Strange Days

今治城へ

2002年04月29日(月曜日) 22時00分 自転車

 少し足を休めた後、バックパックを置いて、再びMR-4Fで出かけた。明日今治市街には寄らず、松山までまっしぐらに走るつもりだったので、今日のうちに今治を見てこようと思い立ったのだ。それと、できれば明日の走路を判断できるような地図も。
 海岸線をひた走り、やがて今治の市街地に到着。さっそく目に付いた本屋に飛び込んで(本当に飛んだわけではない)、地図を漁ったが、ピンと来るものは無い。再び自転車でアーケードを走り、別の本屋の店先にMR-4Fを止めようとしたときだった。ブレーキを掛け、左のクリートをはずして、その左足を着こうとしながら、右のクリートを外そうとする。む、外れない。そちらに注意が集中したせいか、左に傾けていた姿勢が、なぜか右へと傾く。次の瞬間、足を着くにつけない僕は、とっさに隣の自転車のサドルを掴んだが、あえなく派手な音を立てて転倒した。通りすがりの人々が「おおっ?」と振り返るくらいだ。かっこ悪いことおびただしい。実は、なんだか右のクリートが外れにくいなあと思っていたところだったのだ。幸い、怪我は無かったので、すばやく飛び起き、なんでもない顔をして地図を漁り(やはりこれというものは無い)、そそくさと退散した。
 今治城を目指しながら、右クリートのリリース具合を確認した。なんだか、片面はまあまあ外れやすいのだが、もう片面がすこぶる外しにくい。どうしたことだ。クリートがずれたのかもしれない。
 今治城にたどり着くと、なんと城中をブルドーザーが掘り返している。改築中らしい。風情もなにも無い。入るのはあきらめ、堀の側でクリートの再調整をした。どうも、クリートが外に傾きすぎていて、外にひねって外すときに、より大きな角度でひねらなければならなくなっているようだ。試行錯誤しつつ、ある程度内側に傾けてやると、まあかなりましになった。それでも不安はあるのだが。しかし、外れやすい方の面を使う限り、実用上は問題ない。
 試行錯誤に30分以上かけたので、そろそろ日暮れ時が近づいてきた。宿に帰ろう。
 再び海岸線を走ること15分、造船所の横の上りに差し掛かった。さあ、これを押さないで上れるか。ひーこらいいながらも、(ちょっと休んだりしたが)なんとかその急坂を登りきることに成功。をを、なんとなく成長した気分(笑)。
 宿に帰り、ちょっと横になり、7:30に予約しておいた夕食をとる。3000円のコースを予約しておいた。やはり魚介類がメインだ。鯛の兜煮、お造り、汁物、付け合せ、そして釜飯というところ。まあ、こんなものか。これに生ビールがついてきたのが嬉しい(笑)。
 部屋に戻ると、NHKで樹海の特集番組をやっていた。ミジンコ研究家として名高い同郷のミュージシャン、坂田明閣下が先導しておられる。いいなあ、微小生物の世界。そうだ、ニコンのファーブル・ミニを買おう。
 一風呂浴び、部屋の窓を開けてバルコニーに出ると、たくさんの警告灯を明滅させた来島海峡大橋と、暗く横たわる来島海峡が広がっていた。改めて、あれを渡ってきたのだという感慨にふけりながら、長い一日が終わった。


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