Strange Days

2000年09月29日(金曜日)

観望できません

23時56分 星見

 なぜか週末になると曇りまくる今日このごろ。今夜もすっかりくもりで観望できない。ねらい撃ちされているようだ。

2000年09月28日(木曜日)

ちょっと雲が多いようだ

23時55分 星見 天気:晴れ時々曇り

 今夜はちょっと雲が多い。その代わりに風が少ないようで、昨夜ほどには星像が揺れない。しかし雲があるので、視界の中の土星はかなり暗くて、雲を出たときにやっとカッシーニの間隙を識別できるほど。雲の中にあると、本体の縞は見えず、カッシーニの間隙も見失いがちだ。
 木星も似たようなもので、いつもは小さいが鋭い光輝を放っているガリレオ衛星も、今夜は背景に沈みがちだ。
 毎夜毎夜だと体に堪えるので(というか堪えているので)、今夜はここまでで爆睡モードに入った。

2000年09月27日(水曜日)

また今夜も秋晴れの夜空

23時55分 星見

 今夜はほぼ新月。しかもまたも雲の無い夜空と、観望には適した夜になった。暑くも無く涼しくも無い気候もよろしい。惜しむらくは風があることだろうか。
 今夜は期待が持てそうだったので20:00頃に一度寝入り、0:00過ぎに起きだした。カーテンを開けると空高くに輝く木星と土星が目に入った。既にすばるは手を出せない位置にあったので、まずは土星を見た。やはり風があるようで、ひっきりなしに像が揺らぐ。安定した瞬間にはカッシーニの間隙と本体の縞が見えたが、そんな瞬間が非常に希少な状況だった。とてもじゃないが強拡大は出来そうに無い。おとなしくUW6.7で100倍以下の眺めを楽しんだ。木星もガリレオ衛星との系全体を眺めるのが吉だった。
 風呂に入ったりして2:00になると、オリオン座がそれなりの高さに上ってくる。M42はやはり大倍率では安定しないが、低倍率でその周辺の恒星群を視界に収めると、これはこれで見事な眺めだ。その下に燃えているシリウスが気になったので、M41をSW18の視界に収めると、ド派手なオリオン座周辺の眺めとはまた違った興があってよい。この球状星団、まだ低高度なのでかわいらしい眺めだ。
 しばしコーヒーの香りをも楽しみながら、オリオン座から大犬座に掛けての星空散歩を楽しんだ。
 寝る前にすばるを眺めておこうかと、アパートの前にMIZAR20*80双眼鏡を出した。まずはオリオン座を......。小三ツ星近辺の眺めは素晴らしい。100EDで見るよりも明るく感じられた。オリオン大星雲の明るい散光を真中に、左右に群れる微光星群が果てしない彼方から語りかけてくる。目を大犬座に転じると、こちらもM41を一発で探し出せた。結構良く見えるものだ。そしてすばるは......見、見えん。天頂付近、ほぼ85度近い高度にあるため、直視型のこの双眼鏡ではとんでもなく見難いのだ。ビーチチェアにでも寝そべって見れば別だろうが。それでも三脚を大きく傾け、無理やりに見上げてみたが、あまりの苦しさに一瞬しか視界に収めることが出来ない。完敗だ。
 こういう状況ではこちらが有利と思い、フリーハンドで扱えるMIZAR10*42双眼鏡ですばるを眺めた。今夜もすばるは明るく燃えている。
 しかし天頂付近での扱いを考えると、宮内から出ているような90度対空式の双眼鏡が欲しくなる。100mmのフローライトが40万近くするのだが、ああ、欲しい。

2000年09月26日(火曜日)

