Strange Days

TDFを見てます

2007年07月13日(金曜日) 23時55分 自転車 天気:雨です

 Youtubeやニコニコで動画を拾っては見ているのだが、今年は面白い。圧倒的かつ順当に総合優勝を狙える選手が居ないからだ。石にかじりついたらヴィノクロフ、平地で頑張ればラスムッセン、山で頑張ったらクレーデン、もしかして復活のマヨ。ほかは良く分からないという体たらく。開幕前は、なんともしょぼいシーズンになるのではないかと思っていた。
 ところがところが、レース自体は面白いのだ。
 たとえば第3ステージ、ほぼ平坦なステージなのでスプリンターの出番だ。しかしレースは4人の逃げが決まり、それが総合に絡まないからかプロトンの動きも鈍く、このまま逃げ切りかと思われたゴール前1km。市街地に突入した途端、逃げる4人の前に現れたのは石畳だった。これに戸惑ったのか、逃げている4人は、あっという間にプロトンに飲み込まれる。残り500m切った。さあ、スプリンターの出番だ。
 だがしかし、ここで逃げ組吸収の余波でもたついたスプリンターを横目に、横手から飛び出したのはマイヨジョーヌのカンチェラーラの旦那じゃござんせんか。プロローグで激速だったカンチェラーラだが、さすがに300m残しての突撃は、並み居るスプリンターを前に分が悪い。案の定、間もなく飲み込まれるかに見えた。
 しかししかし、カンチェラーラが驚異のロングスプリント。そのままスプリンターたちの前を走り続け、横合いから差される寸前に逃げ切ったのだ。これには大喝采。スプリンター涙目(笑)。
 TTスペシャリストの、しかもマイヨジョーヌを着ているカンチェラーラが、ゴール前落車の危険を冒して、スプリント合戦に参加する意味は、本当ならあんまり無い。しかし、カンチェラーラは総合を狙える選手じゃない。CSCからすれば、カンチェラーラが一日でも長くマイヨジョーヌを着ていることには、大きな意味を感じるはずだ。というわけで、無意味というわけではないのだろう。しかし爆発的な瞬発力に特化したスプリンターに、定常的な高出力を追及したTTスペシャリストが敵うとは思えないので、これはやはり異常事態といえるんじゃないかな。逃げ組吸収のもたつきが無ければ、順当にスプリンターたちが差していたかもしれない。しかし、これがあるからレースは面白い。
 アルプスまではコロコロとマイヨジョーヌが入れ替わるかと思っていたが、これでしばらくはカンチェラーラが着ることになるだろう。


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