Strange Days

鹿児島ツアー初日

2007年02月17日(土曜日) 23時55分 天気:雨

 今年の鹿児島ツアー初日は、まず桜島に渡り、去年の復仇を果たす予定になっていた。ところが、きっぱりと降り続く雨に、丸腰で公共交通機関を多用する旅となってしまった。


 遅めの就眠だった割には、爽やかな目覚めだった。ところが、窓の外では雨がパラパラと降り続いている。今日は自転車は無理だろう。急遽、鹿児島市内の観光と予定変更された。
 とりあえず、昨日は良く調べなかったトラベルケースを開け、BD-1の状況を確認する。破損は無いようだ。帰ってきてから、組み立てしないと。
 さて、鹿児島を公共機関で移動することにしたので、乗り合いバスや路面電車を使いたい。そんな時に便利な一日乗車券を、ロビーで600円で購入できる。ここ鴨池から、鹿児島中央駅まで、片道で250円掛かるのだから、1往復半すれば、もう元が取れる計算だ。鹿児島中央発の観光バスにも乗れる。まずはそれを目指すことにする。僕と平野、こば両氏の3名での珍道中だ。三井氏は昼過ぎの合流予定だった。
 近くの鴨池港からは、大隈半島に渡るフェリー便が出ている。
 バス乗り場で、しばらくバスを待ち、まずは鹿児島中央駅まで移動した。市内のあちこちへと、様々なタイプの路面電車が走っている。
 鹿児島中央から、城山に登り、北の方の海岸線まで出て、ぐるりと回ってくる観光バスが運行されている。これにも、一日乗車券で乗車できるのだ。
 観光バスは、市内の主要な観光ポイントを通過しながら、城山へと登る。えらい急な道で、自転車で登るには歯応えがありそうだった。城山からの景観はいいのだろうが、なにせこの雨ゆえに遠くまでは見えない。しかし、雨の割には視界はいいようで、市街地は一望できた。
 1本後の観光バスに乗り、漫然とずっと北の武家庭園まで走り、そこで小休止となる。観光客は、まあちょぼちょぼと。僕たちはそのままバスで市街地まで戻った。
 早めの昼食にと、市内の市場で小さな定食屋に入り、各々注文する。僕は豚しょうが焼き定食だった。豚肉のレベルが高いせいか、値段の割には美味しかった。
 その後、路面電車で天文館通に出る。鹿児島最大の繁華街で、目抜き通りから細めのアーケード街がいくつも延びているのだ。
 ここで、また昼食その2。有名店らしいくろいわというラーメン屋で食す。前回の時にも感じたのだが、鹿児島のラーメンは存外に淡白な味わいだ。あざといくらい濃厚な横浜ラーメンと比較すると、似て非なるものだ。
 ここらで三井氏の合流を検討するのだが、三井氏は到着したものの、夕方から合流しますとのことだった。では夕方まで、水族館と桜島の温泉を楽しむことにしよう。
 その前に珈琲を飲みたいなと思っていたら、ドルフィンポートの近所で気になる店を発見。小さなアーケード街*1の入り口辺りにあった、ショパンという店。これ、どう見ても理容店の作りだよなあ……。
 入ってみて、またびっくり。小さなカウンターとテーブルがあるっきりで、収容人数はカウンターに3、テーブルは1くらいだろうなあ。それくらいに小さな店だった。初老の店主が、ノートPCでのんびりとインターネットアクセスされていたご様子。
 フレンチコーヒーを注文し*2、話をうかがうと、ここはやはり元理容店だという。趣味で喫茶店をやっておられるようだ。店内には、店名どおりにショパンのものらしい四重奏曲が流れ*3、壁面にはCDが数百枚収納されている。8割方ショパンの曲らしい。まるで東京コミックショーの生まれ変わりのようだ*4。たぶん、別に働く必要も無い店主が、暇つぶしと同好の士との語らいの場として営業しているのだろう。ちゃんとモーニングサービスもやっているらしいのが楽しい。
 この存在自体が面白い喫茶店を出て、近所をうろついた。この喫茶店がある屋内商店街、一応は肉屋なども営業しており、ボロっちい外見とは裏腹に、それなりに生き延びている様子だ。屋外コインランドリーという、日本でもここにしか無さそうなものまで経営されていたようだ*5
 ドルフィンポートは桜島行きフェリーの発着場になっている。後で桜島に渡るときに利用することにして、まずは鹿児島水族館に入った。ここはかなり大規模な水族館で、入って出迎えてくれる大水槽では、ジンベイザメまでもが回遊していた。これは別に仕切られた区画で飼育中の子供。他にも見所が多く、最後に見たイルカショーは屋内プールで開催されていた。経営効率はいいのだろう。
 ところで、この鹿児島水族館前の水路の辺りに、『マンボウ展示中』という看板が立っている。我々は水路の周りをうろつきながら、マンボウを探したのだが、どうしてもそんなものは居そうに無い。ごみがぷかぷか浮いているようなこの水路に、本当にそんなもの居るのか。鹿児島水族館が仕掛けた壮大なネタでは無いかという疑念は、ついに晴れなかった。
 さて、マンボウに関して釈然としない思いを抱えたまま、桜島へと渡る。フェリー乗り場の近くにあるマグマ温泉で、ゆったりと湯に浸かった。しょっぱい、茶褐色の泉質で、胸から下だけを浸けてのんびり窓の外の眺めを楽しんでいると、やがて全身から汗が噴出すほどにポカポカしてくる。
 鹿児島側に戻り、ついに三井氏との合流を果たし、場所も名前も忘れたが魚料理の店で夕餉となった。いや、むしろ宴会。焼酎の4合瓶が登場し、駆けつけ2杯のビールに続いて、適当に食い物を頼みながらの酒盛りとなった。酒に弱い拙者は結構キたようで、その後の記憶はあやふやだ。しかし、最後に明日の昼食を買って帰ったのは間違いない。
 明日は晴れるらしいという予報を信じ、ホテルへと戻っていった。

Add Comments


____