Strange Days
Jump to navigation
伊豆大島オンロードツアー(2日目)
2003年07月06日(日曜日) 00時00分
自転車
天気:雨ですか!
いきなり雨ですか
同室の方の鼾がちと厳しかったのだが......、それでもいつしか寝入って、朝を迎えた。5:00頃、ふと雨音を耳にした気がした。それから6:30に起床すると、見事な雨。昨日の晴れ間さえ見えた天気はなんだったのだ。この急変には惑わされる。
予定では7:00朝食ということだったが、実際には大幅に遅れて7:30過ぎに始まった。この雨にはツアー引率の丹羽氏も、頭を悩ませただろう。
この日は三原山へのヒルクライムが予定されていたのだが、果たして決行されるのだろうか。丹羽氏のスケジュール説明では、これでも決行するつもりのようだ。しかし、天候が天候なので、宿でゴロゴロしていてもいいという。とりあえず、9:00出発が宣言された。
どうしよう。この天気だ。あまり走りたくはない。しかし、ルートだけでも押えておきたい。今度は神奈川支部(だから何の支部なのだ)のメンバーと来たいと思っているのだ。まあ泥除け、Vブレーキ装備のBD-1だから、なんとか走れるでしょう。雨中ヒルクライム参加決定。
荷物をまとめ、大広間に集めておいた。
純粋ヒルクライム
出発時間を前に、宿のガレージに集合する。かなりの雨だから、大事を取ってGPSは置いていった。実はGPSと隣り合わせに置いたサイクルコンピュータが干渉するらしく、GPS作動中はサイクルコンピュータが動作しない。GPSを外すと動作する。GPSを着けている時にはGPSばかり見ているから、別にこれでも構わないのだが。しかしGPSをつけない場合もあるだろうから、外すわけにも行かない。やっぱり、干渉しないように離して取り付けるべきか。
宿で休むのは男性一人、女性二人はサポートカーで登る事になった。
9:00くらいに出発。雨脚は強くは無いが、路面は濡れっぱなしだ。昨日の最後に登ってきた道を下り、島の北西にある三原山登山道路へと向かった。
道は次第に傾斜を強め、だんだんヒルクライムらしくなってくる。登山道路の入り口までは、全員が一団となって進んでいった。登山道路に入ってからは、実質的なフリー走行になる。
登山道路は、それほど厳しい傾斜ではなく、平均5%程度、高度差は500m超というところだ。軽いギアのBD-1なら楽々登って行ける。丹羽氏、ロード隊の山崎、伏見、Tsangの各氏にコバンザメのように張り付いて、一生懸命登っていった。坂に激弱な僕には、大きな試練だ。
雨は霧雨になっている。雨具を着込んでいるので、身体が濡れることはない。だがこの時期のヒルクライムは、放熱が問題になる。ロード隊にくっついて足を回しながら、胃の辺りがもたれるような感覚を抱いた。心拍が上がりすぎている。僕の場合、放熱に失敗すると、こういう症状を呈することが多い。心拍数と相談しながら、少しだけペースを落とすと、Tsang氏を除いたロード隊に引き離されてしまう。なぜかTsang氏とのランデブーが多い昨日今日だ。そのTsang氏にも、途中からとうとう引き離され始めた。現在位置が不明だったので、ここでは踏ん張らないで、心拍数に従った。
あんまり暑いので、霧雨が続いているにも関わらず、雨具の前側を半分だけ解放。これで少し楽になった。が、この霧雨が眼鏡を曇らせて、視界が全然利かない。乳白色の世界で、前方10mまでしか見えない路面を見つめながら、黙々と走る。景色がまったく目に入らないので、ひたすらな、純粋なヒルクライムという感じだった。
ずっと前方にTsang氏が走っている気配があるが、それだけ、時々現れる対向車だけが、僕以外の動くものだった。
と、突然、道端に立っている丹羽氏の姿が目に入った。向こうも、こちらがいきなり霧の中から現れたようなものなので(このBD-1は前後ハブをXT化していることもあり、非常に静かなのだ)、驚いたようだ。この先の道を指示されたついでに、残りの距離を訊ねると、だいたい4kmくらいで、既にかなり登っているという返答だった。少し気合を出した。
ちょっとだけTsang氏に追いついたが、またすぐに遅れて、単独走行になってしまう。傾斜は心持ち緩くなったようだが、それでも登りは続く。ただ九十九折はもう無いようだ。ひたすらまっすぐな道が続く。サポートカーに追い抜かれてからは、完全に一人の道行きになった。
