Strange Days

2000年07月31日(月曜日)

風に吹かれながら観望

23時24分 星見 天気:晴れですな

 横浜はこれでも海風圏なのか、夜になると結構涼しい風が吹いてくる。
 宵の口にベランダに80mm双眼鏡を出して星を眺めていると、涼しい風が体の汗を飛ばしてくれるので快適だ。もっとも、風のおかげでシンチレーションは不安定で、シーイングは最後の詰めを欠くという感じだ。
 今夜の空も真っ青な快晴だったので、夜空は透明度が高い。いつものさそり座、いて座を眺めた後、双眼鏡の仰角を取って天頂近くの星空を眺めた。日本一(ということは世界一)光害のひどい横浜の空でも、天頂近くを80mm双眼鏡で眺めると星の砂を敷き詰めたような眺めになる。いやあ、ビールでも飲みながら見ればさぞや快適だろうな。

2000年07月30日(日曜日)

C8EXで惑星観望

23時55分 星見

 深夜、アパートの東に面したフローリングの部屋の窓を開き、C8EXを上り行く木星と土星に向けた。その前にすばるに向けてみたが、50倍で見ると大型天体であるすばるの一部しか見えないので、今ひとつ風情が無い。しかしきらめくような眺めではあった。木星を見る。今夜はガリレオ衛星は全て見え、カリストが遠くに進行しているのが見える。ピントを合わせると、縞が数本くっきりと見える。なんとなくだが、100EDに較べてもそう変わらないような見え方だった。ただし全体的に明るいので、フィルタを使えば印象が変わるのかもしれない。土星はタイタンが見えたのと、じっくり眺めるとカッシーニの間隙があるのが分かった。後者は100EDではなかなか見えなかったものだ。やはり口径の差はあるようだ。

2000年07月29日(土曜日)

今夜の観望

23時55分 星見

 日が落ちた頃にベランダに出ると、近所で盆踊り大会でもやっているのかハマッコ音頭(あるのかそんなの)が流れてくる。もちろんベランダで踊ったさ(大嘘)。100EDと20*80双眼鏡で星を眺めたが、サウンド的には妙な風情があったかも(笑)。
 今夜のシーイングは9/10くらい。横浜ではこれ以上望むのは難しいくらいだ。100EDでも双眼鏡でもM4はその位置がわかった。M7は見事な眺めだ。なにしろ今夜は透明度が高く、微光星が群れているようなので、M6はなかなか位置がわからなかったくらいだ。M8も今夜は散光がキレイに見えて美しい。望遠鏡の仰角を取れば取るほど美しい光景が目に飛び込んでくる。さそり座のδ星はこのところ異常な増光をしている。確かに前に見たときよりも、並びの星との光度差が大きくなっているように感じた。
 その後、ちょっと一眠りしてしまい、2:30頃に今度は100EDを北側通路に出した。椅子を据え、天頂にあるだろうM31を追い始めたとき、東の空にある明るい星々に気づいた。これは何座だろう? とりわけ明るい星に目が行った。望遠鏡を向けて見て初めて、それが木星であることに気づいた。久しぶりに100EDで見る木星は奇妙な輝線をまとっていた。よく考えると中学校のネットに掛かっていたのだ。しかしガリレオ衛星はキレイに見えていて、かつ高倍率では縞もくっきり見えた。大赤斑は見えなかったが、もしも地球に向いていたら見えたろう。C8EXで見ればよかった。
 近くに土星があるはずだなと思い、捜索していたとき、突然明るい星の大集団が飛び込んできた。それぞれくっきりした星が無数に群れている。これはM7どころの騒ぎではない。いったい何を見ているんだ、とパニックになりかけながら考えていたとき、はたと気づいた。これはすばるだ。もうプレヤデス星団が上る季節になったのだ。それにしてもなんと美しい眺めだろう。それぞれが生命を内蔵した宝石を、まっくらなキャンバスに無造作にぶちまけたようだ。倍率を変えると別の眺めが目に入り、見ていて飽きない。
 さて、M31を片付けようと天頂を探したが、これは一筋縄では行かない。天頂を見上げるのは大変だし、M31はおぼろで結構見つけにくい。ここは10*42双眼鏡とワイドビノの二丁拳銃で探しだし、程なく100EDの視界に収めた。100EDの集光力をもってしてもM31はぼんやりと見える。しかしその近くに浮かぶ伴銀河(M32か?)も見えてきた。しばらく見続けていると、ようやくなんとなく写真で見たアンドロメダ銀河の姿と重ねることが出来た。
 ここで観望を終わろうと思ったが、その前にフィールドスコープですばるはどう見えるかを試してみた。すばるは視界一杯に広がり、かなりの迫力がある。主要な大型天体になら充分通用するようだ。

