昨日の雨のお詫びの如き青空の下、近年忘れていた本当の秋を堪能してきたのだった。
季節外れの台風は去った。かなり荒れたようで、風も随分吹いたようだ。山道を走れそうではあるが、落ち葉を踏んでのパンクが心配である。とはいえ、台風は大気の霞みも拉致していったようで、素晴らしく澄んだ青空が広がっている。
期待にわくわくしつつ、朝食後に出発準備をする。
EPICもやっと出番だ。
まずはツムットの裏山を徘徊する。駒止湿原方面に抜けるようだ。やっとEPICにMTBらしいことをさせてやれる。
雨の翌日なので、スリッピーな路面に緊張したが、案外に楽に乗りこなせた。やはりフルサスのEPICは、リジッドよりは楽に走れる。苦手なオフロードも、自転車を信用して、ある程度自転車任せにすれば、それほど苦痛でもなかった。いやいや、むしろ楽しかった。それと、ビンディングを止めたおかげで、こけた時に対する緊張感がまるで必要なかったのも大きい。立ち止まれば、森は
こんな紅葉で迎えてくれる。素晴らしい。
山道は、少しガレた道あり、落ち葉放題の泥道ありで、なかなか楽しませてくれた。ふと頭上を見ると、
紅葉の進んだ赤い葉と、黄緑の葉、紅葉してない緑の上に、真っ青な空が見えた。
何度か隊列を確認するために停止集合しながら、前へと進んだ。前後を車が進む。スクーターでも走れそうな路面状況なので、本当に初心者向けの道なのだろう。ブレーキシューを換えたおかげで止まりやすいこともあり、気楽に走って行けた。こんな
紅葉のトンネルの中を走って行くのは、時を忘れるほど楽しい。
森の色はバラエティに富んでいて、
赤、緑の他、黄色、茶色、ねずみ色などが渾然一体となっていた。
ウェットな路面を走っている割に、案外に汚れないものだ。と思っていたが、森を抜け切る前にやられた。下りに掛かり、スピードを出しやすくなって、泥撥ねが増えたのだ。EPIC泥だらけ。まあ、勲章と思おう。
これからオンロードに入る。短いがきつい登りを越えると、少し走って農産物販売所に掛かった。なんでも10月末で閉鎖されるとか。ここで冷やしトマトや林檎を食した記憶がよみがえる。
さて、今日の後半戦は駒止峠越えだ。何度も越えた峠なので、僕自身は気楽に登って行った。念のためにポンプを借りて、3気圧まで下げていたタイヤの空気圧を、5弱まで上げておいた。これで多少は軽く走れるようになった。
峠の全長が分かっているので、マイペースで登ってゆく。先週の偵察時には、まだまだ紅葉の兆ししかなかったようだ。
1週間後にはこの状態。この週に気温が下がる日が続いた結果だそうな。
駒止湿原への分岐で、一度集合する。駒止湿原口駐車場にあるトイレに行っておいた。かつての茶屋は消え、その前にあった湧き水のみがあった。冷たい水に喉を潤した。
末尾までの到着を確認後、駒止峠までの短い登りを登りきった。ここは、あまり景色がよろしくない。ここでも全員の消息を確かめ、それから下りに掛かる。おなかが空いていたが、下りきると食事との事だった。
路面に落ち葉が張り付き、しかも水に塗れているので、とても滑りやすい路面状況だった。ブロックタイヤのグリップ力を信じつつも、カーブでは大減速して、慎重に下って行った。それでも、先のオフロードも含め、かなりの転倒者が出た模様だ。しかし、いずれも大事無かった。
下って行きつつも、見所は多い。何度も見晴らしのいいポイントで足を止めた。遠くまで紅葉した山肌が続くポイントでは、皆しばらくカメラを働かせるのに忙しかった。
一際、歓声を浴びたポイントがこれ。ヘアピンカーブの辺りに鮮やかな紅葉が突き出していて、上下から眺めることが出来るのだ。
下から見ると、青空の青まで入って、まさに絶品。
下りきった辺りで、集合してお弁当タイムになった。すっかりハンガーノック寸前だったので、幕の内弁当といえど甘露甘露であった。お弁当自体が美味しかったけどな。
ちょうど田んぼの畦に腰掛け、周囲の絶景を眺めつつ昼食を食べた。目を脇にやると、自転車が車道を挟む
不思議な風景も。
昼食後は、近くのきらら温泉までのダウンヒルを楽しみ、きらら温泉の駐車場で自転車を輪行状態にする。今日は30kmしか走ってないんだけど、物凄く充実した気分だ。機能走れなかったことなんて、些細なことだ。
温泉で汗を流すと、手配してもらっていたバスで会津田島へと。ここで解散となった。参加者の多くは16:00台の快速か、17:00台の特急で帰っていったが、僕と金戸、中山両氏は、うだうだと旅のことを話しながら、17:37発の快速で浅草に戻り、各自帰宅した。僕が帰りついたのは日付が変わる直前だった。
いやあ、楽しかった。やはりEPICは山道を走ってこその自転車だな。もう少し使ってやりたいのだが。
今年の南会津企画はお終いみたいなのだ。来年の新緑の時期が待ち遠しい。