Strange Days

第8回東京南会津サイクルトレイン1日目

2006年09月23日(土曜日) 23時55分 天気:晴れ

 1年ぶりの南会津。天気予報とは打って変わった好天に、初秋の南会津を進むペダルも軽くなる。


 朝は4:00に起床。簡単に食事を取ると、5:40前後の東海道線に乗るべく、戸塚へとSatRDay Mk.2を走らせた。戸塚から東海道線で新橋、新橋からは東京メトロで浅草に出た。駅の出口で輪行解除し、集合場所の墨田公園まで走った。途中でコンビニに寄り、今日の昼食を買っておく。
 まだ受付開始直後だったので、受付には人がまばら。山アドの丹羽氏も顔を出していた。クリキン氏も元気そう。
 受付してもらって、辺りを徘徊しているうちに、今回の参加者がどんどん集まってくる。顔見知りと挨拶を交わす。
 今年の出発時間は、従来よりも40分ほども遅い。到着時刻もその分遅くなるので、到着後はすぐに行動しなければならないようだ。しかし、駅までの移動後、ホームに上るまで待たされるのはいつものことだ。今年は重いSatRDayなので、いつもより余計にこたえた。
 列車がホームに到着し、さっさと乗り込む。今回はリカンベントで参加すると申し込んでいたので、ドア横に自転車を置けた。途中で乗り込んできたねず吉氏は、リカンベントのはずがMTBを抱えてきていた。ああ、リカンベント小祭りだったのに。
 車中、次第に山が迫ってくるのを眺めつつ、会津高原駅へと列車は走る。
 僕の参加したDコース*1は、この会津高原駅から田島へと走り、そこから北西に進路を変えて駒止峠を越え、きらら温泉で自転車を捨てて、バスで宿に向かうという行程になっていた。
 まずは田島に向かう。ほぼ平坦な道で、快適に走ってゆく。国道を行けば一直線だが、川沿いの道田んぼの中の農道を気持ちよく走っていった。事前の予報と違い、空は晴れ間が多く、清々しい天気だった。
 途中、りんご園に立ち寄り、りんごにありついた。喉が渇いていたので、これは助かった。
 また、田島から駒止峠に向かう途中で、古刹南泉寺に立ち寄った。寺の方にコーヒーをご馳走していただく。しかし、あまり長居すると峠越えがつらくなるので、早々に辞した。
 駒止、針生方面に向けて、農道を走ってゆく。田には稲穂が頭を垂れている。もう少しで刈り入れだろうな。
 やがて駒止峠への登りに掛かった。ここからはフリーペースだ。駒止峠は、第1回から何度も登ってきた場所だが、毎度毎度つらい思いをしている。そして最初の九十九折れの手前で足が止まってしまうのも。ここで、ある種の覚悟を促されるような気分になるのだ。
 それでも、出来るだけ軽いギアでガシガシ登っていった。もちろん、フロントはインナーだ。リアは新しい36Hのホイールに12-27Tを着けてきたのだが、やはりクロスしたギアはありがたいし、カプレオよりはローが1T軽いので、その分は楽になるはずだ。実際、ローから1~2枚の世界で戦っていた。
 しかし、リカンベントでの上りでの難点も体感した。インナー・ロー辺りの軽いギアを使うと、タイヤへのトルクが低すぎるのか、どうにもふらついてしまうのだ。意図せぬまま蛇行する場合もあり、危険を感じた。またもう少し重いギアを使えば、前記の現象は減るのだが、今度はクランクの回転数が低くなりすぎて、ペダルへのトルクに車体が振れてしまう。登るには登れるのだが、嫌な緊張を強いられて楽しくは無かった。これはスキルの類でカバーできそうに無い。アップライトの場合、積極的に体重移動することで、進行方向を安定させることは出来るのだが。SatRDay固有の問題なのか、リカンベントというスタイルにまつわるそれなのかは、とりあえず保留。BikeEを改装して、ヤビツでも登ってみれば、なにか見えてくるだろう。
 道そのものは素敵なもので、周囲の緑と、川のせせらぎを供に登りきった。
 登ったら下る。下りはヘアピンが多く、まだ急カーブを切るコツを会得できてないSatRDayでは、これまた緊張の連続だった。しかし、低重心のリカンベントは、下りそのものは速そうだ。
 下り切るときらら温泉があり、トンネルを一つ抜けると役場があった。今日はここに自転車を置かせてもらい、バスで宿に向かう。その前に、きらら温泉で汗を流す。峠越えの後の温泉はたまりません。
 宿はツムット。今日はムーというレストランの出張料理ということで、一味違った夕食になった。そして酒盛り。僕は眠かったので、酒盛りが始まった頃には、ちょっとベッドに戻っていた。しかし、気になっていたのが、すぐ隣の宿。裏手にドームを持つこの宿は、オーナーや客が星好きばかりで、夜になると望遠鏡を並べて星見しているそうなのだ。実はバスでツムットに入る直前、この宿の前の駐車場に各種望遠鏡が並んでいるのを目撃していた。
 お邪魔すると、オーナー自らがレーザーポインターで星座や明るい星を指しながら、星の話をしてくれる。望遠鏡は高橋の5インチ屈折、ビクセンのVMCだかなんだか*2の8インチくらいのもの、宮内の100mmフローライト対空双眼鏡などがあり、それぞれ覗かせてくれた。残念ながら空の状態が良くないので、また再訪することとした。
 またしばらく宿でゴロゴロしていたが、空の状況が良くなったみたいなので、再度うかがった。果たして空は晴れ間が広がり、天の川が頭上を過ぎっている。こんなにくっきりした天の川を見たのは、生まれて初めてだ。『まだ雲が残っているでしょう』といわれても、よくよく見なければ雲が掛かっているなんて分からないくらい、空は暗い。さっき顔を出した時は、いくら空を見上げても星が見えず、おっかしいなあ、目が悪くなったかな、などと心配していたくらいだ。それくらい光害が少ない、暗い空なのだ。
 そんな空なので、星座を結ぶのが大変なくらいに星がうじゃうじゃ見えている。星座の説明をしてもらいながら、M31*3、アルビレオ、すばると見せてもらった。M31は肉眼で見えるくらいだから、望遠鏡では光の塊がはっきり分かる。すばるは星を数えるのが馬鹿らしくなるくらい。望遠鏡の性能差もあるのだろう。CANON18*50IS、せめてワイドビノでいいから持って来ればよかった。
 明日の行程もあるし、また寒くもなってきたので、後ろ髪を引かれつつ就眠。それにしても、この空は病み付きになりそうだ。

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