2000年07月27日(木曜日)

今日も雨か

22時13分 星見

 今日あたりは星を見たいなと思っていたのだけれど、昼頃から空がどんよりくもり始め、夕方には雨がぱらつき始めた。こっちが暇になると空の都合が合わないか。
 仕方ないので久しぶりに8時間たっぷり寝ることにした。実は8時間も寝るとかえってだるくなってしまうのだが。

2000年07月23日(日曜日)

アンドロメダ大星雲を見ました

23時50分 星見

 寝る前にMIZAR20*80を北側廊下に引っ張り出して、天頂近くにあるアンドロメダ銀河を探した。星座早見表によればほとんど天頂付近、北東にアンドロメダ銀河があるはずだ。角度が角度なので、ふつうの双眼鏡タイプのMIZAR20*80では顎が痛くなってくる。三脚を傾斜させたり、椅子に座ったりして工夫しながら探した。これくらいの角度になると45度対空型でも楽ではなさそうで、90度対空型が必要になりそうだ。通常のストレートタイプでは天頂を見るのは拷問に近い。
 それでも後ろに転倒しそうになりながら走査していると、目の隅をふわふわした光の塊がちらちらと掠める。MIZAR20*80ではその位置を特定するのが難しすぎるので、MIZAR10*42を持ち出してフリーハンドで探した。位置はわかったのでそちらに20*80を向けて、ようやく視界に収めることが出来た。ぼんやりした楕円形の大きな光の塊、それは確かにM31のようだ。写真で見るよりはるかに淡くて、そうだと知ってなければこれがアンドロメダ銀河だと分からないのではないだろうか。
 しばらく感動の対面を続けていたが、首が痛すぎなのでやめ。次は望遠鏡を持ち出して、もっと楽に眺めようと思う。

2000年07月22日(土曜日)

星見るか

23時47分 星見 天気:晴れ

 今夜も快晴なので星を見た。というか、このところ連夜のように見てはいたのだが。
 高気圧が上空にあるせいか、昼の空はまことに蒼く、夜の空は昏い。MIZAR20*80を出してさそり座の方に向けると、M7が実に美しく見える。MIZAR10*42でもその所在は充分にわかるくらいだ。ろくに星座の位置も分からなかった春の空は、やはり霞が邪魔だったようだ。M6もなかなか楽しめるし、M8は周囲の微光星やM20がいっしょに楽しめる。いて座は夏の星座なんだな。
 100EDを出してM4辺りに向けてみた。............なんとなく見えているような気がする。あまりに淡くて、残像か何かと間違えそうなくらいの天体が、確かに見えている。100EDでも見えるようだ。一度位置を掴んでしまえばなんてことはない。
 M7のような大きな散開星団を見るのに、100EDのような望遠鏡と80mmくらいの双眼鏡とどっちがいいだろうと思う。望遠鏡ならば倍率を変えながら星団のディテールを観察することができるが、双眼鏡ならば探しやすいし、星団全体を視界に収めるのに好都合だ。一長一短ある。どっちも持ってるのがいいだろう。双眼鏡ならば安いものだし。双眼鏡は望遠鏡と違って半ば実用品なので(例えばMIZAR20*80などは形態的に船舶などに積む監視用双眼鏡だと思う)、安くてかなりの性能なのだ。しかしやはり望遠鏡の柔軟性がなければ楽しめない天体もある。
 いまだに見えるのか見えないのか評価の定まらないタカハシ製作所謹製のフィールドスコープで、同じ領域を眺めてみた。M7、M6、M8、M20などははっきり見える。が、同じ20倍でもMIZAR20*80ほどには楽しめない。見えてくる星の数が圧倒的に違うし、見かけ視野もさほど広くないからだ(45度くらいだろうか)。70度超と思われるMIZAR20*80の圧倒的な視界に慣れると、さすがにフィールドスコープの方は間に合わせに思えてくる。これは天体も「見えなくはない」程度のものと捉えるべきだろう。本当は、軽くて扱いやすいので、もっと見えてくれればよかったのだが。
 今夜のNHKスペシャルは定番の(なんのだ)寺社修復物だと月刊TVガイドに書いてあったので楽しみだったのだが、あにはからんやサミット関係の番組で潰されていた。各国のお偉いさんの顔なんてどうでもいいのだが(政策さえきちんと打ち出してくれれば)。
 ふてくされて、ネットゲームにふけって爆睡した。