満天の星空を見た

23時55分 星見

 0:00頃、フローリング部屋から空を見上げると、雲がほとんどない澄み切った空が広がっている。こんなすっきりした夜空は久しぶりに見た。
 まずはC8EXを土星と木星に向けた。しかし像が揺れる揺れる。筒内気流のせいかと思って100EDに載せ換えて見たが、ややましになったもののやはり安定しない。どうやら高空に強い風が吹いているようだ。シンチレーション最悪の状況である。しかし安定した瞬間にはカッシーニの間隙が全周にわたって見える。
 あまりにシンチレーションが悪いので、もっぱら低倍率ですばるを見ることにした。SWK22とSW18ですばるを見ると、背後の微光星に至るまでが群れて見える。すばらしい。透明度は高いようだ。高倍率でのシーイングは劣悪だが、低倍率でなら良好といえる。
 しかし100EDの接眼部が三脚に当たってこれ以上動かせなくなった。そこでタカハシの50mmフィールドスコープをミニ三脚に載せ、すばるに向けた。20倍という倍率はすばるを見るには絶妙だ。視界一杯に星々が敷き詰められ、1万円しない望遠鏡の眺めとはとても思えない。案外に高い実力を持っているようだ。
 やがてすばるが狭い窓の視界から消えたので、今度はワイドビノとMIZAR10*42双眼鏡を持って外に出た。ワイドビノを木星と土星の辺りに向ける。今夜は地平線から天頂部まで、雲がほとんど無い。降るような星空、というのにかなり近かった。ワイドビノでヒアデス星団から木星、土星、すばる辺りを視界に収めた。息が止まりそうだ。なんて凄い星空なんだろう。ヒアデス星団を形作る星々が絨毯のように敷き詰められた上に、木星と土星が星たちの王と王妃のように鎮座している。そしてその上空に王冠のようにきらびやかなすばるがきらめいているのだ。星空の宮廷、星たちのメリーゴーランド、遥か昔に消え去ったはずの星たちの瞬間的な相関が、何百年もたった今、僕の眼前に展開されている。その背後の、ぞれぞれパッとしない小さな星たちも、幾百、幾千、幾万となく、それぞれに精一杯の声をあげている。これらの星がどこからきて、どこに去るのかは知らないが、それらの不可思議な相関が、今この瞬間、僕の目に絢爛たる情景を焼き付けている。
 まったく、今夜は寝なければならないのがもったいないほどだった。できれば空が白み始め、これらの星たちが太陽の光にかき消されてゆく様を見ていたかった。きっと泡沫の夢から覚めるような、不思議な想念をかきたてられる事だろう。しかし浮世に生きる会社勤めの僕には、そのような贅沢はなかなか許されるものではない。
 アパートの前の道路に立ち、天頂付近のアンドロメダ座を見渡した。数え切れないくらいの星が光っているので、星座を見分けるのが困難なくらいだった。しかしやがてアンドロメダ星雲のひそやかな光を見つけた。200万光年の彼方から、それは確かに僕の網膜に届いている。昔の人は、この奇妙な天体をなんだと考えていたのだろう。
 やがて2:00も過ぎたので、渋々寝床に着いた。それにしても、日本一明るい横浜の空でこれだけ感動できたのだから、状態の良い山奥の夜空を見たら即死するね。

2000年09月25日(月曜日)

木星を見た

23時55分 星見

 0:00過ぎに空を見ると、薄雲がかかっているものの木星が輝いて見える。GP赤道儀の100EDをC8EXに載せ換え、木星に向けた。
 さすがに薄雲がひっきりなしにかかる状況ではさほど明るくは見えず、細部も見えない。主要な縞数本が見える程度だ。しかし辛抱強く見ていると、こんな状況にも関わらずシンチレーションは結構安定している。雲があるのに? でもさすがに濃い雲が現れると見えなくなる。雲は濃くなる一方だったので、この辺で打ち切り。

2000年09月24日(日曜日)

またも星を見た

23時55分 星見

 夜、20:00頃の空は曇っていて、星がほとんど見えなかった。こりゃダメだと思っていたが、寝る前の1:00過ぎに空を見ると、なんと雲ひとつない快晴が広がっている。ちょっと観望しましょ。
 100EDにUW6.7を着けて土星を見た。シーイングは7/10程度だろうか。シンチレーションは乱れ気味だが、安定した瞬間にはカッシーニの間隙が全周にわたってくっきり見えた。本体の縞も特に濃い1本が明瞭に見えた。
 Or7+2.2倍バローで見ると、さらによく見えたが、拡大して見えるという感じで、細部までは見えない。100EDの限界かな。
 次に木星。こちらも本体の縞のほか、細かな蛇行の様子も見えた。しかし全体的に薄い感じで、C8EXとの光量の差を感じさせる。
 試しに清掃したばかりのツァイスアイピース群で見ると、いままで感じられた汚れによるにじみが、遂に払拭された感じだった。
 すばるは窓から見るにはつらすぎるので、ベランダに出て見上げた。しかしここからも屋根にかかってしまうのでかなりつらい。テレスコと10*42双眼鏡で見比べた。テレスコだと淡い光の塊という感じだが、10*42双眼鏡だとすばるらしい星の群れに見える。アパートの前に出てさらに見た。すばるだけでなく、木星と土星の脇に広がるヒアデス星団が、この双眼鏡の視界にちょうど収まって心地よい。小さく、ぎっしり密集したようなすばると、大きくV字に広がるヒアデス星団の対比は見事で、木星と土星込みで全天一の華やかな眺めになっている。

