昨日、メガネを壊してしまい、また前に使っていたメガネは全く度が合わないので、今日一日は裸眼祭りだった。なにせ、両目とも近視、右など0.1以下のド近眼だ。裸眼だと世界を認識できない。「ああ、だいたいこの辺にシャーペンがあったはずだ」などという量子論の世界に突入してしまう。世界は確固とした個の世界ではなく、それぞれの輪郭があやふやになり、濃度分布によって表される印象派の世界の住民になってしまったのだ。モニターを眺めるのも一苦労だ。10cmくらいまで近づかないと、字を判別できない。
　定時で退け、会社近くのメガネ屋に向かった。ここは安売りチェーン店の系列だったが、対応は概して的確で、また前に作ったメガネのようにきつめの処方をされることも無かった。こちらの要望、近くも遠くもそれなりに見えるように、という声に応え、そんなにきつくは無いが、遠くを見るにも不自由は無い、という度数で組んでくれることになった。やはり、右目の度数は、そんなにきつくは出来ないようだ。出来上がりは明日の夕方だという。
　帰るとき、今日は不自由だろうから、とそこそこ度数の近いめがねを貸してくれた。おかげで地下鉄の線路に落ちることも無く、無事帰宅できた。