Strange Days

そろそろ暑

2000年05月22日(月曜日) 19時07分 暮らし 天気:晴れかな

 少々気温が低いという日でも、熱気が部屋のこもることが多くなった。なにせ、我が家のPCは全部が全部24時間運転だから。RC5-64暗号のクラックを試みているのだ。って人聞きが悪いな。そういうコンテストがあるんです。
 夏場のことを考えてデスクトップPCは全てエアコン直下に集めてあるが、昼間は会社に出かけてる間にエアコンつけっぱなしというのは、さすがに気がひける。隣室の住民に「死体でも保存しているのか?」と疑われかねないご時世だ。
 ところでこのRC5-64クラッキングコンテストでは、僕はDistributed.netに参加している。というか、この暗号破りコンテストに参加している人の大半は、研究者でもない限りここに所属するだろう。このD-netは、世界中の参加者の所有するPCにクライアントプログラムを埋め込み、それをデータ集配機能を持つD-netのサーバと適宜接続しながら、各クライアントでプロセッサの空き時間を利用してデータを処理しようというものだ。なぜ暗号破りを試みているのかというと、様々な暗号体系の中でのRC5-64の強度を検証し、それを元に米国政府が課している暗号技術の輸出規制を撤廃させようというのが狙いなのだ。
 ところでこの一般ユーザの機械でデータを分散処理しようという方式は、seti@homeでも取り入れられているものだ。参加者数はseti@homeの方が多いが、時期的にはD-netの方が早い。またseti@homeの標準クライアントがスクリーンセーバーとして実現されているのに対し、D-net側は一種のデーモンとして動作し、プロセッサの遊休時間を見つけるたびに小刻みに処理を実施していく方式だ。遊休時間を使用するという観点ではD-netの方がより効率的に思える。問題は各自の環境への悪影響だが、これも洗練が進んだ結果ほとんど影響が無いレベルまで進歩している。というか、ここ1年ほどの間に、システムにダメージを与えるような悪影響はまったく無かったといっていい。
 地球外文明の探査も夢があると思うが、現実に全てのユーザが利益を蒙るだろう暗号規制解除につながるD-netのチャレンジも、やはり同じくらい重要だと思うのだ。なにせ、地球外文明があるかどうかは分からないのだから(個人的には無いかもしれないと思っているのだが)。


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