあえず快調なハイギアで固定することにした。これで走行に支障なくなった。
 ヘコヘコと走り続け、遂に斑鳩に到達した。まず迎えてくれたのが法起寺。聖徳太子の営んだ宮跡に建てられた寺だとか。この三重塔は創建当時のもの。1400年ものだよ。奈良にはこういう代物がゴロゴロしている。
 導かれるままに*1、法隆寺に。思いの外、広い境内だ。
 まず目立つのが、五重塔と金堂。飛鳥時代の風を感じさせる、とすごくいい加減で適当なことを言ってみる。風格がある。
 宝物館に導かれたので、観て回る。概ね飛鳥~鎌倉にかけて製作された仏が多い。さすがに古い大刹だけに、仏は数多いものだ。
 最後に、かの有名な夢殿を見る。青空の下、キリッとした小堂は絵になる。
 なんだかんだで、この法隆寺だけでも3時間ほども費やしてしまった。寺域が広いという、東大寺と同様の罠も張られていたが。
 薬師寺方面に戻る前に、法隆寺門前で食事。寒かったので温かいのをと考えたら、毎度の肉うどんが合致。
 食後は、まだサイクリングロードを逆に辿り返していった。案内板を見るに、薬師寺、唐招提寺を経由して、平城宮跡に至る、理想的な経路ではありそうだ。ところが、実際に走ってみると、結構アップダウンがあったり、車道の右逆走を強いられたりで、あまり嬉しくない。終いには、不可思議な迂回路を指示された挙句、盛大な迷走を強いられるハメにもなった。
 なんとか薬師寺。ここもかなり大規模な寺だ。寺門の前に駐輪場があり、どこに停めればいいのよという法隆寺よりは良い待遇だった。
 講堂西塔は、近年の再建だが、東塔は平城京への移転当時当時からのものらしい。もちろん国宝。奈良の寺は国宝だらけだ。そしてこの寺も世界遺産だ。東塔は2018年まで解体修復が予定されており、間もなく完全に覆われてしまう。こんなふうに露出している姿も、そう長くは拝めそうにない。しかし、なんだか内之浦のロケット打ち上げ場みたいだな。
 薬師寺の裏手には唐招提寺横手の林の情景が良い
 時間的に、平城宮を見ていたら、夕方になってしまう。暗い中、あまり道の良くない奈良を走りたくないので、ホテルに戻っていった。下手に裏道を行くより、新しい広い幹線に生まれ変わった三条大路を走る方が楽だった。
 一度ホテルに戻り、自転車を置いて、徒歩で東大寺に向かった。二月堂にて夕陽を待ったが、あんな好天が続いていたのに、山の上に濃い雲がかかってきた。それでも奈良の空は頑張って、切れ目を作ってくれたが、そこまで。まあ、そこそこいい夕景ではあった。
 夕暮れ時、人気の途絶えた東大寺を見ながら三条通りまで戻り、アーケード街で見つけていた洋食屋あるるかんに入った。手書き看板の『とろとろビーフのカレー』という惹句が美味しそうだったので、ビーフカレーを注文。カレー自体普通だが、肉には手が掛かっていて、じっくり煮こんであった。ビールも美味いぞ。
 満足して宿に帰り、地図を見ながら明日の作戦を立てる。あれ、意外に充足してないか、俺。

2011年12月23日(金曜日)