安全週間です

17時53分 星見 天気:雨かな晴れかな

 安全週間だからというわけでもあるまいが、アパートの各室の警報機をチェックするという。先週のうちにその旨が通知されて以来、なんとなく土日はピリピリした空気に包まれていた。部屋の中が散らばってるからなあ。人と会うときも必ず相手方に出向いていた小心者の俺様だった。まあ来るものは仕方ない。カオスに極みにある我が部屋を突貫工事で片付けた。
 検知器の検査にやってきたのは、50代と思しき実直そうな男性で、我がマシン群を見て「私らもこういうの(コンピュータということらしい)をやらないといかんのですが、講習料が日に5万円もかかりましてねえ」と愚痴る。日に5万はぼり過ぎかと思ったが、講師を呼ぶ場合ということらしい。僕らの業界でも、JSPだのソフトウェア信頼性だのといった講義を外で受けるとなると、やっぱり数万円かかるよなあ。しかし無理してコンピュータを導入することもないだろうとも思った。あれば確かに便利ではあるけれど、よほど凝ったマクロを利用しない限りは、Excelで作るのとワープロの表計算機能を用いるのとで、データの管理という意味では大差ない。
 おじさんが帰った後、部屋が随分広くなった感じがした。いやまあ、ある意味では広くなったのだが。おのれがいかにこまめな整理に向いてない性格かを思い知らされるようだ。誰だ、血液型と性格が相関するなんて妄説を流した奴は。
 せっかく広くなったのだからと、最近万年床状態だった(これがいかんのか)布団を片付け、広々としたスペースでレンズの手入れ。古代のツァイスサイズの4個は、何度か手を入れるうちにだんだんきれいになってはいたが、いまいちくもりが取れない。そこで以前手に入れていたカメラ用レンズクリーナ液と、昨日買ったブロワーでさらなるお手入れを実施したわけだ。
 最初は望遠鏡本体に手を入れる。先端にある2枚ガラス構成のレンズを外し、クリーナー液で丁寧に洗浄する。長い間にこびりついた脂がきれいに取れた。コーティングも何とか無事だ。鏡筒表面の汚れを洗い落とせば、やっと見た目も良くなるだろう。
 残るレンズ群も分解し、これもクリーナーで洗浄し、ブロワーでほこりを飛ばしておいた。次なる課題は、63mm径のこの望遠鏡をGP赤道儀に載せるアダプタを入手することだ。またスターベースででも相談してみるか。

2000年09月21日(木曜日)

今夜も星を見た

23時55分 星見

 日付が変わって0:00過ぎ、かなり細くなってきた月に、100EDを向けた。UW6.7を着けて90倍でのムーンウォークだ。今夜はシーイングはそんなに良くは無いが、明日から連休なので心のゆとりがある。気の向くままに、じっくりと月を眺めた。
 明け方に、再び100EDをのぞいた。既にオリオン大星雲はかなり高く掛かっている。その下のシリウスと並ぶM41を眺めた。シリウスのぎらぎらとした輝きに較べると、かわいらしい星団だ。この角度ならもうベランダからも見えそうだ。

2000年09月20日(水曜日)

アイピース毎の実視野はどうなのだろう

23時44分 星見

 ふと思いついて、手持ちのアイピース毎の実視野を計算してみた。といっても正式な計算法は面倒なので、倍率で見かけ視野角を割るという誤差の多そうな方法をとった。少なくとも感じはつかめるだろう。
 アイピースを縦軸に、横軸には(公称)見かけ視野角、望遠鏡ごとの倍率/実視野角を書いてみた。
アイピースと望遠鏡の組み合わせ毎の実視野角





































































名称 見かけ視野 100EDの場合 C8EXの場合
LV40 42 16.0/2.63 50.8/0.83
K28 50? 22.9/2.18 72.8/0.69
SWK22 70 29.1/2.41 92.4/0.76
K20 40 32.0/1.25 101.6/0.39
UW18 68 35.6/1.91 112.9/0.60
WO13.8 65 47.4/1.37 150.5/0.43
Or9 40? 71.1/0.56 225.8/0.18
Or7 40? 91.4/0.44 290.3/0.14
UW6.7 84 95.5/0.88 303.3/0.28
Or6 40? 106.7/0.37 338.7/0.12
LV5 45 128/0.35 406.4/0.11
LV4 45 160/0.28 508/0.09


 一見して、100EDでも3度以下の実視野しかないことがわかる。Rich Field Telescopeなどと名乗るには3度以上必要とされているから、この構成ではRFTを実現できないことになる。実現にはNaglar5、LVW42などの2インチスリーブのアイピースが必要そうだ。Naglar5は31mm84度だから20倍強で4度強という広大な視野が得られる。しかし高い。一方、Vixenから出たLVW42だと15倍強で4.2度強の実視野が得られる。こっちの方がいいかな。貧乏人だし。ああ、Naglarは遥かに遠い.....。

月と木星を見ました。

22時44分 星見

 夜、風呂に入る前にC8EXを月に向けた。月の高度はすでに35度くらいになっていただろうか。木星はそれよりさらに高い位置にある。C8EXにUW6.7(Poorman's Naglarと命名)を着けて、月面散歩した。
 広角アイピースで夜空を流すことをスペース・ウォークなどというが、これはムーン・ウォークとでも言うべきだろうか。84度の視界に月面の光景が300倍で迫ってくる。まさに月着陸船からの眺めだ。残念ながらシーイングが良くなく、ひっきりなしに雲がかかる状況だった。時々、月の表面に不思議なものが見えることがある。まっ平らな月の海の真っ只中に、まっすぐに走る線を見つけることがあるのだ。まるで滑走路みたいに見える。光線の加減でか、ある月齢の間でしか見えないようだ。たぶん、海に別の大型クレーターからの噴出物が重なったものだろうが、丸か乱雑な線かで構成されている月で、こういう直線を目にするのは奇妙な感覚がある。
 昼夜境界線の山脈の眺めも楽しく、日差しを受けて光る側の輝きと、深い渓谷の闇との対比は見ていて飽きない。
 いいかげん風呂に入らなくちゃ、と思い、ちょっと間を置いた。
 風呂に入って一服し、また望遠鏡を月に向けた。むー、相変わらずシーイングが安定しない。木星は縞が薄くて見難い。光量は充分だったので、フィルタを掛けるとそれなりに見えたかもしれない。どういうフィルタがいいんだろう。
 望遠鏡を100EDに換えて月を見た。UW6.7だと、ちょうど月の全景が視野に収まる形になる。ムーングラスを着けるとコントラストが悪化する。しかし着けないと目が焼けてしまいそうだ。
 次に木星に向けてみた。こちらでもシーイングは改善されないので、かなり上空の気流が乱れているようだ。筒内気流といい高空の気流といい、思うようにならないものだ。