やがて、道は登り一辺倒ではなく、アップダウンするようになってきた。どうやら三原山の外輪山を越えて、カルデラへと降りはじめたようだ。周りの風景が見えないので、現在位置がまったく分からない。
時々現れる対向車に注意しながら、しばらくアップダウンをこなすと、霧の中からサポートカーが現れ、その向こうに、今まさに自転車を停めようとしているTsang氏の姿が見えた。実は少し前を走っていたようだ。
そこはバスの券売所を兼ねた休憩室だった。屋根の下にBD-1を停め、軒下に入ると、やっと全身についた雫を振り落せた。さらに眼鏡も荒っぽく拭く。やっと視界が復活した。
かなり恐怖のダウンヒル
休憩室で一息つくと、暖かいものを飲みたくなった。みやげ物屋の辺りに自販機があるようなので、暖かいものを求めて行ってみた。暖かいコーヒー発見。買おうと思っていたら、ちょうどみやげ物屋に立ち寄っていた、サポートカーを運転していた宿の若大将が、奢ってくれた。ありがたい。全員に暖かな飲み物が行き渡った。
霧で、30m先も見えない展望台に苦笑しながら、後続の到着を待った。昨日元気だった入江氏は、昨日の酒が響いたようで、のんびりとしたヒルクライムになったようだ。
全員が揃い、一服してから、今度はダウンヒルだ。丹羽氏を先頭に、長い下りを楽しむ。この雨の中では恐怖が相半ばして、なかなか怖楽しい下りとなった。こんな時、雨でもよく効くVブレーキはありがたい。車間距離に注意しながら、40km台後半の速度まで出しながら、麓まで一気に下ったのだ。景色がよければ、きっと爽快だったろうな。しかし景色が目に入らない分、走りに集中できていたかもしれない。
さらば、大島よ
昼食は船上で取る予定だったのだが、なぜか出港時間が予定より遅かったため、宿で取ることになる。サンドウィッチ、チリビーンズ、コンソメスープの昼食は、暖かい部屋の中で取ることが出来た。霧雨の、吹きっ晒しのデッキで取るより、こっちの方が疲れないで済む。
食後の後片付けをして、いよいよ宿を後にする。自転車はまとめて別便で運び、人員はマイクロバスで出発する。岡田港まで移動し、乗船時間まではみやげ物屋を巡ってみた。これというものは無く、なぜか大島牛乳なるものを買って飲んでみただけだった。
船に乗り込み、2等船室の自分の席(というか和室風なので領域というべきか)に荷物を置き、待つほども無く出港。さらば、大島。また来る日まで。
帰路では、例によって酒盛りしたり、寝てしまったりしながら過ごした。と、突然アナウンスが入った。曰く、『本船の左に潜水艦が見えます』。カメラを手にデッキに出ると、左前方から浮上航走中の潜水艦が見えた。形状から海自のティアドロップ型シリーズと思われる。艦番号表記が無いから現役艦だろう。潜航蛇上に人影が見えた。
その後、横になってウトウトしているうちに、間もなく入港とアナウンスがあった。荷物を手にデッキに上がると、竹芝桟橋はすぐそこだった。
いろいろ壊れてました
BD-1を転がして船を下り、外の広場で解散とあいなった。ああ、今回も面白かったな。天気に恵まれなかったのは残念だが、次回への楽しみも出来た(ってもう参加する気満々ですか?)。
帰りは品川まで自走するつもりで走り出した。走りながら、どこかがガチガチ音を立てているのが気になった。駆動系をチェックしたが、別段不調ではない。ではこの音はどこから......。ふと気づいた。セキサイダーがぐらぐらではないか。なんと、セキサイダーの固定ボルトがことごとく外れ、左後方の一本だけで止まっている状況ではないか。右後方のものはともかく(ボルトがスプロケットに干渉しそうなので、わざと浅く差していたのだ)、折り畳んだ時のフレーム受け用ゴム台と共締めした2本まで無くなったのには驚いた。なんでこんなことになるんだろう。ともあれ、フレームからずれて転がしにくくなるセキサイダーを労わりながら、なんとか帰り着いた。セキサイダーからは、他に迷走防止用ゴムキャップ(本来前2輪が着いている部分にかぶせている)も無くなっていた。うーん、雨が入って抜けやすくなっていたのか。まあ予備はあるし、手当ての目処もついている。今度はきっちり、外れないように接着してしまおうと思う。
Add Comments