年末の奈良『リア充爆死しろ』ツーリング? 初日

23時41分 , 自転車 , デジタルカメラ 天気:いい天気

 バスは走り続ける。トイレ無しの休憩付きタイプ。乗車時間は7時間弱という設定から、恐らく一睡もできないだろうと思っていた。ところが、案外に寝ていたようだ。休憩の度にトイレに降りたり、隣のおっさんの容赦無い肘打ちに目覚めたりしていたが、それでも3時間程度は寝たんじゃなかろうか。
 京都駅着は、予定よりやや早めだった6:30前後。ここから奈良線に乗り継いだ。連絡良く、8:00前には奈良駅に到着した。意外に早かった。
 さて、朝飯を食いたい。駅前になか卯があったので、カレーうどんを食しながら一人作戦会議を開いた。まだ朝が早く、国宝館の類は開いていまい。そこで、朝早い神社の清々しさを味わおうと、まずは春日大社を襲うことにした。
 Bromptonを東に向ける。奈良は、ちょっとした幹線を除けば、親しみやすい細い路地が碁盤の目のように走る街だ。東に向かっては少しだけ傾斜があったが、Bromptonをゆるゆると走らせていった。
 途中に宿泊するホテルがあるので、荷物の大部分は置いていった。折り畳みザック一つ背負って、更に上る。
 春日大社の下鳥居からは、徒歩で向かった。途中で見かけたせんとくん。つくづくキモいキャラだが、インパクトだけはまさに天下一品だった。ひこにゃんもニャンまげも足元にも及ばない。恐ろしいものだ。
 お社までは相当歩いたが、まだ人気がないうちにたどり着いた。それでも、ちらほら見かけたけど。
 参拝後、国宝館を訪う。この後で思い知るのだが、奈良はつくづく国宝の宝庫なのだ。ここではちょうど春日権現記の公開があった。中世の絵巻物は、時系列の表現が現代から見ると奇妙に思えるものだ。
 さて、東大寺方面に向かおう。その途中で見かけたのが、この味のある建物。国立博物館に付属する施設らしい。
 東大寺へは、一度真南の国立博物館辺りまで下がってから、北上していった。土産物屋近くに適当に駐車したのだが、実は南大門の前にちゃんと駐輪場があった。
 南大門を潜ると、ずっと向こうに大きな建物が見えた。をを、これが大仏殿。手前の中庭を回廊が取り囲んでいる、一種不思議な形式だ。
 注文を潜ると、いよいよ巨大な大仏殿の全貌が明らかになる。中に鎮座するのが、かの奈良の大仏。盧舎那仏、すなわち大日如来なのである。尊いと思う以前に、でかいなあと思うのが人情だ。
 鹿をかき分けながら東に歩くと、人気の少ない、良い感じの参道が伸びている。境内にある八幡宮への参道だ。秋に来たら、美しさに発狂できたかもしれない。
 八幡様から左に折れて進むと、修二会で有名な二月堂がそびえている。ここからの見晴らしは素晴らしいぞ。
 一度山を下り、東大寺ミュージアムを襲った。中は国宝のオンパレードだ。天平時代の仏たちの張り詰めた美に打たれ、頭がクラクラと酩酊してくるようだ。
 次に急いで向かったのは、奈良国立博物館。ここは想像を絶するほど見所の多い博物館で、やはり天平、奈良時代の国宝級仏像たちがズラリと待ち構えている。素晴らしい。やはり酩酊感に打たれつつ、急いで見て回った。しかし、この酩酊感、睡眠不足もあるようだ。
 少し早いが、ホテルに戻ることにした。この辺にはろくな店がないだろうと、見つけたコンビニで食事を買い求めていったのだが、実はこの辺は奈良でも屈指の繁華街らしい。そりゃそうだな。
 ホテルに戻り、バタンキューと寝入ってしまった。寝不足もあったが、やはり緊張感溢れる古仏たちの素晴らしい佇まいに、精神的に圧倒されたせいもあるのだろう。いやはや、興福寺にも行けてないよ。奈良を舐めすぎてました。

2011年12月22日(木曜日)

いよいよ奈良へ

23時55分 , 自転車 天気:多少雲あり

 仕事は更なる峠へと登り始めた地点だが、遊びのためにブッチして定時で退ける。いや、そもそも今日は忘年会の日ですが。
 帰宅して、出立準備を。もうBrompton+ツーリングパニアで行くことにしたので、ある意味楽だ。配分もなにも考えないで突っ込んで行けばいい。空路だと問題になりそうなベンゼンカイロとオイルマッチも持って行く。電子機器は、今回はRadarに頼ることにした。後はるるぶにお願い、と考えていたが、土壇場でXoomも持って行くことにした。更にVaio Xと、Defyも。
 バスは、横浜駅前の天理ビル近くから、23:55発の便だ。間に合う時間に横浜に出て、天理ビル周辺に出ると、この有様。横浜経由のツアー型高速バスが、この辺に集まっているからのようだ。
 なんとか目的の便に乗り込んだ。いつも帰省に使っているのはトイレ付きの3列シート型だが、これはトイレ無しの4列シート。自転車は事前にお願いしていたので、トランクルームに収まった。こっちはBromptonだが、フルサイズの、恐らくはクロスバイクを、前輪をはずしただけの簡易輪行で持ち込んだ女性もいた。
 バスは予定時刻を大きく遅れて出発した。ディズニーランド辺りで渋滞にはまったのだとか。さて、どういう旅になるだろう。

2011年12月19日(月曜日)

泥縄式に奈良周辺調査開始

23時47分 , 自転車 ( 自転車旅行検討 ) 天気:快晴

 昨夜届いていたるるぶ奈良近辺ガイドに目を通す。もちろん、週末に控える奈良路独り旅『おのれリア充め』ツアーの予習である。
 天気の方は良さそうだが、思いっきり冬型なので気温はかなり低そうだ。盆地な奈良では寒さもこたえよう。京都奈良間は自走、奈良飛鳥間も自走のつもりだったが、寒すぎると厳しいなあ。ここは大人しく輪行して、寺社史跡名所巡りの時間を取った方がいいんじゃあるまいか。
 奈良では平城京、奈良公園、飛鳥は古墳群を見ておきたい。そして戸外は寒かろうから、できるだけ屋内をうろつこう。なら、別に自転車じゃ無くていいんじゃ無いかい? しかし、自転車は、こういう目的地が比較的密集している場所では有利なのだ。
 荷物を別送するか、全部手持ちで行くかも課題だな。2泊程度ならBromptonのツーリングパニアに収まるが、あれを持って奈良路をうろつくのも考え物だ。まあ、直前の気分で決めよう。
 後は、本当に晴れてくれるのを祈るばかりだ。