Strange Days

BD-1の欠点

2008年09月03日(水曜日) 14時32分 自転車 天気:晴れてるぞ

 気がつくと、知人にBD-1乗りがほとんど居なくなってしまった。最初から少なかったんじゃなくて、最初はみんな持っていたのに、気がつくと圧倒的少数派になってしまったという印象だ。出発点がBD-1乗りの仲良しクラブだったからというのはあるにせよ、ここに至った理由はあるはずだ。一人二人なら置き場所がとか懐が寂しくてとか、自転車以外の理由も考えられるが、これだけ多数だと自転車自体に理由を求めざるを得ないな*1
 BD-1の欠点ならいくつも思いつく。まず直進性の低さ。これはBD-1乗りがハンドルバーを切り詰めたがるからというのが大きいのだが、切り詰めないと折りたたみに支障が出やすいという点は考慮しなければならない。
 高速性能。特に高速維持の困難さが目に付く。これは小径車で加速が楽なために目立ちやすいというのもある。しかしMTBと走っても隊列維持が大変なくらい、その差を感じる。
 重さ。軽量化の道はあるものの、それは他の快適性をことごとく犠牲にする事でしか達成できない。そこそこ快適で、BD-1本来の折り畳んで持ち運ぶコミューターという性能を生かしたいのなら、どうしても11kg台には突入してしまう。全てのオプションを取り払い、シンプルに徹したところで、BD-1本来の輪行性能を生かそうと思えば、輪行袋はどうしたって要る。
 この3点が、BD-1オーナーならば誰もが思い当たる欠点だろう。
 これらをある程度突破することは可能だろうな。しかし、それぞれに別種の快適さを捨てざるを得ない。直進性の低さを補うにはハンドルバーの拡幅が有効だが、それは折り畳み性能を劣化させる。
 高速性能を取るにはステルビオを履かせるだの、全デュラ化するだの、挙句の果てに20インチ化だのが考えられる。しかし、そこまでしたところで、結局はMR-4にも及ぶものではないというのが僕の印象だ。また微妙な調整で成り立っている折り畳み性能を、やはり劣化させる。さらには相当の投資が必要だ。
 軽量化は完全に投資額の問題となる。しかも折り畳み性能を維持しようとすれば、結局は何某かの輪行袋や工具を持たざるを得ない。
 極端な話、金額に目をつぶって、折り畳み性能すら犠牲にしてゆけば、ある程度は高速性能向上、軽量化を達成出来るだろう。でも、そうやって生み出したものは、やたら手間と金の掛かるロードバイクもどきだ。しかも、走行性能に関しても重量に関しても、結局は勝てる見込みは無い。また輪行性能に関しても、Bromptonという決して越えられない壁が存在する。
 結局のところ、BD-1という奴は、なにをさせるにしても中途半端であるというのが結論だ。様々な欠点にそれぞれ解のようなものは用意されているのだが、完全な解決に繋がるものではない。みんな『それなり』にしか改善しないのだ。だから際限なく手間を掛けられるし、趣味性が高い自転車であるとも言える。
 そして『これは趣味だから』と自分を騙せなくなったときに、人はBD-1を捨てるのだろう。より実用性の高い、BikeFridayやBromptonに乗り換えて。
 現役BD-1ユーザだから、どんな悪口でも許されるだろうと傲慢かます、横浜辺境の俺様がお送りしました。


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