Strange Days

東京上野国立施設群に行ってきた

2007年11月17日(土曜日) 17時06分 科学 天気:晴れ

 みはる女史から誘いを受け、東京上野博物館に行ってきた。
 上野駅公園改札口に9:00ということだったので、6:30に頑張って起きた。
 D70を担いで公園口を出ると、しばらくしてこぐ氏登場。みはる女史、Asako女史、そしてこば氏が出てきた。
 国立博物館前は、開館20分以上前だというのに、100人を越える行列ができている。これは、企画展の大徳川展の入場者だ。我々の主眼は別にあったが、それが終わったら徳川展を見てもいいと思っていた。しかし、この行列は……。
 まずは主眼を見よう。国立博物館で、今VRシアターが開催されている。トッパンが主体になって作ったようで、そのウェブ解説の英語版をみはる女史が担当したのだとか。その縁で見に行くことになったのだ。表慶館エントランスで受け付けてもらい、定刻に史料館にあるVRシアターまで案内される形式だ。
 今の題材は法隆寺から皇室に寄贈された国宝、聖徳太子絵伝。かつては法隆寺の絵殿にあったのだが、痛みが激しかったため、江戸時代に模写したものと差し替えられ、秘蔵されてきたものだ。明治期に入り、廃仏毀釈の余波で仏教勢力が衰退した際に、寺宝の保持を図って皇室に献上するという手段を取ったのだ。もともとは天皇家に関わり深いものであり、またちょうど廃仏毀釈の行き過ぎからの文化財喪失に対する危機感が強まっていた時期であったこともあり、この絵伝の保護は成った。
 シアターは240インチのスクリーン*1を表示部とし、投影される画像をナビゲーターが手許のコントローラーで操ることが出来るものだ。ある程度はリアルタイムに描画しているようだ。どんなプロセッサを使っているのだろうか。
 題材の聖徳太子絵伝は、聖徳太子の生涯を、10面の屏風に描いたもの。いや、元は壁画だったのだろうか。ともあれ、それだけの広さに、太子の一生が60あまりのエピソードとして書き上げられている。しかし、それらは時系列とは無関係にちりばめられているので、それらのエピソードに明るくない者には、そもそもどういう順番なのかが分からない。
 それにしても、画像の緻密さには参った。実物の質感を想像させるに十分なものだ。
 終了後、実物を閲覧できる、法隆寺宝物館に入った。絵伝は年に1ヶ月しか公開されないらしい。館内の陳列物は、寺のものなので古い時代の仏像がやたら多い。
 実物の絵伝は、やはり痛みが激しく、何が描いてあったのか分かりにくい部分が多い。特に左端2枚は激しい。場所的なものなのか、8枚目までは修復が試みられた結果なのか。
 1Fにレストランがあったので、まだ少し早いが昼食を取った。社食の230円うどんでよしとしている拙者には、大層ハイソでお高い食事だった。たまにはよし。
 博物館の庭の大樹も、そろそろ秋色に染まりきっている。
 国立博物館を出て、次に国立科学博物館に入ることにした。大ロボット博を見ようというのだ。と、その前に。ちょうど『もやしもん』に絡めての講演があるということで、急遽立ち見することになった。もやしもんは『醸すぞ!』だけ知ってた。この漫画に絡めて、身近なカビに関する話をするという趣向で、担当した学芸員氏も「こんなに集まるとは思わなかった」という盛況だった。
 大ロボット博の方は、ガンダム、ガンダム、Asimoという感じ。会場に入ると、まずはずらりと並んだガンプラがお出迎え。ジオングにちゃんと足が生えていて、「おかしい、飾りのはずじゃなかったのか!」と唸るのがお約束となっていた*2
 1Fはステージと、会場を取り囲むようにして各種ロボットが並んでいる。ステージ後方には、こんな禍々しいものが立ちはだかっている。押井守の名も見えるので、その線なのか。こんな怖いものが待ち受けている未来なんてイヤン。しかし異空間の演出としてはナイス。
 会場には、もちろんヒトガタのロボットが多かった。しかし造型にひきつけられたのはこの車両。この流線型ぶりはコキブリ様を想起させる。えーっと、なんの用途に使うんだっけ。説明文を読み忘れました。
 なんだかコワイで賞は、この作品だ! 造型もそうだが、色合い、質感、すべてヤバイ。夜道にこんなものと行き会ったら泣いちゃうと思う。社交ダンスのお相手をしてくれるのだとか。ステップの都合上、ちょうど足の部分が空洞になっている。
 2FはAsimo特集だった。入ってすぐの場所に、歴代のAsimo*3が出迎えてくれる。この小型化っぷりは、遠近法だけじゃない。
 ステージでは30分ほどのAsimo劇が上演されている。近未来の家庭にAsimoが入ったという設定のお話だ。実物のAsimoを見るのは、実は初めて。望遠で寄って、バシバシ撮ってみた。こういう場合、VR2は非常に頼りになる。
 科学博物館を出て、ここで女性陣とはお別れだ。僕はこば氏、こぐ氏と共に、御徒町に立ち寄ることにした。
 しかし、博物館といい、科学博物館といい、また来たくなる施設だった。


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