Strange Days

2004年しまなみ海道ツーリング1日目

2004年04月29日(木曜日) 23時28分 自転車 天気:晴れてるね

しまなみ海道ツーリング初日は、尾道を出て向島へ、ここでアイスキャンデー屋を襲撃。向島から因島にわたり、ここは黙々とパス。続いて生口島に渡って昼食を取り、耕三寺界隈を散策。その後間違えて他の島へと渡ってしまったが、ルートに復帰して今日の宿泊地のある大三島へ。しかしここからが冒険の始まりだった。


 朝5:00過ぎに起床。身支度して家を出る。母と顔を合わせるタイミングがなかったな。
 呉駅で輪行準備をして、尾道駅まで鈍行でのんびり移動した。というか、この時間帯は鈍行しかない。
 尾道駅着は8:30前。駅前に出ると、既にメンバーの全てが集まっていた。参加者はおのひろき氏、にち氏、hai氏、こぐ氏とあゆ子女史の夫妻、マモル氏、みはる女史、今日だけ参加のいまむら氏、そして僕の9名だ。各自の身支度をして、出発前に記念写真を撮った。おの氏がなんと三脚(カーボン製の軽量な奴)を持っていたので、集合写真を撮るのが非常に楽だった。僕も今使ってるハクバの重い奴は持ち運びに不便なので、カーボン製の軽いのを欲しがっていたところだったのだ。買う気になった。
 まずは尾道駅近くのしまなみ交流館に足を運び、道中必要になるサイクリングマップをゲットした。そして渡船に乗り込んだ。さすがにGWということか、我々以外にもいくらかのサイクリストが乗り込んで来た。狭い海峡を渡り、向島に上陸する。
 過去、向島はひたすら走り続け、渡ってしまうだけの場所だったが、今回は立ち寄る場所を設けていた。それは、花月というアイスキャンデー屋。昔懐かしいアイスキャンデーが、一本90円というリーズナブルな値段で味わえるのだ。俺的にはいい場所だったが、案内したメンバーにはかなり不評だったのが残念。まだ暑い盛りではなかったからな。
 因島大橋へと走る途中、向島大橋を望む道端でパチリ。みんな元気です。
 因島大橋へのアプローチを登りきり、相変わらず面白みのない鳥籠のような自転車道を通って、因島へと上陸した。因島側のアプローチを降りきったところにある公園でトイレ休憩。謎の恐竜像が立っていたが、何者?
 因島は黙々と走りきる。『鉄工団地』だの『リサイクルセンター』だのといったバス停の散在する、島嶼部というよりは地方都市の眺めという方がぴったりの風景の中を走り、やがて生口橋へとたどり着く。アプローチの途中にある展望台で一休みしてから、橋へと登っていった。今回、一番心配されたのが、ノーマルトレンクルで参加したみはる女史だった。果たして登りきれるのだろうか、などという心配をよそに、体育会系の強みを生かし、ガシガシ登って行く。もっとも、シングルギアのトレンクルでは、ガシガシ登る他に選択肢はないのだが。
 生口島に上陸し、休憩所で一休みしながら、昼食場所の耕三寺界隈へと走っていった。途中、まだ耕三寺には遠い場所で"ドルチェ"というアイス屋が見え、エッと思った。というのは、この店には寄るつもりで、事前に場所を調べてあったのだが、それは耕三寺に近い海寄りの場所だと記憶していたからだ。後で調べたら、僕の記憶違いだった。危ない危ない。昼食後は、この本店でアイスするつもりだったのだ。しかし、ドルチェの支店が耕三寺前にもあり、そちらに立ち寄ることで問題は顕在化しなかった。
 自転車を以前と同じくひろぎん前に止め(ごめん>ひろぎん)、耕三寺前の商店街を散策する。これという見ものも無く、昼食は僕が前に立ち寄った万作の並びにある店で取った。メンバーには好評だったようだが、店内はあまりにやかましすぎ、ちっとも落ち着いていられなかったので、僕一人なら二度と来ないだろう。しかし、ここで食べた穴子定食は美味だった。
 昼食後は、前出のドルチェ耕三寺前店でアイス。レモンアイスを試したが、柑橘系のさわやかな後味がよかった。
 アイスで口をさっぱりさせた後は、今夜の宿泊地の大島を目指して走り続ける。のだが、ここで方位を混乱させた僕が道をロストしてしまい、とんでもない方向にメンバーを連れていってしまった。えらい急な坂があったので登っていったところ、明らかに多々羅大橋ではない橋に出てしまったのだ。隣の高根島に渡る高根大橋に出てしまったのだ。とほほ。ま、行きがけの駄賃ということで、とりあえず渡るだけ渡っておいた。