2000年07月16日(日曜日)

月食の一部始終

23時55分 星見 天気:快晴

 先週くらいの週間予報では「くもりか雨」とされていたのでヤキモキしてきたが、今日の昼になると空は晴れ渡っている。そしてそのまま日が暮れてくれた。
 今夜は久しぶりの皆既月食だ。それも千年に一度しかないような長時間にわたる月食だという。月食は地球の作る影に月が入ることによって起こる。太陽、地球、月の順番に一直線に並ぶ事によって起きる天体現象だ。そのため、満月のときにしか起きない、と思う。
 今回は、この並び方が本当に一直線で、月が地球の影の真中を通過するので、隠れている時間が長いというわけだ。今回を見逃したら、これより長時間なものは実に1800年後にしか起きないらしい。
 日が暮れると、いそいそと準備を始めた。メインはE950による撮影だ。E950にテレスコマイクロを取り付け、MIZAR20*80で使っていたカメラ三脚に固定し、空に向ける。たかがレンズ径20mmのテレスコマイクロとコンパクトカメラ並みのE950が一人前に空を睨んでいる様は笑える。
 テストで昇り始めた月を捉えてみたが、いまいちピンぼけになってしまう。これは測光モードを中央重点に切り替えると解消された。しかし8倍程度では画面中央にポツンと写るだけなので、トリミングして強拡大しなければいまいちぱっとしない。
 E950と100EDを並べて空に向け、月を待った。残念なことに月食開始の頃までは隣の中学校のネットにかかってしまった。
 20:56。月食が始まった。その直前あたりから月の右横、やや上付近が暗くなり始め、やがて影になった。影は見る見るうちに広がってゆく。それをE950で適当に撮る。
 欠けつつある月に望遠鏡を向けてみた。80倍弱で眺めると淡い色の月(ムーングラスを噛ませているので)が次第に欠けて行く様が手にとるように分かる。いやその程度のことなら10倍の双眼鏡でも分かるのだが。
 アイピースを替えて160倍で境界線付近を眺めた。何か劇的なものが見えるんじゃないかと期待していたのだが、実際にははっきりした昼夜境界線が分かるわけではなく、また月の満ち欠けのときのような月の陰影の妙を感じられるわけでもない。考えてみれば満月のまま欠けて行くわけだから、そういう面白いものが見えるわけではないのだ。
 完全に欠けたのが22:00過ぎくらいだったろうか。明るい部分が右横の方に吸い込まれるように消え、月全体が赤っぽく不気味な色合いで鈍く輝き始めたように感じた。以前月食を見たのは恐らく80年代、20年は前のことだろうか。その時の月はもう少し赤く、明るく光っていたように思えたのだが、今回はかなり暗くなったようだ。
 しばし室内と行き来しながら赤い月を眺め、再び輝き始める時を待った。
 皆既の終了は23:49だと書かれていたので、その前後からまた月を撮り始めた。シャッター速度を8秒にすると、夜空の星でも結構写ることを発見した。また皆既中の赤い月も良く写った。
 皆既終了直前から月の右横が明るくなり始め、やがて少しずつ白く輝き始めた。その輝きは徐々に月を回復し、翌0:47分位には完全に食が終わった。
 終わって撮れた画像を眺めてみたが、最初の頃のものはいまいちピントがあってなかった。しかし少しずつ調整していたためか、皆既食が終わる頃以降の画像は、それなりに見えるものが撮れたと思う。デジカメでこれくらい撮れるのなら、記録用には十分使えるのではないかと思った。
 100EDはあまりに邪魔なので途中で引っ込め、タカハシのフィールドスコープで月を眺めてみた。20*50mm程度なので、月が視界の真中にこじんまりと収まるのだが、地表の模様はかなりよく見えた。案外に見えるという印象をもった。
 疲れきって就眠。

2000年07月09日(日曜日)

今夜はいまいちな夜空

22時56分 星見

 帰宅して夜空に100EDを向けてみた。今夜のシーイングは昨夜の記憶も新しいので辛く、せいぜい6/10程度に感じられた。実際、M7もいまいち見栄えがせず、最初視界に入れたときはてっきりM6の方だと思ったくらいだ。今夜の夜空はワイドビノでも星座のうち明るい星だけが見える状態で、昨日の透明さは無い。
 気力が続かなかったので早々に撤収した。来週は日曜日の皆既日食に向けて予行演習を積んでおかなければ。

