Strange Days

冬のしまなみ海道-1

2008年01月03日(木曜日) 23時28分 自転車 天気:くもり時々晴れやら雨やら

 さて、ネタとして走っておかねばと思っていた、冬のしまなみ海道に出動だ。
 呉6:20発岡山行きに乗るべく、朝は5:30に起床。駅まで走り、MR-4Fを畳む。
 コンビニで買った朝食をとりつつ、8:20前には尾道に着いた。乗換えが無いと楽だな。
 こんな日に走る物好きも居まいと思いきや、駅前で輪行解除している集団と早速遭遇した。その後も結構な数のサイクリストと遭遇した。走り初めという向きも多かったのだろう。
 寒くてやりきれないかと思いきや、案外に気温が高くて助かる。駅前渡船で向島に渡り、いつものように島を南下して、南側から橋に向かった。空には雲が少し多く、海に群れる漁船に光と影を投げかけていた。やがて因島大橋が見えてきた。
 因島は淡々と走り抜ける。いまいち面白みにかけるのは、島風情を感じられないからだろうか。なんとなく、ふつうの地方都市を巡っている感じで。それでも、こんな妙なものも見かける
 生口橋に着いたのは、まだ11:00前だった。むしろ10:30くらい。このペースなら、昼時に大山祇神社に着きそうだ。昼食はいつもの耕三寺界隈ではなくて、大山祇神社付近で取ることにしよう。じっくり参拝する時間を取れそうだ。
 生口島はあっさりと走り抜けるが、途中でドルチェの本店に立ち寄った。さすがにハンガーノックになりそうだ。朝食をあまりしっかりと取ってなかったのでな。塩ジェラードをアイスぜんざいでいただく。冬場はこれだな。
 多々羅大橋の袂で記念撮影。ヒンジ部を交換して剛性の上がった*1MR-4Fは、乗り味がどっしりしてどこまでも走ってゆけそうだ。
 多々羅大橋を渡りきり、大山祇神社に向かう。今回はサイクリングロードを走ってみた。車のプレッシャーを感じない分、気が楽ではある。しかしくねくねと曲がりくねりながら峠を越えてゆくので、いまいち爽快感の欠ける。
 大山祇神社には、ちょうど12:00頃に到着した。まずは腹ごしらえ。神社の隣にある瀬戸内茶屋で、うどんと鯛めしのセットを頼んだ。初詣客が多いのだろう、超満員だった。しばらく入店を待つ。うどんは普通だが、鯛めしがダメダメ。飯と鯛を別に炊いて、載せてあるだけだ。
 とりあえず腹を満たし、大山祇神社境内に足を踏み入れた。結構な人出だ。ここにも出店が出るんだね。
 宝物館にも足を運ぶ。いつもは時間が無くてさっと通り過ぎるだけだったので、今日は舐めるように見る。国宝の大太刀二振りの美しさに打たれる。破綻が無い。刀身が反りすぎているのと、肉抜きが過ぎて強度不足の観もあるが、そういう実用面を無視したような、思い切った造型が素晴らしい。職業工芸家が変な考え込まないで素直に作ったように感じた。こんなものを800年前に作っていた日本人は、なかなかどうして大した連中ではないだろうか。
 奥の国宝館にも入ったが、こっちは名前に反して国宝の陳列が無い。
 海事博物館も訪なう。生物、鉱物、工業製品と、なんとも節操の無い陳列物のカオスっぷりが、いっそのこと清々しくさえ感じる。大三島の隠れた名所である。
 大三島橋へと向かう途中、多々羅大橋を、あまり見ないアングルから激写。ふと近くに掛かっていた札を読むと、平山画伯がスケッチしたポイントが、まさにここらしい。ふふふ、さすがは俺が見込んだポイントだけのことはある。
 大三島橋を渡る。橋そのものの美しさは多々羅大橋に及ぶものではないが、立地の素晴らしさはここに勝るものは無い。
 大三島、伯方島と、いつも立ち寄る道の駅をスルーし、先を急ぐ。なんとなく、嫌な予感があった。大三島橋へのアプローチで、さっと一雨あった形跡があったのだ。おおむね晴れるという予報だが、にわか雨があるかもしれない。実際、空にはまた雲が増えてきた。
 大島を縦断するルートは、ひたすら風との戦いだった。ほぼ向かい風の中を、淡々と走ってゆく。まあ足が止まることは無いだろうが、きついといえばきつい。
 先を急いだのは、糸山展望台からの夕景を撮りたかったからだ。しかし、来島海峡大橋手前の展望台から眺めるに、雲が非常に増えている。日没を撮るのは難しそうだ。それ以前に、大気に湿り気を感じてきた。とにかく急ごう。
 来島海峡大橋の上も、当然のように風との戦いだ。夏は日差しとの、冬は風との戦いになる。やはり、しまなみ海道は春と秋に来るべきだ。
 来島海峡大橋の料金箱に、サイクリングチケット50円券最後の4枚を投入したときだった。パラパラと雨が降り始めた。ぅゎぁ、やばい。スピードを上げ、来島海峡大橋のアプローチを駆け下り、糸山展望台には目もくれずにサンライズ糸山に飛び込んだ。肩の辺りは多少濡れたが、ひどくなる前にチェックインできた。
 部屋でぼんやりしながら、雨が上がるのを待ったが、日が暮れきるまで弱い雨が降り続けた。ようやく雨が上がったのは、薄闇に包まれる時間だった。夕景を撮れなかったが、仕方ない。またGWに来るからな。
 夕食はサンライズ糸山の食堂でAセットを、以前、Bセットを頼んで食いきれなかったので、今日は抑え目に。これくらいが適正だと思った。客が多いせいか、厨房が不慣れなのか、欠品注文漏れが相次いでいるようで、給仕の人がてんてこ舞いだった。かくいう僕も、天つゆがついてなかった。後でちゃんと出てきたけど。
 夜は夕方の雨が嫌がらせだったかのごとき、なんとも美しい澄んだ夜空が広がった。しかし、冬のしまなみ海道なんて、寒くてつらくて寂しいものだと思いきや、初詣客と重なったこともあって、案外に賑やかな場所だった。


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