 思わぬ激坂はあったものの、気分よく生口島東岸を走り、やがてサンセットビーチという場所で休憩となった。休憩を宣言した僕自身は5分ほどで走り出すつもりだったが、みんな浜辺に行って帰ってこない。後のスケジュールのことを考えて、胃が痛くなりそうだが、ここはぐっとこらえ、僕ものんびりと待つことにした。こぐ氏や一部のメンバーはごろ寝していたようだが、僕は自転車番をしているのでそう言うわけにもいかない。
 サンセットビーチを出ると、いよいよ本日最後の橋、多々羅大橋へと到る。しまなみ海道中、もっとも美しいと思う橋だ。迫力では来島海峡大橋に負けるが、佇まいの美しさは上だろう。この時点で16:00。この時点で最後の島に渡ったということもあり、みんな一仕事終わった気分だった。後は宿まで走るだけ、と。そんな腑抜けた我々を、坂の神様が見逃すはずもなかった。
 多々羅大橋を渡りきると、多々羅しまなみ公園が待っている。ここでアイス休憩。むらさき芋アイスを食した。ほんのりした甘味が、疲労を癒してくれる。
 ここでちょっとしたイベントがあった。ちょうど走り出そうと駐車場に集まっていたところ、一台のSatRDayがすーっと走り込んで来たのだ。まさかこんなところで他のSatRDayに会おうとは。SatRDayのおの、にち両氏はもちろん、BikeFriday仲間のマモル、いまむら両氏も声をかけていた。飛行機輪行でやってきて、キャンプしながら走っている川崎市の男性だった。ごく近所なので、見かけたことがあるかもしれない、などとおの氏らと話していたようだ。
 その男性と別れ、さらにいまむら氏とも別れて、今日の宿へと向かった。いまむら氏は大島の親族の家に向かうのだとか。
 さて、その最後の宿は、大三島の南東部、ここからは一番遠い場所にある。時刻は17:00を過ぎていたが、この時点ではみんなまだまだ元気だった。そう、この時点では。
 上浦の役場辺りから、大山祇神社へと抜ける道を乗り越えていった。それなりのアップダウンはあったが、まあ覚悟のうちであり、難なく島の東岸へと抜けた。そこからは、概ね海沿いの道であり、アップダウンは無いはずだった。僕の脳内情報に依れば。ところが、ここからが艱難辛苦の始まりだった。意外なくらいアップダウンが続く。道はいいのだが、先行きが見えないこともあり、メンバーに疲労が積もって行く。特にシングルギアでアップダウンをこなさねばならないみはる女史のそれは濃いようだ。とはいえ、翌日の悪戦苦闘を思えば、まだなんということもなかったのではあるが……。
 一山越えて、『もう坂は無いと思いますよ』という僕の二枚舌発言にみんなホッとしたところに、また一山の攻撃が続く。本人は嘘をつくつもりは無いのだが、とにかくみんなを引っ張って行かねばならないので、つい希望的観測を述べてしまうのである。しかし今日の嘘など、翌日のそれに較べれば(略)。
 やがて、ついに今夜の宿へと到着した。しかし、明日は今来た道を登り返さねばならないのだな。
 宿は、大三島ふるさと憩いの家という町営の施設だった。古い小学校の木造校舎を改築したもので、意外に設備は良く(最近改装したばかりだったようだ)、かつレトロな雰囲気が、波の音以外なにも聞こえないこの場所にふさわしい。
 夕食は食堂で取るのだが、意外に豪勢な物だった。そりゃ料亭でのコースに較べればしょぼく映るが、実質を重んじたメニューであり、満足度は高い。3500円でこの内容というのは、お得感が強い。うん、ここは、単独行の場合でも泊まりたい場所だ。
 食事後、翌日のコースを検討するミーティングを開いた。議題になったのは、大三島をどう走り抜けるかだった。今日来た道を恐れるあまり、南岸の未踏コースを取るという案も出された。しかし、結局はリスクを重んじて、今日来たコースを戻ることになった。しかし、本当の恐怖がその後の旅程に待っているなど、その時の我々には全く考えつかなかった。
 おの氏は夜3:00くらいに起き、それから接近中の肉眼彗星を写真に撮る(三脚はそのために持って来ていたのだ)という事だった。何人かのメンバーがそれに参加するつもりだったようだが、夜中までぐっすり寝てしまった僕は、見届けることが出来なかった。真夜中、3:00くらい、同室の誰かが点けっぱなしだったテレビがうるさくて、飛び起きて消してしまったのだが、その時には彗星のことなど頭にカケラも残ってなかったので、そのまま寝てしまった。
 ともあれ、しまなみ海道の第1日目は、こうして終わったのであった。

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