7月13から15日、アテにしていた南会津のイベントが無くなった。うーむ、代わりにどこか行くか。
その辺りは、前に出雲行を計画していたのだが、その後に前後がビッグイベントにがっちり挟まれ、3日こっきりしか休めなくなってしまった。代わりにと思っていた前記イベントが、この状況だ。
3日で行けるというと、去年キャンセルした諏訪行がある。よし、諏訪大社聖地巡礼だ。
主目的は、ロリロリしい祟り神を拝みに行くことではなくて、麦草峠の登坂だ。
かれこれ
11年近く前に登った時は、こんな苦行があるのかというくらい苦しく、登り切ったものの数々の醜態を晒す暗黒の記憶だけが残った。今回は、その屈辱戦だ。汚名挽回を、名誉返上を目指すのだ。エンジンは、当時よりもむしろ衰えてはいるだろう。だが、自転車は軽量坂スペシャルのポケロケと、当時使ったMR-4Fよりも坂向きにチェーンしたMR-4Rがある。なによりも、いくつもの坂越えを経て、経験値が大きく上昇しているのだ。たかが麦草峠ごときに遅れを取るわけが……だといいなあ。
とにかく、横浜から諏訪まで経由する素敵特急と、宿の予約を入れておいた。今回は一人旅だし、のんびり登ることにしよう。登り切れたらだけどな。
一夜明けた北海道東部は、昨日の雨上がりを思い出させるような、すこぶる付きの快晴だった。
さて、今日は摩周湖と屈斜路湖を走りたい。のだが、なにせ摩周湖は標高が高い。第1展望台で550m超だ。泊地の標高が110m弱なので、ざっと400m以上登る。登れないわけではないが、なにせ時間が無い。今日は14:20中標津で帰るので、それまでには空港にいなければならない。
そこで作戦。まず、摩周駅から摩周湖の第1展望台まで、タクシーで登るのだ。それから摩周湖、屈斜路湖と回ってから、また摩周駅に戻り、そこでまたタクシーを使って、中標津空港に向かうのだ。これにより、ここでの滞在時間を最大化できる。
まず、ホテルを出て、
釧路川沿いに出る。サイクリングロード的なものがあって、気持ちよい道だ。
摩周駅に出ると、折良く客待ちのタクシーが居たので、摩周湖まで送ってもらう。ついでに帰路も、摩周駅から乗せてもらうことにする。
摩周湖第1展望台からの眺め。まるで鏡のような湖面だ。この日は風が弱く、適度に雲もあったので、空色の湖面に浮かぶ、白い雲たちという絶景を堪能できた。この第1展望台には、バスも停まれる大きな駐車場があったので、観光客が非常に多かった。耳には、韓国語も届いていたので、海外からの観光客も多そうだ。
さらに北に進む。この摩周湖畔からは、低い
屈斜路を見渡すことも出来る。
進んでゆくと、今度は第3展望台がある。ここからだと、摩周湖の北半分全域をも見渡すことが出来るので、第1展望台よりも
見渡しは良い。断崖絶壁から、遙かな湖底へと落ち込んでゆく、いささか恐怖心を煽るような深い眺めも堪能できる。それにしても、鏡のような湖面だ。
さらに進んでゆくと、こば氏が道ばたに小径を発見。登ってみると、ここからも
なかなかの眺め。後でタクシーの運ちゃんに聞いたところ、昔存在した第2展望台の名残では無いかとのこと。
道は、川湯温泉へと 一気に下る。ここも北海道らしい、いかにも原野を抜ける道らしい、
まっすぐの道だ。
少し走ると
川湯温泉駅。木造のクラシックな建物だ。向かって右手には足湯があり、一方駅舎の中は喫茶室になっている。
駅からは北西、国道を外れて屈斜路湖畔に向かう道の途中に、川湯汚染があるのだが、その真南辺りにあるのが
硫黄山だ。この硫黄臭、たぶんあるに違いないと思ってら、やはりレストハウスにあったよ、温泉卵。買わなかったけどな。
なかなか栄えている川湯温泉を通過し、しばし進むと、ようやく屈斜路湖畔に出る。最初のうちは、道がやや湖畔を離れているので、なかなか湖面が見えない。しかし、ようやく
湖畔に出た。思ったほどきれいな水じゃ無いが、中島の辺りまで行くと、それはそれはきれいなんだとか。
少し進むと、砂湯温泉という場所に出る。その名の通り、湖畔の砂を掘ると、温泉が湧いてくるのだ。やってみたが、たしかに湖水よりも熱い湯が湧いてきた。
そして、ここで遂に、この旅最大の目的に邂逅した。
クッシーだ! 池田湖のイッシーを捕獲した以上、ここもそうせざるをえないのだ。それがムー民の宿命。
クッシーを捕獲した以上、もうここに用はない。周辺の
湿原に目を留めつつ、行き止まり道を力技で乗り越えたりしながら走り続けると、最終的には南端にある
釧路川の始点に到達する。鱒らしき魚が多量に群れているのが楽しかった。
ここからは、R243、通称パイロット国道を走って弟子屈に戻るのだが、この道が一筋縄じゃない。ダラダラとしたアップダウンが続き、しかも逆風。途中でこば氏とはぐれた拙者、タクシーに回ってもらった朝のホテルに戻るまで、袋小路で迷ったりしたが、なんとかたどり着いた。そしてタクシーを飛ばし、帰りの便にも難なく間に合った。バタバタしながら羽田に戻り、こば氏と飯を食いつつ反省会を開いてから帰宅した。
いやあ、摩周湖の綺麗なことったら。今度は、自分の足で登りたいものだ。
こば氏に誘われて、摩周周辺のツーリングに出かけた。
飛び先の中標津空港は、ANAの路線が1往復/日だけのローカル空港だ。昼過ぎの到着なので、朝は結構ゆっくりと出発し、空港でこば氏と落ち合った。
中標津空港は、雨の真っ最中。仕方ねえなあとばかりに雨支度をして、内陸の弟子屈へと走りだした。こういうシチュエーションでは、Bromptonは最強だ。ミシュランのポンチョを羽織るだけで、雨もさしたる苦ではなくなる。
中標津空港の近辺を離れると、もう家屋はまばらになる。しかし、道中には妙なものが目に入る。謎の
鮭の頭。いったい、儂らになにを訴えようというのだ。
北海道らしい、ひたすら真っすぐで、微妙に嫌なアップダウンのある
道を走ってゆくと、
こういうものとも遭遇する。これはまあ、訴えたいことは単刀直入だな。何のために訴えてるんだと言いたくなるが。
ちょっとした集落にあるガソリンスタンドで、
小休止。暖かな時期なので、雨の中とてもつらくはない。
走るほどに、北方の空に晴れ間が見え、それが広がり始める。のだが、我々の頭上には雨雲が居座っており、相変わらずに結構な雨が降り続いている。
明るい方に向かっているのが救いだ。
小高い丘に立った時、南方に
虹が立つのが見えた。今日は雨を警戒して、オリンパスTG-1を持ってきていたのだが、F値の小さなレンズは使えるシチュエーションが広く、便利だ。
この丘からの眺めもよい。
走り続け、最終的には
摩周駅に到着する。以前は、ここから中標津~根室方面へと、路線が延びていたようだ。
宿は、摩周駅に程近い、ニュー子宝というすごい名前のホテル。まあ普通の観光ホテルなのだが、設備が古くて、網戸から侵入する虫に苦労した。
食事は期待してなかったが、そこそこのものが出された。
明日は晴れそうなので、ちゃんと観光するぞい。