Strange Days

第5回東京・南会津サイクルトレイン2日目

2004年09月26日(日曜日) 22時05分 自転車 天気:もったな……

 まずは朝飯前の朝錬をこなし、あちこちに点在する名水を訪ねつつ、布沢地区に入った。昼食はそこの元小学校で、地元の方々の手料理を味わう、粋な計らい。
 小さな山を越え、下りきった南郷村のホテルが終着地点だった。
 ホテルの温泉で汗を流し、バスで会津田島駅に戻ると、慌しく列車に乗り込む。そして、もう南会津との別れだ。
 帰路では狂乱状態の宴会列車を楽しみつつ、また日常へと帰っていった。


『朝錬しようではないか』ということで、今朝はいきなり5:30起床。ささっと身支度して、自転車を置いてある宿の裏手に回った。山にはまだ霞がかかっている。どうやらほぼ全員が揃ったようだ。kurikin氏の先導で、早速只見湖の周回に走り出した。
 只見湖は田子裏ダムの下流にある細長い湖で、上流の田子裏湖に較べると圧倒的に小さな湖だ。それだけに、朝食前の朝トレには最適といえる。アップダウンないしな。
 概ね舗装路を走り、途中で電力会社が作った展望台に登った。実はこの只見湖、田子裏ダムから落ちた水をもう一度使って、ずっと下流にある只見ダムで水力発電しているものなのだ。さらに上流の奥只見湖と併せ、この辺はダム天国みたいだ。展望台からは、その田子裏ダムが見える。
 橋を渡って対岸を走り、もう一度対岸に渡る橋で記念撮影した。実は二人ほど寝坊でいなかったのだが……。
 宿に戻り、朝食を取ってから、今日の行程に出発だ。とりあえず古い建築物とか、とか見ながら、南郷方面に走る。
 大体、平地を走り、所々の名水を訪ねるという安楽な道行だった。少々ペースは速かったが、ロードバイクにはちょうど良い。あまりに太平楽な気分だったせいか、途中の休憩地点でヘルメットを忘れる始末。気づいた他の参加者の方に持ってきていただいたから良かったものの……。
 今日の昼食は、kurikin氏がなかなか教えてくれなかったシークレットポイントだった。布沢地区にある、廃校された小学校の校舎を使った宿がそうだった。地元の人たちが輪番で給仕してくれるのだそうな。内装はきれいで、ここに泊まるのも悪くないなと思った。今年のしまなみ街道ツーリングで泊まった、大三島ふるさと憩いの家を思い出した。
 まだ準備できてないとかで、しばらくは近くの川に浸かったり、ねず吉氏によるリカンベント布教活動が始まったりして、のんびりと待つ。やがて招き入れられたのは、かつての講堂を使った大広間。板敷きで、ピアノもあったりして、懐かしい気分に浸れる。
 供されたのは、地元で客をもてなす時に搗かれる餅を使った料理だった。納豆餅、あんころ餅、そしてけんちん餅。納豆餅は納豆ダメな僕には食えなかったが、けんちん餅は美味かった。米の産地だからか、ご飯と大体親類の間柄である餅も美味いようだ。けんちん餅はお代わりしてしまったくらいで。
 2Fの畳敷きの部屋でも休めるということで登ってみると、ここもかつての教室を再生した部屋だった。その畳に横たわると、すーっと意識が吸い込まれるようにして、眠りに入ってしまった。あんまり安楽な眠りだったものだから、仕掛けたアラームに起こされても、しばらく寝ぼけてしまい、状況を把握できなかったくらいだ。
 さて、外に出ようと(元)小学校の玄関に出ると……。なんと、雨の真っ最中だった。いつの間に降り出したのだろうか、サドルにも水滴が浮いている。とうとう雨に降られたかと思いつつ合羽を着込んだが、ほどなく上がってしまった。凄い、誰か強力な晴れパワーの持ち主がいるに違いない。
 昼食後は、ちょっとした峠を越える。まずは名水を一つゲット。暇があれば沸かしてコーヒーを入れようと思っていたのだが、今回はとうとう実行に移せなかった。
 その後は坂道が待っている。コース図では二つ越えるはずだなと思いつつ、まずは一つ目の頂上に立った。まだ次もあるぜと身構えていると、いやこれでお終いだよという声が。kurikin氏に確認すると、それが正解だった。ちょっと拍子抜けしつつ、ホッとする一同だった。
 ところで、今回は雨を警戒してD70の代わりにPowershot S1を持ってきたのだが、これは正解だった。一眼デジタルカメラを縮小したようなフォルムは、意外にとり回しが良く、ズームも意外に活躍した。こんなボケ味を出せたりもする。また動画が撮れるのも強い。起動時間とかAF時間とか、カメラとしての性能はD70に対して比較のしようもない。でもそれらの点も及第点をつけられるし、サイズ的に負担にならないので、スナップ写真用としては正解だったと思う。きれいな写真を撮りたいのならD70なんだろうが。
 やがて南郷村のきれいなホテルに到着。ここがDコースの終着点だった。このホテル、春にはすぐ近くにまで来ていたのを思い出した。中の温泉で汗を流し、コーヒー牛乳やら南郷トマトジュースやらで喉を潤す。外に出ると、会津田島へとバスで移動することになっていた。自転車はトラックに積み込み、その後ろをバスが追走して、峠を一つ越えて行く。人力だと大変だが、車だとあっという間だな。
 会津田島駅では、地元の人たちによるもてなしが待っていた。今までこういう試みが無かったので、これはびっくり。客をもてなす際に振舞われる汁物を供される。ちょうど気温が下がり、寒気を感じていたところだったので、この温かい汁物はありがたかった。
 慌しく買い物をして、自転車を積み込む。他のコースだった知り合いと話しているうちに、もう出発の時間だ。16:00に列車は会津田島駅を出発した。地元のサポーターとの別れ。また来ます、と自分の心の中だけで誓う。いや、その前に10月のトレイン・アンド・バイクに来いといわれそうで……。
 列車は、会津高原駅で残りのコースの参加者を吸収し、徐々に盛り上がりつつ南下していった。今回はじめての試みとして、野岩鉄道にまつわるクイズが行われた。行きの車中で問題が出され、帰りに正解が明かされるというもの。上位には商品があった。そしてなんと、僕にも商品が! 当たったのは小さなワイヤロック。ちょうど欲しかったところだったので、これは嬉しい。
 やまアド一派の盛り上がりに付き合っているうちに、列車は浅草へと舞い戻っていった。
 列車を降り、他の参加者たちやスタッフと別れを告げると、行きの経路を逆に帰宅していった。
 今回は雨に降られることを覚悟していたのだが、それが回避されたことだけでもラッキーだったな。来年もちゃんと開かれるように祈っている。

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