2000年07月08日(土曜日)

明け方にさらに観望

23時55分 星見

 望遠鏡をしまい込み、風呂に入ったりしてうだうだしているうちに、時刻はなんと3:00過ぎ。実は部屋に置いてあった時計が電池切れで止まっていて、ずっと現在時間に気づかなかったというお粗末。慌てて寝支度をしたが、ふとLINER彗星がそろそろ見える頃だなと気づき、寝る前に見ておこうとMIZAR20*80を担いで北空が見えるアパートの通路に出た。するともう空が明るくなり始めているじゃないか。まだ4時前なのに。夏至から2週間は経っているのだが、今もこんなに夜明けが早いとは思わなかった。ワイドビノで空を見ても、明るい星がポツポツと見えるだけだ。淡い彗星なんて見えるわけが無い。
 ふと、東空に目をやると、滅多やたら明るい星が二つ浮かんでいる。ピンと来た。木星と土星が見える時期になっているのだ。
 MIZAR20*80で木星と土星を見ると、木星はガリレオ衛星まできちんと見える。土星もただの星とするには形がいびつで、昔の人が「コブがついてる!」と驚いたのも無理は無いと思った。意外に良く見えるという印象だ。
 さて寝ようと部屋に戻り、ではフィールドスコープではどう見えるのだろうと気になった。東の窓からフィールドスコープでのぞいて見ると、こちらも光学スペックは20*50mmなのでガリレオ衛星、いびつな土星は確認できる。しかし色収差が甚だしく、土星などくっきり虹色に彩られてしまう。しかし値段を考えればやむを得ないか。これくらい見えるのなら、M7を見るくらいなら問題なさそうな気がした。1台目の望遠鏡は、安価な望遠鏡を買うよりは、正立像で軽くて取り回しが簡単なフィールドスコープも良いのではないかと思った。なにせ、\9800だ。
 もう夜が明けそうだし仕事なので(泣)、大急ぎで爆睡モードに突入した。

