Strange Days

NHKスペシャル「狂牛病・感染は何故拡大したのか」

2001年09月16日(日曜日) 23時16分 テレビ

 今日のNHKスペシャルは狂牛病の話題。長い間人事だと思っていた。これは欧州での災禍であり、日本は無関係だ。それに牛の病気なので、人間は無関係だ。そう思っていた。ところが近年、狂牛病と同様の症状の患者が次々に現れ始め、人間にも感染する事が明らかになってきた。さらに、つい先日には、国内でも狂牛病同様の症状を現した牛が発見された。いつの間にか、僕らの足元に忍び寄っていたらしい。
 狂牛病がプリオンというたんぱく質に深い関連があるということは分かっている。通常、プリオンは細胞内でごく当たり前に製造されるたんぱく質の一種だ。ところが、形状の異なる異常プリオンが現れると、この異常プリオンが周囲の正常なプリオンも異常プリオンに変えてしまい、最終的にはその細胞は死んでしまう。それが脳の神経細胞に多量に発生した結果、痴呆状態になり、狂牛病の症状を現すことになる。
 異常プリオンは高熱でもなかなか分解しない。それが今回の拡散の一因となった。死んだ家畜や屑肉は高熱で処理され、肉骨粉という飼料に変えられる。これを摂取した牛は、そこに含まれている異常プリオンのために狂牛病に罹ってしまうのだ。また潜伏期間が8年程度と長いのも厄介な点だ。
 この肉骨粉が日本にも輸入されたのではないかという疑いが持たれている。イギリス側の資料には、日本に数百トンの肉骨粉が輸出されたとある。ところが、農水省は「輸入はしていない」と言い切っている。この齟齬はどこから来ているのか、不思議だ。
 しかし、先週に入って、日本で狂牛病様の牛が発見されたわけで、肉骨粉が入ってきていたのはほぼ確実に思える。農水省の能力がその程度のものということなのだろうか。一体、日本の官僚は、どこまで落ちぶれてしまったのか。
 しかし、狂牛病が日本に侵入してきたということは、普通に暮らす僕のような個人にもその脅威が及ぶ可能性があるということだ。しばらく、肉食は控えようか。


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