Strange Days

いっぱい星を見ました

2000年08月29日(火曜日) 23時55分 星見

 帰宅してすぐ、ベランダに出てさそり座にMIZAR20*80を向けた。今夜もこの時刻は薄雲が多く、なかなか良くは見えない。M7もいささか精彩を欠き、主要な星が10個ほど見えただけだった。M8も今夜は散光が感じられなかった。
 今年の夏はこれで終わりかなと思った。
 ふと横になったら、意識が1:00にワープしてしまった。なんという宇宙の神秘!(寝ただけだってば) 起き出してビクセン60mmを木星に向けた。
 昨日整備した結果、うるさい迷光や滲みは少なくなってはいる。しかし解像度は上がらない。この古代の60mmでは限界かな。木星は縞2本が限度だ。今夜はガリレオ衛星は東に固まっている。
 この60mmを撤去し、再びC8EX+GP赤道儀を取り出した。今夜は風が強いせいか、シーイングは7/10程度。しかし透明度は宵の口の朧霞が嘘のような冴え冴えとした夜空になっている。本当に低高度まで星がくっきりと見えるのだ。LV40を着けて木星を導入し、LV4に替えた。限界に近い500倍の視界は、さすがにぼんやりし始めている。しかしシンチレーションが安定した瞬間には木星の表面に縞が蛇行する様子まではっきりと見える。土星もカッシーニの間隙がくっきり見え、本体の縞もわかる。しかしあまりにもシンチレーションが安定しない。
 これはもしかしてC8EXの筒内気流のせいかと思い、100EDと取り替えてみた。こちらで見てもシンチレーションは安定してないので、やはり高空の風のせいだろうと判断した。100EDでは木星の縞はかなり薄らぐが、それでも目を凝らすと蛇行する様子が識別できた。土星もカッシーニの間隙はくっきり見える。しかし本体の縞は見えない。
 100EDにLV40を着けて木星周辺を流していると、やたらと明るい星が目に飛び込んできた。ワイドビノで見ると、木星と土星がちょうどヒアデス星団のV字型を挟み込んでいるのが見えた。そういえば、と思ってその上をのぞくと、プレアデスが美しく輝いていた。そこで80mm双眼鏡を部屋の前の通路に持ち出し、かなり高度があるプレアデス星団に向けた。MIZAR20*80の視界にすっぽり収まったプレアデス星団は、暗い背景に冴え冴えと浮かぶ星の中州のように見えた。プレアデスを見るにはこのMIZAR20*80がベストだ。しかしヒアデス星団は広すぎて、80mm双眼鏡の視界には収まらない。同じMIZARの10*42の方が向いていそうだ。
 2時を過ぎたこの時刻、東の空のこの辺りは空の中で一番華やかな一角だ。高いところにはプレアデス星団がぎっしりと詰まって光を放ち、その真下には土星と木星が鋭い光を放っている。そしてその間をヒアデス星団のV字が敷き詰められているのだ。しばしその華やかな辺りをうろついた。
 撤収しようと三脚を畳み始めたとき、ヒアデス星団の真下に見覚えある星の配列を見つけた。そうか、もうオリオン座が上り始めているのだ。早速双眼鏡を向けると、低高度にも関わらずオリオン座はくっきりと見えた。久しぶりに見るオリオン大星雲も、堂々とした輝きを放っている。
 部屋に戻り、100EDでオリオン大星雲を見た。まだ高度が低いのだが、ちゃんとトラペジウムは4つまで分解できた。散光はさすがにM8より強烈だ。鳥が羽を広げたような形を、はっきりと識別できる。思わず珈琲が欲しくなった。
 C8EXでオリオン大星雲を見た。こちらはさすがに100EDよりさらに明るい。しかし色を感じられるほどではない。もっと高度が上がれば別かもしれない。トラペジウムもきちんと分離できる。
 そんなわけで今夜は大満足の一日だった。明日も観望できるかな。


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