2000年09月19日(火曜日)

星が見えんぞ

23時55分 星見

 いつものようにビールをかっくらって横になると、意識が4:00前にまでワープしていた。なんと摩訶不思議な現象であろうや!(寝ただけ)。
 実は前日のうちにフローリング部屋の窓を全開して、C8EXを順応させていたのだ。さっそく空に目をやるが......見えんぞ??? 空は確かに晴れているようだし、天頂近くには木星と月が見えるのだが、それ以外の星がほとんど見えない。オリオン座もワイドビノでじっくり探してようやく見える程度のしょぼくれた眺めだった。霞がかかっているのだろうか。
 シリウスをC8EXの視界に収めては見たが、どうもいつものような迫力にかける。それと星像がまるでまとまりが無い。ダメだこりゃ。今夜はもうあきらめた。

2000年09月18日(月曜日)

木星に落ちる影

23時55分 星見

 帰宅してビールをかっくらっていると、抵抗不能な睡魔が襲ってきた。2.5時間ほど寝て23:30頃にまた起き出した。東の空を見ると、土星、木星と月がランデブーしていた。高い位置にある月を狙ってみた。
 C8EXにUW6.7を着けて月面散歩だ。うわっ、明るすぎて目が死にそう(x_x)。早速、ムーングラスを着けて光を和らげる。
 昨夜は筒内気流がまるで収まっていないうちに見たので、細かい像は激しく揺れてよく見えない。急に気温が下がったので、こういう目にあったと思われる。
 それでも300倍での月面散歩は楽しい。100EDでは見えない月のディテールが楽しめた。それもUW6.7の80度超の視界でだ。まさに月面散歩という感じ。見かけ視野45度くらいだと真っ暗な空間に穴があるという感じだが、80度超ともなると目の前一杯が月の光景という感じで、インパクトはまるで違う。月の表面の数キロメートル程度のクレーターが、広い海にぽつんと開いている様は、なかなか面白い眺めだ。またティコの中央丘陵もかなり良く見える。残念ながら筒内気流が悪化して(ってこれって酷くなるものなの?)、やがて細かいものが良く見えなくなってしまったのだが。
 ちょっと間を置いて風呂に入ってきた。1時間弱置いたのだが、まだ筒内気流はかなり残っている。というかこれ本当にそれだけ? 地表でも風がかなりあったので、シンチレーションも安定してなかったと思われる。ダブルパンチだ。
 それでも望遠鏡を木星に向けてみた。アンダースローだったので物凄く狙い難い。アンダースローというのは、赤道儀のバランサーとの位置関係が上下逆になることをいっている。窓の位置の関係で、こうしないと高い位置の星は狙えないのだ。この状態ではファインダーが下になるので、まず覗き込めない。
 最初はSWK22で導入してみた。鏡筒自体を等倍ファインダーにして導入すると、濃い色の縞とぽつんとした点が見えた。あ、大赤斑がこんなに良く見えるんだと思い、UW6.7に換えたところ、それが大赤斑ではない事にすぐ気づいた。すぐ近くを巡るイオの影が、木星の表面に落ちているのだ。
 びっくりした。こんなものが見えるとは思ってもみなかったのだ。だが大赤斑が見えるのなら、コントラストのくっきりした影が見えてもおかしくは無い。遥か彼方の木星で数時間前に起きた現象を"今"見ているのだと思うと、なんとも不思議で愉快な気持ちになる。あんまり感激したのでデジカメ画像を撮ってやろうとしたが、これは失敗。揺らぎが大きく、細部は写らなかった。
 今夜も面白いものを見たなあ。

2000年09月17日(日曜日)

