Strange Days

房総南端暴風暴走ツーリング

2008年02月23日(土曜日) 22時02分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴&暴風

 三井氏からお誘いを受けた房総半島南部ツーリングに参加してきた。春間近、高山の無い房総半島の旅は、花を巡る穏やかなものになるだろうと期待していた。だが、その春の足音が、恐るべき奴を連れてきてしまったのだった。


 朝は5:30に起床。ささっと朝食を取り、自転車の用意をする。直前までSatRDayを連行するつもりだった。が、やはりチームとして動くマスツーリングで、フロントブームに不安を抱えたSatRDayはためらう。結局、急遽MR-4Fの投入と相成った。結果からいえば、これはまずますの正解だった。
 戸塚まで走り、戸塚から久里浜まで輪行。そして久里浜港まで走り、フェリーを待った。金谷まで往復1700円。自転車込みなので、案外に安い。JR戸塚~久里浜間450円を入れても、2600円で金谷まで自転車込みで往復できることになる。
 金谷に降り立ち、そこからJR内房線1駅分南の保田が集合場所だった。ところが、そこまでの道が非常に危険なもので、道幅が狭いトンネルをダンプがバンバン行き交うので逃げ場が無く、かつて無い危険を感じた。トンネル内に歩道は無い。トンネル外に古い車道が走っていたりするのだが、それも最長のトンネルでは切れていた。また歩道も狭く、結局は危険なトンネルを行くしかない。後の話になるが、帰路を金谷港まで車で送ってもらった時、トンネルの入り口に歩行者/自転車用の押しボタンが設置されていたという指摘を受けた。しかしそんなものがあるなんて想像してなかったし、車に追われて必死だったので気づく余裕も無かった。押したら何が起こるのか興味があるのだが*1。この区間には鋸山の山塊が海まで出張っているので、大きなトンネルを掘るのが難しいらしい。次の機会には、たとえ一駅でも保田まで輪行してしまおうかと思った。保田から南は、かなり快適な道だった。
 さて、とにかく保田まで走ると、三井氏が既に待っていた。やがて広田夫妻、kimrin*2、(た)女史*3、morio氏と集まってきた。今日は7人のチームで、南房総の山中を抜けて南房総フラワーライン南東岸側に出て、そこから白浜近くの宿まで走る計画だった。
 房総半島には高山は無いとはいえ、内陸に向かうと当然アップダウンばかりになる。いきなり坂道の洗礼を受けながら、最初の目的地、大山千枚田に向かう。
 大山千枚田までは峠を一つ越し、さらに傾斜地を上ってゆかねばならない。しかし、その眺望は坂道の苦労に見合ったものがあった。大きな機械を入れられそうに無い田圃が、傾斜地に積みあがっている。田植えの頃、収穫の頃、さぞかし見事な眺めだろう。
 千枚田から下り、追い風を楽しみながら走り、昼食はみんなみの里という物産館的な場所で取った。牛丼がうまい。吉牛には無い気品を感じた*4
 さて、ここからR410に乗るのだが、90度方向転換の結果、激しい横風を受けるようになっていた。首都圏で鉄道を止めまくった強風は、ここでも我々を脅かすのだった。今まで経験したことの無いクラスの激しい横風に、うっかりするとハンドルを取られ、1mほどもよろけてしまうのだ。車が比較的少ない道でよかった。
 R410~県道186と乗り継ぎ、やがて海に出た。外海だ。フラワーラインを下ってゆき、シェークスピア公園でティータイム。みんなケーキセットにするでしょと思いきや、拙者だけ。
 相変わらずの暴風に脅かされつつ、しばし海岸沿いの幹線を走る。車も多く、気を抜けない展開が続く。
 千倉で再び山道に入り、車と風の脅威が緩和された。千倉、畑林道というらしい。道の状態はまあまあだったが、落石や枝が多い。しかし素敵な道だ。しばしば抜けるトンネルの掘割じみた佇まいが素晴らしい。砂岩が多い房総半島は、掘割、トンネルが数多くあり、それらには地層がくっきり見えている。もう一度来たいなあ。でも新道を掘っている様子があり、これらのトンネルもやがては放棄されるのかもしれない。
 プチ山岳戦を楽しんだ後、再び暴風下の海岸線に出た。野島崎で猫をからかう。海に目をやると、どんな伝説のサーファーでも一発遭難間違いなしの三角波が、次から次へと押し寄せている。海岸からは距離を置いたにもかかわらず、我輩のサングラスは塩で真っ白だった。
 死力を振り絞り、白浜フラワーパークを横目に走り続け、相浜にある宿に着いたのは、日没直前のことだった。あい浜御龍閣というその宿、買い取った一軒家を改装したもので、1グループだけをもてなしてくれるというもの。佇まいよく、気兼ねなく落ち着ける宿だ。
 荷物を置いて、海岸線近くまで降り、夕景を撮った。頭上には禍々しい雲がかかり、不思議な景色を作り出していた。この頃、北の方では雪や霙がぱらついたらしい。
 料理は近海で取れた魚をふんだんに使った豪勢なもので、あまり量をこなせない我輩も満ち足りた気分になれたものだ。すぐ隣に厨房があり、レスポンスが速い。
 アルコールに今日の疲労が加わり、日付が変わる前にパタンと寝込んでしまった。明日は風がどうなるか心配しながら。

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