Strange Days

三浦半島周回花見偵察

2008年03月29日(土曜日) 19時40分 自転車 ( 自転車散歩 ) , デジタルカメラ , 天気:概ね晴れ

 日本人は桜が好きだ。日本中、津々浦々、北は北海道から南は沖縄まで、桜の無い土地はほとんど思いつかないくらいだ。ただ桜が多いだけではない。日本人は花見も好きだ。桜を見るためにわざわざ遠出するのだ。沖縄に日本最早の花見に出かけるツアーは人気らしい。また桜を追っかけて南から北へと北上する人も後を絶たない。花の時期が1週間しか無い、手入れが大変、花びらが始末に終えない、毛虫多い病気多いと手間ばかりかかる木なのに。なぜに人気がある。既に嫌われ者の杉の木など、いささか嫉妬しているのではないだろうか。人間、惻隠の情を持ちたいものである。だが杉花粉は敵だ。
 それにしても、なんだってこんなに桜が多いのだろう。日本中、津々浦々、ちょっとした公園、街路になら、必ず桜の木が植わっていると断言できる。桜並木なんてのもありふれたものだ。花見が好きだからか。いや、逆に桜が多いから花見が好きなのか。それこそ、自由植樹組合などという秘密組織が、フリーメーソンばりに日本の隅々まで根を張っているのではないだろうか。そして末端の組織員たちが、夜な夜な桜を植えて回っているのではないか。都道府県などという単位ではない、市町村単位でだ。やがて桜の木は杉の木を駆逐して、日本の山々を覆い尽くしてしまうだろう。21世紀の最先端は、桜花粉症で決まりだ。
 凄いな、自由植樹組合。
 いや、日本人は桜が好きだという話だった。
 かくいう僕も同じくで、この時期になると現金にも定時退勤を連発し、会社の帰りに寄り道して、桜の花を愛でるのを楽しみにしている。もちろん、休日には遠出して花見する。今日も遠出したいと思っていた。
 昨日、目が発酵しそうなくらい寝たおかげで、今朝はすっきりとした目覚めだ。朝のうちはなんとなく頭の重さが残っていたが、日が昇るにつれてそれも揮発してゆく。うん、遠出しよう。
 三浦半島に花見がてら出かけることにした。五月旅行も目前だし、鍛錬の意味で自転車での出動だ。でも一番戦闘力のあるMasterXLで出かけるのが、逆に軟弱なところ。漢ならBromptonでしょ!*1
 乗るのは去年末以来と、あまりにも久しぶりだったので、出掛けにいろいろトラブルが発覚する。なんとサイクルコンピュータの電池が切れてる。代わりにGPSを着けて走った。同じように、心拍計も電池切れで持っていけなかった。
 さて、走り始めたのは11:00。大きく一周すると日暮れに間に合わないので、ちょっとショートカットしようと思い、市道環4で六浦に抜けることにした。しかし、時期が時期だけに車の多いこと多いこと。苦労しながら六浦に抜けた。重くてダッシュ力に劣るSatRDayなんかだとめげていたかもしれない。
 六浦からはいつものように淡々と南下して行く。ここまでも、そしてここからも、世は桜々している。それらを愛でつつ、やや強い南風に逆らって走った。
 横須賀市街でいささかハンガーノックの予兆を感じたので、京急横須賀駅前にあるはずのうどん屋を探した。だが見つからない。うろ覚えだったからな。仕方なく、今日のメインディッシュと目している辺りで、コンビニ補給しようと決めた。
 馬堀海岸も淡々と海岸線を走り、やがて観音崎に近づく。この、馬堀海岸を抜けた走水海岸と防衛大学に挟まれた坂道には、両側に桜の並木が続いている名所だ。ここで桜を愛でるのが、今日の目的だった。
 しかしながら、今日は車が多いこと多いこと。自転車ですり抜けるのに苦労する。歩道にも、そして走水海岸にも人が多い。しかし、桜並木は美しい。まもなく満開というところか。
 下った辺りのコンビニで糧食を仕入れた。しかし、観音崎も人が多いだろうと容易に想像できた。じゃあどうするか。とりあえず、ここで油脂分豊富な肉じゃがコロッケなど腹に収め、それで凌ぎつつ久里浜まで走ろう。そしてそこでサンドイッチをつまみ、さらに武山まで走って、また食事にしよう。このように、こまめにつないでゆく作戦を立てた。
 コンビニ前でコロッケをつまみ、ついでにボトルにも補給してから、久里浜に向けて走った。観音崎を抜けたトンネルが、いつものことながらつらい。
 浦賀を経由して久里浜。海岸に抜け、ペリー公園で予定通りの大休止を取った。ずっと風に逆らってきたので、疲労を感じ始めていた。
 久里浜を発ち、次の目的地である武山まで走る。県道26号との合流地点を過ぎたところで、ある店を探し始めた。なにがあるかというと、うどん屋。横須賀市街で店を探したが、そのうどん工房さぬきのチェーン店がこっちにもあるらしいのだ。いや、順番は逆で、ここに気になる店があったので、いろいろ調べていたら、実はかくかくしかじかの店だったと判明したということなのだ。その過程で、もう一店、『さわ』という隠れた名店があることも判明したが、こちらは未訪だ。
 さて、その目をつけていた店に入る。一見すると持ち帰り弁当屋にしか見えないのがあれだが、場所は自衛隊少年工科学校正門前と、実に分かりやすい。店の入り口は、建屋の右手に密かにある。
 入ると、なんだかお茶を飲みながら延々と歓談しているお年寄りの集団が居て、少し戸惑った。花見の帰りだろうか。店主の知り合いにも見え、近所の人たちなのかもしれないと思った。とりあえず席について、冷やしきつねを注文した。麺は腰がかなりあって、しかも冷やしなので歯ごたえ十分だ。だしはちょっと濃く感じた。おきつねさんは可もなく不可もなく。なぜか出汁巻がコロンと載っている。\500なり。うまい。ぶっかけも試してみたかったが、そうすると動けなくなるかもしれないので、店を出た。ちょうど良い食事ポイントが出来た。
 武山にはこの前の関口牧場もあるし、また山科牧場直営のステーキハウスもある。未訪の『さわ』と併せて、それぞれ行ってみようと思う。山科の肉は驚異の値段だがな。
 帰路は境川を北上し、途中で引地川に抜けて千本桜に、そして中山街道経由で海軍道路に立ち寄ろうと思っていた。しかし、この葉山から鎌倉、江ノ島と抜ける道で、渋滞と風に消耗してしまう。境川に入ったのは、既に17:30頃だった。今からだと、日没までに回りきることが出来ない。頑張ったMasterXLを撮って、湘南台の桜を見てから、帰宅した。
 今日の走行距離は100km強。疲労は濃い。こんなんじゃ四国カルストに登れそうに無い。ピンチだ。毎週末、鍛錬のために遠出することに決定だ。起床できたらな。


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