台風一過

23時55分 星見 天気:くもりのち晴れ

 朝のうちは雨だったが、午後にはもう上がって、ところどころ青空ものぞくようになっていた。しかし切れ目は僅かだ。
 19:00頃にベランダから空をのぞくと、空一面に白い雲がかかっている。観望は無理だなと思っていた。しかし寝る前、0:00過ぎにふと東の空に眼をやると、いつの間にやら雲は地平線近くに退き、澄み切った空が広がっている。すぐに望遠鏡に飛びついた(いや本当に飛びついたら壊れちゃいますけど)。
 100EDにSWK22を着けて、まずはすばるを見た。この組み合わせだと29倍になる。70度ほどの視界一杯にすばるの明るい星々が散りばめられ、見事な眺めだ。しかしアイリリーフが短すぎる。
 昨日買ったUW6.7で見ると、広大な視界一杯に星が散りばめられ、これも見事な眺めだ。しかし95倍にもなるので、カバレージは低い。広大な視野のおかげで50%というところだろうか。
 すばるを堪能した後は土星だ。こちらはカッシーニの間隙が良く見え、本体の縞も確認できた。ただしOr7+2.2倍バローの組み合わせで。UW6.7では土星が小さすぎてよく見えない。木星も縞と大赤斑が確認できた。全体的に、UW6.7は100EDが得意とする大型天体向きではないと思った。
 C8EXに載せ換えて、土星に向けた。さすがに100EDよりは良く見える。UW6.7でも300倍なので、視界に浮かぶ土星は非常に明瞭に見えた。ピントを慎重に出すと、今までに無いくらいにカッシーニの間隙も、本体のエッジも明瞭に浮かび上がってくる。今夜は思いがけない好シーイングだ。9/10くらいまではあげていいくらいだ。
 木星も100EDに比較して縞が非常に濃く見える。ここでUW6.7に2.2倍バーローを組み合わせるとどうなるのだろうと思った。この手の広角アイピースはバローレンズを内蔵することで広視野と長アイリリーフを両立させている。しかしここにバローレンズを組み合わせると、バローレンズの2段がけになって像が劣化するということだ。しかしやってみると、木星は案外に良く見える。670倍という物凄い強倍率だが、思ったよりぼやけない。木星本体の細かな縞も良く見える。案外に使えそうだ。しかしやはり目が負けるというか、限界近いような感じも強い。
 なんとなく広角アイピースが病み付きになってしまった感じだ。

2000年09月16日(土曜日)

アイピース比較その3

21時40分 星見

 帰宅して、早速UW6.7mmをのぞいてみた。をを、さすがに凄い視界だ。しかし空がこれでは......。
 しょぼくれている僕を天の神は見放さなかった。19:00過ぎにふと空を見ると、雲の切れ目から月が見える。この機会を逃す手はないと、早速UW6.7で月を見た。
 100EDに着けると95倍くらい、C8EXなら300倍超だ。100EDで月を見ると、視界の真ん中に巨大な月が浮かんでいる。凄い迫力だ。SW18mm+バローよりも迫力がある。考えてみれば、見かけ視野角が増えると、可視面積の方は半径の自乗で増えるのだ。この差は大きい。まさに星だらけになることだろう。月はディテールまで良く見えた。C8EXに替えたいところだが、その前に濃い雲がわき出して月を完全に覆い隠してしまった。今夜はもう無理そうだ。
 欲求不満なので、アイピースの見かけ視野比べをやってみた。方法は二つのアイピースを左右の目で同時に見比べ、その優劣を判定するというもの。その結果、
 UW6.7 > SWK22 > SW18 > WO13.5 > K28 > H50 ≧ LV4,LV5,LV40 > K20 > OR7 > OR9 > OR6~
 という順番になった。
 やはりというべきか、アメリカンアイピースの圧勝だった。意外にもSWK22がSW18よりも広視界だ。公称通り70度出ているようだ。トップからWO13.5までの差は極端ではない。この上位グループとK28との間に大きな断絶がある。K28は一応はツァイスサイズだが、実際にはねじ込み式でかなり太いアイピースだ。意外にも50度ほどの視野があるようだ。明らかにH50よりも広い。H50は公称45度で、LV短焦点と変わらないのだが、なぜかLVの方が小さく見えた。恐らく、LVのアイリリーフが非常に大きく、その分見口が深いせいなのだろう。その意味で、H50からLV系までの差は僅差で、ほぼ同一と言って良い。次のK20との差も差ほどでもなく、それ以下も僅差というところだ。全体的に40度程度は確保していると見てよい。意外なことにOrの3種は焦点距離、スリーブサイズの差にかかわらずほぼ同一だった。
 しかしUW6.7の視野の広いところと来たら。病みつきになりそうである。

2000年09月15日(金曜日)

でもちょっとだけ観望した

23時55分 星見

 それでも3:00頃、かなり高く昇ったオリオン座に望遠鏡を向けた。しかも見た! ってふつう向けたら見る。
 今日もLV40で導入して、Or7+2.2倍バローで100EDの限界に挑む。ほぼ200倍の視界に浮かぶオリオン大星雲は、昨夜に続いて三つまでしか分解できなかった。まだ高度が低いからな。
 次にシリウスに向けてみた。シリウスは非常に明るく燃えている。冷たく、明るい光だ。シリウスといえば。そうだ、その従者たるM41を探そう。冬とは位置が違うので少し手間取ったが、程なくM41を視界に納めた。まだ高度が低いせいもあるが、かわいらしい、パッとしない星団だ。M7やプレアデスを見慣れた目には、あまり華やかではない。しかしまたこの星団を眺める季節が巡ってきたのだ。
 さすがに眠気が募ってきたので、ここで観望完。

2000年09月14日(木曜日)

星見たよ

23時55分 星見

 帰り道、外に出て空を見ると、雲の切れ間から月が見えている。早速正門を出たところでテレスコを向け、しばしその眺めを楽しんだ。やっぱりテレスコでも色滲みは大きいな。
 夜中の2:00頃から木星を眺めた。既に高度45度くらいにまで上がり、GP赤道儀のアンダースローでもぎりぎり見えるところだ。100EDに木星を導入し、Or7+2.2倍バローで眺めた。木星は太い縞の他、蛇行する細かい模様もうっすら見える。が、シンチレーションが安定しない。ほんの一瞬しか見えないのだ。諦めてオリオン大星雲に向けた。こちらも高度が低いせいでシーイングはよくない。どんな強拡大でもトラペジウムは三つまでしか見えなかった。