台風一過で観望

23時52分 星見 天気:台風一過の晴れ

 台風は朝のうちに去っていった。昼頃に起きだすと、空は台風一過の濃い青空。霞のかかってない、但し書きのついてない青空は本当に久しぶりだ。今夜は絶対観望できる!
 久しぶりにまともに星空を見れそうなので、うきうきしながらGP赤道儀を調節しておいた。三脚を広げて極方向にだいたいあわせ、赤道儀を載せて付属の水準器を見ながら水平を出した。100ED付属の片持ち赤道儀でもやったように、予め脚位置をポイントしておいて、設置作業を簡略化させるつもりだった。
 C8EXを載せ、ファインダーを調整した。どうもまだピントが合ってないようなので、取り外して合わせてみたのだ。しかし僕の目があまりに悪すぎるのか、可動限界まできてもまだいまいち合わない。メガネをかけた状態で左目でならば何とか見えるが、右目は全然ダメだ。メガネを作り直したほうがいいか。
 苦労しながらファインダーの軸併せをする。この伝統的な3点保持は微調整が物凄く大変だ。だいたい、ファインダーそのものが倒立像で、全然直感的じゃないのだ。それでも遠い鉄柱を標的にだいたい合わせた。ふと空を見た。月が出ている。半月だ。これから来週の皆既日食にかけて満ちていくのだろう。「まひるのつき」という歌がみんなの歌であったが(あの映像は怖いものだった)、17:00を過ぎているから夕方の月か。真っ青な青空に白い月がきれいに浮かんでいる。
 スケベ心を出して月をC8EXでのぞいて見た。これが結構きれいに見える。月の表に走る山脈の陰影が、思ったよりくっきりと見える。まあ夜中に見るのとはくっきり加減が違うにせよ。予行演習のつもりでしばらく眺め、それから望遠鏡はそのままにしてDiablo2に興じた。
 20:00ごろ、日が暮れきったのでまたベランダに出た。月は西空にまだ高い。空は所々に雲が出ているが、その間は澄み切っている。最近になく暗い夜空だ。
 まず半月にC8EXを向けた。LV40mmをつけると、視界の中心に月が小ぢんまりと収まっている。この倍率ではかなりシャープに見える。SW18mmに替えてみた。100倍を越えるので、広い見かけ視野に月面の1/3から1/2くらいが入ってくる。これくらいまではムーングラス必須だ。100EDの4倍近い集光力は伊達でなく、ムーングラス無しでは眼を痛めつけそうだ。LV5mmでは400倍になる。これくらいになると200mmのC8EXの限界近いので、像はかなりぼやけて見える。しかし100EDの能力を超えた月のディテールを見ることができる。光軸をしっかり調整すれば、もう少しシャープな像が得られそうだ。
 しばらく月を眺めた後、そろそろ南中しつつあるさそり座に向けた。今夜の空はワイドビノでも星がくっきりと見える透明な夜空だ。シーイングは9/10くらい。台風の名残があるのか、高空の風は少し強いようだ。
 さそり座をファインダーに入れようとして、とんだ苦労をする羽目になった。今回、低高度の星でも見られるように三脚を今までより広げたのだが、その結果、脚が完全に室内に掛かるようになってしまった。そしてGP赤道儀のアーム+C8EXの幅が、ベランダへの開口部ぎりぎりの大きさなのだ。結果、東空にある星をファインダーに捉えようとすると、とんでもなくのぞき難い位置ファインダーが来てしまう。実質、東の空の端から真南近辺(ベランダの真正面から少し左にずれた位置)まではファインダーを使えなくなってしまう。そのため、さそり座が完全に南中するまで待たねばならなかった。ああ、広いベランダが欲しい。
 さそり座が最も高くなった頃にアンタレスを視界に入れてみた。星像はやはり100EDでのそれより太って見える。光軸を調整する絶好の機会だとは思ったが、今夜は観望の方を優先したかったので後回しにした。
 ファインダーをM4が存在する(とされている)辺りに向けてみた。LV40mmでその周辺をうろつく。100EDより暗い星が見えるようで、一見何もない空間に小さな星がポツポツと浮かんでいる。それらの暗い星を目印に、周辺をゆっくりとスイープした。
 ......なにかもやもやしたものが見えている気がする。視野中心では見えないが、より光に鋭敏な視野周辺ではなにかの存在を感じることができる。ファインダーと見比べてみると、それはどうやらM4とみても良さそうな位置にある。確かに、淡い星の集団のように思えなくもない。見間違えかと思い、何度も位置を変えながら眺めてみたが、確かにその位置に淡い天体があることは間違えないようだ。これはM4だ。そう、間違いない。たぶん......。
 あまりの淡さに確信が揺らぎそうになるが、位置的には何度見てもM4に間違えない。ということで、M4との長い戦いもようやく終わりを告げた。思い知ったか、M4め。
 これでC8EXが可視等級に関しては100EDを上回る威力を発揮できることが分かったと思う。しかし今夜のシーイングが良かったから見えたのかもしれない。
 少し雲が出てきたので部屋に引っ込んでしばし涼み、少し経ってベランダに出た。今度はM6、M7を眺めてみた。M7はファインダーでも見えるから、楽に導入できる。ファインダーさえ使えれば(爆)。LV40mmをつけて50倍で除くと、その眺めは本当に見事だ。見かけ視野が少し狭い関係で全体は収まらないが、100EDやMIZAR20*80で見たときよりも背後の微光星は増え、まさに星の大集団という観が強くなる。M7は望遠鏡を買ったらまず見るべき天体だと思う。きっと、その安くはない出費も後悔させないだけの価値があると思う。
 M6はM7よりかなり小ぶりな天体だが、C8EXの高倍率で見ると微光星が数多く見え、M7に劣らない眺めとなる。今夜はシーイングの良さもあって最高だ。
 番号順にM8も眺めてみた。こちらも微光星の集団が迫力ある眺めとなり、隣接する明るい星の小集団も散光をまとって神秘的な眺めとなる。さすがに色を感じることは出来ないが。肉眼でこの眺めなら、デジカメで画像をコンポジットしてやれば、M8の全貌も楽々再現できそうな気がする。
 M22は100EDでは星雲状にしか見えない天体だ。しかしその存在は、MIZAR10*42でも分かるので、導入は楽......なはずだった。しかしまだ東の空にあるので、ファインダーをのぞくのが苦痛でうまく導入できない。少し時間を置いて、ほぼ南中した頃にやっと導入できた。50倍で見るとやはり星雲状に見えるが、100EDに比べてかなりブツブツしてくる。SW18mmで100倍超の倍率をかけると、ようやく細かい星に分解され始める。が、途端に暗くなって見難くなる。この倍率になると光害と迷光で背景とのコントラスト差の無さが響く。しかもM22を導入する頃にベランダ真正面の家が窓を開けて明かりをつけたので、余計迷光が激しくなってしまったのだ。これは仕方ないことだが、長いフードでも自作して工夫するしかなさそうだ。
 明日も出勤なのでそろそろ引き上げようと思い、C8EXを取り外した。そこで100EDでならばどう見えるだろうと気になり、100EDを載せてM7を覗き込んでみた。100EDはバンド式に固定しているので、鏡筒をまわすことでファインダー位置を変えることができる。また鏡筒自身も細いので、C8EXのようにサッシにつっかえる事も無い。取り回しはC8EXよりかなり楽だ。M7の眺めは、やはりかなり見事なものだ。C8EXで見たときよりも微光星の量はやや減るが、低倍率を得やすく、LV40mmではわずか16倍になるだけに実視野が広く取れ、M7の広がり全体を楽々捉えることができる。M8も見事な眺めだ。今夜はシーイングの勝利だったのか。
 結論。良いシーイングは口径に勝る(こともある)。

