Strange Days

ちょっとテレビを見た

2000年09月02日(土曜日) 23時48分 テレビ

 23:00からETVでやってる「国宝探訪」。今夜は僕にとってはお馴染みの厳島神社と、そこに平家が奉納した写経を取り上げている。このどちらももちろん国宝だってさ。
 厳島神社は参拝する度に回廊の長さにあきれ果てるが、アレは寝殿造りを模したものなのだそうだ。それでぐるりと回り込んだ回廊の内側は、満潮時には海になる。以前は厳島は全島が神聖視され、人が住むことを禁じられていたそうだ。当然、神社の祭主も本土に住んでいるのだが、必要に応じて舟で直接神社の乗りつけられるようになっている。それで回廊が大きく回り込み、本殿の真正面が空いているのだ。
 この厳島神社に平清盛ら平家一門が奉納したのがいわゆる平家納経だ。これは和紙を赤く染め、そこに金箔、銀箔などをふんだんに使った豪華絢爛なもので、平家一門の富の凄さを見せつけるものだ。その製作手順を再現して見せていたが、非常に根気と注意力を必要とする、見ていて胃が痛くなりそうな作業の連続だ。僕にはとても務まるまい。
 この経の一部の地に用いられている波の文様が、この納経から20年ほど前に製作された後白河法皇らによる別の教典のそれと一致することがわかった。この事は、朝廷に仕えていた工芸者集団を、武門である平家が受け継いだことを示している。恐らく、貴族から武士へという権力の推移の様を表しているのだろう。それにしても美しい。


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