2000年09月12日(火曜日)

最後に少し星を見ました

23時55分 星見

 寝る前、2:00頃だったろうか、東向きのフローリング部屋で星を見た。100EDをすっかり高く上った木星に向けた。あれほど晴れやかだった空も、この時刻にはかなりの雲が湧いている。その合間にのぞく木星をLV5で見ると、シンチレーションは安定しているようだ。そこでBORGの2.2倍バローレンズにOr7を着け、ほぼ200倍で眺めてみた。100mmの100EDでは限界に近い。像はさほど明るくは無いが、木星のディテールがかなり良く見えた。色にじみは気にならなかった。しかしこういうシチュエーションではC8EXに一歩譲る。大口径アクロマート屈折、例えば一部で話題のSchwarz150辺りで見たらどんな感じになるんだろう。あるいはニュートン式では。天頂付近の観望も含めて、安価なドブソニアンが気になる今日この頃です。

中秋の名月

20時31分 星見 天気:くもりのち晴れ

 昼頃までは雨が降りそうなくらいのくもりだったのが、22:00前に帰宅する頃にはすっかり晴れ上がっていた。職場の玄関を出た途端、夜空に白々と冴える満月が目に入った。止むに止まれぬ衝動に駆られた僕は、正門を出てからテレスコを取り出し、それを月に向けた。テレスコで見た月は、周囲に色にじみも少なく、まことに晴れ晴れとした顔で浮かんでいる。後で気づいたのだが、今夜は中秋の名月だった。
 帰宅して、ベランダに出てタカハシ50mmフィールドスコープ(長いので以下T50FSと略)を月に向けた。100EDとかを出そうかと思ったのだが、もう遅いし、満月はディテールを見ても面白くないので、小口径で月全体を愛でることにしたのだ。T50FSでは月の西半球と東半球に、なぜかそれぞれ青と赤の縁がついてしまう。結構いやらしい色にじみだが、僕の場合はこれが気になったことは無い。しばし月を眺めて撤収した。

2000年09月10日(日曜日)

アイピース較べ再び

23時55分 星見

 21:00からは「世紀を越えて」だったが、飯を作るのに気を取られてあまり真剣に見なかった(爆)。しかしまあNHKスペシャルはオリンピックに合わせた番組編成が続いているようで、「世紀を越えて」まで今回は合わせていた。ちとうんざりだ。番組では運動選手の能力を科学的に向上させるという筋の話が、当然のことながらドーピングの話と絡み合わされていた。
 今夜は19:00頃にベランダに出て、昨日の機材大集合で忘れ去られていたタカハシ製50mmフィールドスコープ(長いので以下T50FSと省略)で月を見た。さすがに50mmという口径はテレスコよりも明るくて見やすかった。また20倍という倍率も月の観察には向いているようだ。古いビクセン60mmF15よりも像ははっきりして見やすかった。今度持って帰るのはこれにしよう。
 0:00過ぎ、今夜は100EDでアイピース比較をやってみた。対象はすばる。
 LV40。すばるがすっぽり収まる。像もくっきり。見やすい。
 K28。これもすばる全体が見渡せる。しかし昨夜は気づかなかったが、視野の周辺では像の劣化がかなり激しい。ピントのずれと円周方向への伸びが著しいのだ。こういう限界があったのね。
 SWK22。見かけ視野が広いので、これもすばるをほとんど見渡せる。アイリリーフの短さを別にすれば、これは非常に楽しい眺めだ。周辺での歪像はK28程ではない。
 K20。K28と同じような傾向で、しかも見かけ視野が40度以下と狭いことに気づいた。すばるに対するカバレージは低い。
 SW18。さすがに歪像は小さく、また広い視野にすばるのかなりの部分(60%程度?)が収まるので大変楽しい。
 WO13.5。これも歪像がやや大きいが、見かけ視野の広さ故にカバレージは50%くらいはありそうだ。
 Or6、Or9。どちらも周辺での歪像が大きい。また見かけ視野が狭いので見ているモノがすばるだという確証が乏しくなる。
 Or7。アメリカンサイズ故か、前記Or.2種よりも視野が広く、また像の崩れもかなり小さい。
 LV5。像の崩れは少ない。でももう少し見かけ視野を取りたいところだ。
 このように、木星だのオリオン星雲だのといった小さな天体とは違う結果が出た。やはりいろいろ見比べないとアイピースの特徴はつかめないものだな。
 その後は木星を見ようと思ったが、既に雲が広がり始めていたので断念した。

2000年09月09日(土曜日)