2000年07月06日(木曜日)

台風が来てるようだ

23時50分 星見

 今夜の夜空はそれなりの晴れ方だったが、気力が萎え萎えのゼロゼロだったので観望はなし。ところが既に本州南方に台風3号が発生していて、明日くらいには本州が雨になりそうだとか。無理しても見ればよかったかな。

2000年07月05日(水曜日)

今夜の観望

23時55分 星見

 今日は会社で宴会があったので帰宅は20:30くらいだった。空を見ると雲が目立つ。今夜の観望も無理だと思い、かといってDiablo2をやる気力は無かったのでうだうだと時間を潰していた。
 1:00頃にふと空を見上げると、いつの間にか晴れ上がっている。これは見るしかないと思い、100EDをベランダに出した。
 シーイングは6/10程度。低高度ではもやったような不透明さがあるが、高高度では小さな暗い星までかなり見える。もっとも、この時刻になるといて座も西に低くなってしまい、南天には面白みのある星が見かけられなくなるのだが。
 今まで買い集めたアイピースの比較をしてみた。といっても100ED付属のもののほかは、LVシリーズとMEADE SW18mmだけだ。
 焦点距離の長い方から。
 BORGのH50mmはおまけだと思ったほうがいい。これをファインダーに使うということだが、視野が狭くて使い勝手がさほど良くないので、できれば別にファインダーをつけた方がいいだろう。アイピース単独としてもさほど評価すべき点はない。
 LV40mmは、見かけ視野が狭いが実視野はかなり広く(100EDに着けると18倍になるので)、大きな天体の観望や天体の位置確認に便利だ。しかしそういう特性なのか、僕の肉眼の性能なのか、星像が集束しない。これは100EDとの相性もあるかもしれない。特筆すべきはアイリリーフが32mmもあることだ。メガネどころかゴーグルをつけてもケラレなく覗けるかも。
 BORGのSWK22mmは、見かけ視野は70度近いもののアイリリーフが極端に短く、眼レンズと水晶体をくっつけるつもりで覗き込まないとケラレてしまう。また周辺に行くにしたがって星像が急速に崩れてしまう。しかし中心の星像は充分シャープだ。また軽くて安いので、多少目をつぶればお得なアイピースだと思う。
 MEADEのSW18mmは、さすがに見かけ視野が広くて周辺でも星像の崩れが少ない。しかし中心ではSWKの方が気持ちシャープに見える。これにBORGの2.2倍バローレンズを組み合わせると、月全体が視野にちょうど収まって気持ちよい。
 BORGのWO13.5mmはSWKと似たような傾向で周辺像の崩れが大きい。しかし中心像がシャープなのも同じ。見かけ視野が広いがアイリリーフが極端に短いのも同じ。また軽くて安いのも同じ。
 LV5mmは見かけ視野が狭いことを除けば、像はかなりシャープで崩れも少ない。アイリリーフも20mmあるので覗き易いのだが、100EDとの組み合わせでは瞳径が小さいので覗き込む姿勢が厳しくなる。LV4mmも同じ。
 こう見てくると、LV系は手堅い設計で、欠点が少なく、売れているのも分かるような気がする。しかし手持ちのアイピースでは8mmくらいのものが無いのだな。ワイドで安いのを探してみようと思う。それと、LVのズームは持っていると便利そうなので欲しいところだ。
 コーヒーを飲みながら、山羊座周辺の小さな星たちを気ままに散歩して、望遠鏡をしまいこんだ。

