Strange Days

ホームズ彗星

2007年10月29日(月曜日) 23時55分 星見 天気:透明な夜空

 夜、ワイドビノを手に、住処の通路に出た。噂のホームズ彗星を見てやろうと思った。
 ホームズ彗星は、近日点を過ぎて去りつつある彗星で、今の予想等級は17等星クラスという暗い彗星だ。地球軌道よりもかなり遠宇宙に去っているので、既に尾も無い。ところが、数日前に突然大増光したのだ。2等星級への増光という、実に40万倍もの歴史的大増光だった。ハレー彗星が地球に接近した時でも0等星級だ。いきなり肉眼彗星が出現したものだから、ちょっとした騒ぎになっている。南会津でも、送迎に車を出してくれた風隣舎のおやじさんはもちろん知っていて、かなり興奮気味に話してくれたものだ。
 南会津では拝めなかったが、まだ2等星級のままと言うことなので、見えるはずだ。横浜の空、しかも満月の存在に懸念しつつ、しばらく探した。
 うーん、ペルセウス座自体を見慣れてないので、どの辺かわからないな。でもこの辺ではないかと思える当たりをつけ、今度はCANON 18*50ISを向けてみた。うーん、どの星も当たり前の恒星に見える。この辺りじゃないのか。そう思って、ちょっと近傍を探し始めた途端だった。
 突然、視界に奇妙な天体が移った。ちょうどM22のような球状星団のように、ボヤッとした光の塊が浮かんでいたのだ。視直径は球状星団の比では無い。巨大なものだ。これか、これだな。
 興奮気味に眺めていた。夜の1:00、ほぼ頭上真上、やや北東辺りだ。探すまでも無いくらい、はっきりと見えている。
 双眼鏡では疲れるので、経緯台とBORG100EDを出した。まずはMeadeの24.5mmをつけて探す。探すまでも無い、あっさりと見つかる。センターに入れてから、同じくMeadeの6.7mmUWに換えた。100倍弱の高倍率で見るホームズ彗星は、宇宙の人魂という感じか。なんとも幽玄な天体だった。なんでここまで増光したのだろうね。コアが分裂したのではないかと言われてはいるが。


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