やっと観望だ

23時55分 星見

 日が暮れて、ベランダを覗くと、月が昇っていた。雲が多くて星はほとんど見えないが、月は良く見える。テレスコマイクロで眺めると、月の表面が凸凹であることがよく分かる。ガリレイが月を見て「死の世界だ!」とぶったまげた気持ちが分かるような気がする。テレスコで見ると、月は青い輪郭がつくものの、それ以外の色滲みは見られない。天頂近くに見える数少ない星を見ても、くっきりとしたシャープな像を結ぶ。小口径故の点もあるが、かなり優秀なレンズを使っているようだ。
 テレビを見て、1:00頃からフローリング部屋で木星を見た。すばるは既に高く昇り、フローリング部屋の狭い窓からは追えない。土星と木星が見えるので、手持ちのアイピースを使い較べてみた。望遠鏡はC8EX、シーイングは7/10程度。シンチレーションは安定していたが、しょっちゅう薄雲がかかる状況だった。
 焦点距離の長い方からLV40。ビクセン製。木星も土星もくっきりと映る。倍率の関係で細部は見えないが、木星は縞がくっきりと見え、土星もカッシーニの間隙が見えた。しかし背景が明るくてコントラストが若干落ちる。LV40の特筆すべきことはアイリリーフの長さで、なんと30mm超もある。見口のゴムを折り返さなくても、メガネをかけたまま視野全部を見渡せる。見かけ視野は42度という事だ。こんな長焦点で良くこんなのを作れたものだ。ビクセン恐るべし。お勧めのアイピースです。なるべく安く買おう。
 K28。やはりビクセン。ツァイスサイズのアイピースだ。20年以上前のものだが、分解清掃の結果かなりよく見えるようになった。木星も土星もくっきり見える。見かけ視野も50度くらいはありそうだ。アイリリーフは10mmくらい取れそう。しかしなぜかLV40に比べてコントラストがさらに悪い。清掃しても取れなかった汚れのせいかもしれないし、ツァイスサイズだからなのかもしれない。
 SWK22。BORG製。こちらもくっきり見える。木星は縞に加えてその間の蛇行まで見える。土星はカッシーニの間隙がばっちり。このアイピースは見かけ視野こそ広いものの、眼レンズに目をくっつけないと見渡せないほどアイリリーフが短い。恐るべき見にくさだ。見口を折り返しても無駄だ。また周囲の歪像がかなりある。それ以外では軽くて扱いやすいアイピースだ。しかし無理に買うほどではない。
 K20。これも20年以上前のビクセン製ツァイスサイズ。これも割りとくっきり見えるが、やはりコントラストは良くない。見かけ視野も45度くらいか。
 SW18。MEADEのアイピース。手許にある中でもっとも高価だった。さすがに像のすっきり加減もアイリリーフも視野の広さも文句がない。しかし視野の端の方ではやはり多少の劣化があるようだ。お勧めのアイピース。
 WO13.5。これもBORGの軽量安価なアイピース。これも広角だが見にくいアイピースだ。しかしSWK22よりはかなりマシ。オルソスコピックという割りに周辺での劣化もかなりある。しかしある意味ではSWK以上に使いやすいアイピースだ。凄く軽いので架台に負荷を与えないだろう。これもお勧め。
 Or9とOr6。これも20年以上前のビクセン製ツァイスサイズ。コントラストの悪さは目立たないが、視野はやはりかなり狭い。当時の設計がそうだったと考えるべきだろうか。木星は縞縞とその間の蛇行がよく見え、大赤斑もこちらを向いていれば見えそうな見え方だった。しかし見口が省略されているのでレンズが汚れそうだ。
 Or7。これは同じビクセンでも最近のアメリカンサイズ。コントラストがツァイスサイズの物よりよく、視野の広さもきっぱりした像も高価なLVに勝るとも劣らない。ただし見口が無いので汚れやすく、またアイリリーフ自体が短い傾向にある。それ以外にLV系統に劣るところはなく、また安価(半値から1/3)なのでお勧めだ。これも軽い。
 LV5。さすがに像の硬さもアイリリーフの長さも良好で、大変扱いやすいアイピースだ。しかし少し重くて高価だ。比較的お勧め。
 使っているうちにオリオン座が昇ってきたので、そっちにも向けてみた。
 LV40。これでもトラペジウムを分離できる。散光星雲も蝶の形に見える。
 K28。やはりコントラストが悪い。散光星雲がちょっとぼけた感じだ。
 SWK22。くっきり見える。
 K20。やはり少しぼける。コントラストの悪さが、散光星雲の見え味に影響しているようだ。
 SW18。見渡せる視界の広さ、像の硬さ、散光の鮮やかさなど文句なし。
 WO13.5。これも結構像が硬い。BORG恐るべし。
 Or9、Or6。かなりよく見えるが、散光の再現性に乏しいようだ。
 Or7。大解像度だがかなりよく見える。
 LV5。やはり大解像度だがかなりよく見える。
 全てトラペジウムは問題なく分離できて、散光星雲も蝶のような形が識別できた。しかしツァイスサイズのものはどうもぼんやりする傾向がある。これは真正面に街灯があって迷光が生じやすいという苛酷な条件のせいかもしれない。
 こうしてみると、LV40、SW18、Or7、LV5くらいがあれば間に合うかもしれない。後は好みでWO13.5とかを足せばいいだろう。
 木星が視界外に去ったので、テレスコマイクロをオリオン座に向けてみた。明るくないテレスコだが、利点が一つ分かった。暗い星が見えないので、星座の形がはっきり分かるのだ。夜空を見るにはつらいが、星座を見るには良いようだ。
 最後に、外に出て10*42双眼鏡を天頂近いすばるに向けた。このクラスの双眼鏡の視界になら、すばるはすっぽり収まる。きらきらと美しい眺めだ。欲をいえば、もう少し集光力が欲しいところである。テレスコではいまいち暗いが、すばるははっきりと分かる。玩具には最適な代物だ。