SW休刊

17時46分 星見 天気:くもりのち晴れ

 スカイウォッチャー誌が休刊となった。6月にBORGの中川さんがいささかの憤懣を込めてその旨書いていたが、今月発行のSW8月号で次号をもって休刊する旨、正式に公表されていた。こういうのを見ると斯界の不振ぶりがうかがえる。SW誌の広告収入が少なかったからだという説もあったが、広告収入で雑誌を支えるという構造はどうだろう。コンピュータ業界を見れば分かるが、業界全体が伸びているときはいいが、衰退し始めると一気に苦しくなるのが広告便りの雑誌なのだ。また広告主におもねって公正な評価を出来なくなるという悪循環もある。天文ガイド誌の勝ち誇ったような編集後記を見るにつけ、業界全体の行く末を見失っているのではないかという中川さんの指摘も、あながち間違いではないような気がする。僕の印象では、業界全体がハイエンド指向に偏りすぎて、ローエンドの、新しい入門者を勧誘する力を失っているのではないかと感じている。実際、星でも見ようかと思いついた人は、まずは価格に目が行くと思う。しかし10万円以下の価格帯に魅力的な商品が少しはあるのに、雑誌媒体が取り上げるのは一生お目にかかれないような50万円を軽く越える価格帯の商品だったりするわけだ。車じゃないんだから。コンピュータ業界の現状からいえば、一般の人が20万円を越える価格の商品に手を出すのは、よほどの利便性か実益がある場合に限られるのではないか。星を見るという機能以外になにもない望遠鏡に20万円の金を出すのは、これは一部のコアなマニアのみといっていいように思う。実際、浪費で知られる(誰にだ)僕だって、10万円を超える出費は100EDセット一式のみだ。
 BORGはもう雑誌広告を出さないでインターネット一本に絞るらしいが、笠井はどうするんだろうねえ。やっぱりここは一気にインターネットビジネスを立ち上げるしかないと思うんだけど。幸い、インターネットでの決済手段もかなり整ってきたし、高額商品については通販のうまみが満喫できるのではないかな。
 来月からは地味であんまり見かけない月間天文誌も買うようにしよう。

2000年07月04日(火曜日)

涼しいので観望できた

22時44分 星見

 帰宅する頃、まだ明るかったのだが雨がポツポツと降り始めていた。その後、Diablo2をしながら時々空を見上げていると、地面が湿る程度の雨が降ったようだ。空を見上げると雲で真っ白だったので、観望は(いつもの通り)無理だろうと思っていた。
 ところが、丑三つ時にさしかかろうという頃に、さて寝ようかと思いながら空を見上げると、いつの間にか雲が消えて真っ暗になっていた。こいつはびっくりだぜ。慌ててC8EXを引っ張り出した。
 アルミ三脚を開いて赤道儀を載せ、C8EX本体とバランサーを設置した。これは結構な仕事だ。慣れればかなり早くなるのだろうが、総重量が20kgに迫るセットを微調整するのは凄く大変だ。昼間のうちに南北の軸、足の位置、長さを決めて、しるしをつけておいたほうが良いかもしれない。
 これでいて座方面に向けてみたのだが、いて座は既に西にかなり傾き、また大気中の水蒸気が多いために光害が厳しく、ろくに星座の位置も分かりやしない。この空にはワイドビノでは力不足なので、MIZAR10*42を引っ張り出して明るい星の位置を確かめながらC8EXを向けた。導入が難しいもう一つの理由は、C8EXの8*50ファインダーが思いのほか良く見えないというのもある。「どうして見えないんだー!」と暴れたくなるほどはっきり見えない。まだピントが合ってないのだろうか。それでもM23を導入してみた。なにせLV40mmでも50倍の世界なので、散開星団の全体が視界に収まることは無い。ごく一部が入ってくるだけだ。これ以上の実視野となると目くるめく2インチアイピースの世界に入ってしまうのだろうか。おまけに迷光が甚だしく、空は本当に真っ白だ。100EDもそうだが、早急に手を打たなければ。
 とりあえず、散開星団のような大きな天体の観測には不向きと分かったので、C8EXは撤収させた。こんな重いもの、週末の時間があるときじゃないと出していられない。
 替わって100EDを引っ張り出した。こちらにLV40mmをつけると倍率は16倍。M23はすっぽり入る。星像はC8EXよりも締まっているし、取り付けてある高橋の6*30のファインダーは良く見える。高橋製作所恐るべしというところだ。価格も50mm並にしたけど......。
 しばらく目に付く星を眺めてから撤収した。

2000年07月03日(月曜日)

どうにも観望ならない

23時42分 星見 天気:晴れにかなり近い

 休出に続く週明けは、どうにも気力が湧かないダメダメ状態になるものだ。今朝も「今日代休取ればよかったかな」と思うことしきり。しかし仕事は当面高原状態なのである。秋にはまとめて休みを取って、北海道にでも旅行しよう。
 空は晴れてはいるのだが、快晴というには霞が多すぎる。Diablo2をそこそこでやめて、ちょっと100EDをベランダに出してみた。LV40mmをつけて夜空に向けてみたが、どうもこれという面白い眺めではない。時刻的にいて座は沈んでしまっていたので、山羊座でも眺めるしかない頃だ。それもよくは見えない。真正面の家が今までと違って雨戸を開け、明かりを浩々とつけていたので、その迷光で視界が真っ白になってしまったようだ。早々に撤収した。
 失敗が一つ。Diablo2をしているとき、晩に食ったすき焼きののこりですきうどんを作ろうと火にかけていたのだが、目を離した隙にあっという間に焦げ付いてしまったのだ。焦げ付いたというより、ほぼ炭になった(滅)。こんなに簡単に焦げ付くとは思わなかった。

2000年07月01日(土曜日)

C8EXで星を見る

23時39分 星見

 昼の間、薄雲はかかっていたが大きな雲は無かったので、夜は晴れるかなと思っていた。案の定、夜になると星がかなり見える。しかし透明度は思い切って低いようだ。シーイングは3/10という辺りだろうか。
 しかしこの機会を逃す手は無いと思い、GP赤道儀をベランダにセットした。重いGP赤道儀もばらせばそれなりの重さだ。案外軽い三脚を南北方向に向け、その上に赤道儀本体を載せる。この三脚の接合部に突き出ている謎の突起が邪魔で、前回セットしたときは南北に向けられなかったのだが、良く眺めてみるとこの突起を赤道儀側の微調整ねじで挟めば良いのだと分かった。さらにバランスウェイトをセットして、C8EXを載せた。......ファインダーを覗けん(笑)。ファインダーが左側についているので、南半球に向けるとそれが下側になり、望遠鏡の下にでも潜り込まないと見えないのだ。僕が使うときはもっぱら南向きなので、これはありがたくない状況だ。
 一度C8EXを降ろし、ファインダーの取り付け部を眺めてみた。六角レンチで取り外せるようなので、手許のレンチを合わせてみた。なんてこった、合う奴が一つも無い! それと構造的に他の場所への移設は難しいようだ。取り付けようのねじ穴があいてないのだ。しかし転んでもただでは起きない。このとき、7*50ファインダーの合焦機構をついに発見したのだ。意外なことに、対物レンズ側をスクリューで調節する仕組みだった。これで近視の進んでいる僕にもぴったりに調整できた。
 ファインダーはどうしようもないので、そのままC8EXをまた載せて、この時間に南中しているアンタレスに向けた。あれ、南北軸がずれている。手持ちのコンパスがどうも不可思議な動きをするので、ごく近くに強磁界があるような気がする。なんとか微調整してアンタレスを視界に入れた。うわっ、明るい。背景が(爆)。物凄いStray Lightで空が真っ白だ。シュミット・カセグレン式望遠鏡は開口部が大きく、また補正レンズが筒先にある関係で、迷光をきっちり拾ってしまうらしい。またアンタレスは凄く明るいが、100EDでのピンでつついたような集束した星像とは異なり、面積をもって見える。もっとも、この点はジフラクション・リングを見ながらの微調整をしてないし、このシーイングなので仕方ないのかもしれない。
 光量そのものは充分なので、迷光を防ぎ、適当なフィルタを使えば、かなりよく見えそうな予感はある。ためしにM4の辺りに向けてみたが、ポツポツと小さな星が見えるばかりだ。しかし良好なシーイングの下でないと見えるかどうか分からない。
 次にLV40mmの効果を試したかったので、C8EXを100EDと載せ替えた。100EDにLV40mmをつけると、なんと16倍という超低倍率が得られる。我がMIZAR80mmが20倍なので、それより低倍率ということになるのだ。それをアンタレス近辺に向けると、さそり座の頭から心臓(アンタレス)まですっぽり入る。これは面白い。惜しいのは見かけ視野が狭いことだが、広視野のものははるかに高価なので我慢しよう。
 100EDでも背景はやはり真っ白だ。今夜はC8EXのインプレッションには過酷な状況だったようだ。残念なことに明日仕事だし、Diablo2もあるので(爆)ここで撤収した。