2000年09月03日(日曜日)

秋葉で遭遇&買い物

22時53分 星見

 秋葉に出て、若松を襲い(いやだから特殊部隊で襲撃したわけじゃないんです)、スターベースの方に歩いていく途中だった。高架の下で異様な車両を目撃した。わお、87式偵察警戒車だ。82式指揮車をベースにした25mm砲搭載の小型車両だ。6輪の、この種の車両としてはそんなに押しが強いわけでもない車両なのだが、一般車両の中に混じると異様な存在感がある。25mm砲の砲身こそ装備されてなかったが、それ以外は完全装備だった。サイズ的に、幅と長さは一般のRVの数割増しという程度なのだが、高さが倍はある。それが強烈な存在感を打ち出しているのだ。
 87式を見送り、スターベースに入った。ここで店員さんにGP赤道儀のクラッチとノブについて聞き、案外に安かったそれらを購入した。さらにKYOEIに入って3000円しないOr.7mmとアメリカンサイズスリーブとツァイスサイズのコンバーターを購入し、疲れた足どりで帰宅した。
 帰って、早速クラッチとノブを取り付けた。ノブはミザールの同じサイズのものだったが、長くて硬くて赤緯側のノブと引っかかりそうだ。そこでカスタム経緯台の柔らかくてしなるノブと取り替えた。
 そして小さな星を視界に入れ、ツァイスサイズ、今日買ったアメリカンサイズOr.などを見比べた。いずれも見口が無いので少し観にくいが、案外に像は透明で澄んでいる。アメリカンサイズのOr.もアイリリーフが短いことをのぞけばLVと変わらないくらいの見え方だ。これならいろいろ楽しめそうだ。

2000年09月02日(土曜日)

NEW ちょっと観望

23時55分 星見

 すばるが高くなる頃、望遠鏡を空に向けようとした。おや、赤経モーターが動かない。なんと昨日スイッチを切り忘れ、電池切れになっていたのだ。ダメじゃん。
 赤経モーターがないと今のGP赤道儀の構成では微動できない。これは困るので、明日にでも赤経モーターに取り付けるクラッチと微動ノブを買ってこようと思う。あるいは、赤経モーター用のAC電源アダプタを買ってくるか。
 そんなわけで細かく動かせないので、導入するのは大きな天体に限る。もっぱら昴を見た。LV40、SWK22、SW18、そしてWO13.5を取っ替え引っ替え見た。かなり高度があり、かつ透明度が高いので、昴の像はクリアだ。大解像度ではシンチレーションが安定してないのがわかるが、WO13.5くらいまでならなんら問題は無い。散開星団を構成する星の一つ一つが鋭く像を結び、青い光を放っている。見ていて目が痛くなりそうなほどだ。本当に美しい光景だ。こういう美しいものを見たことがなければ、見る気になったことさえもない人がいるというのは、まことに不幸な事だと言わざるを得ない。
 風呂に入り、ビールを開けて、再び望遠鏡をのぞき込んだ。今度はもう地平線から顔を出しているオリオン座を眺めた。オリオン座も大変豪華な星座で、砂時計型のどの頂点を眺めても、明るい恒星が光り輝いている。そしてそのベルトの下の小さな三ツ星は、散光星雲の王様と言うべきオリオン大星雲が鎮座している。今夜はシンチレーションが安定してないので、トラペジウムはやっと分離できる程度だった。しかし低倍率で小三ツ星全体を視界に納めると、周囲に散らばる微光星がそれぞれにワッと声を上げているかのように存在を主張しあい、なんともにぎやかな眺めになる。今夜も満足できる観望だった。

2000年09月01日(金曜日)

雲の切れ間から観望しました

23時55分 星見

 夜、GP赤道儀上の100EDを空に向けた。が、木星も土星も雲の中に隠れている。時々雲の切れ間から現れるが、薄雲をまとったままだ。
 100EDで見ても面白くないので、テレスコマイクロを向けてみた。このテレスコマイクロ、NIKONの威力か像はかっちりしまっている。ところがやはり20mmの悲しさで、さほど明るくは見えないのだ。まあ風景用だろうから、星を見ようというのがそもそも間違いだろう。
 それでも振り回しやすいので、雲の切れ間からのぞく星たちを眺めて楽しんだ。まあそれなりの楽しみ方というものはある。
 その後、3:00過ぎに東の空を見ると、もうオリオン座が上り始めていた。雲がすっかり消えていたので、早速100EDでオリオン大星雲を視界に収めた。風があるのか、シンチレーションは安定しない。それでもトラペジウムは4つまで分解できた。いつもながら美しい眺めだ。