一夜明けた2日目。朝も早くに目覚めたものの、布団から出る気になかなかなれなかった。ずっと頭痛が続いていて、朝食もろくに喉を通らない。心配だ。
今日の行程は以下の通りだった。まず大崎下島にある宿を出て、すぐ近くの大長港からフェリーで大崎上島南岸にある明石港に。そこから自走で東岸にある木江港に向かい、そこで高速船で大三島は宮浦に渡る。そしてそこからはしまなみ海道ルートに沿ってサンライズ糸山を目指すというものだった。
しかし、頭痛が痛いのだ。こんなことで自転車サイクリングを愉快に楽しめるだろうか。これではまともに走って走行できず、自転車から落ちて落車してしまうかもしれない。
なんてことを朝食時にこぼしていたら、ちゅんちゅん女史が自分のヤクを分けてくれた。こういう場合に人の処方薬をもらうのは禁物だが、そんなことを考えている余裕はなかったのでいただく。クールなのをキメて、カフェインを摂取しておいた。
ともかく、近所の港まで移動し、そこで
フェリーに乗った。船上、客室でしばらくぐったりしていた。
フェリーは明石港に着いた。ここからプチ峠越えの雰囲気で木江に向かうのだ。途中、
奇怪な建造物を発見。ふれあい郷土資料館だそうだ。えーっ、この浮きっぷりはなに?
木江に着いて、
高速船の切符を買う。自転車6台程度ならそのまま載るようだ。ここまでの間で、冷たいのが効いてきたのか、頭痛は嘘のように去っていた。いい傾向だ。
高速船は湖のような凪の瀬戸内を進み、宮浦に到着した。さて、ここからがサイクリング本番だ。
大山祇神社に立ち寄るべく、宮浦からすぐの神社を目指す。参道を行くつもりだったが、先行している人々がそのまま車道に行ってしまったので、僕とこば氏のみが
参道をゆっくり抜けた。雰囲気のある店も多い。酒饅頭がえらい安い店があったので、ここで買っておいて後で配った。
大山祇神社に立ち寄る。既に他の連中は参拝に向かったようだ。僕も用事があったので、ここで境内に入った。というのも、去年末のしまなみ行で買ったお守りを、うっかりその日の宿で捨ててしまっていたのだ。というわけで、祭神に非礼を詫びて、お守りを買いなおした。
道の駅御島で最初のスタンプをもらう。この時に参加賞も一緒にもらえるのだが、既に足りなくなりそうな状況だった。こんなところから走り始める人が結構多いなんて、運営側も考えてなかったようだ。参加賞は謎のストラップとバッジ。バッジなんて今日この日にしか使いそうにない。
大三島縦断は
サイクリングロードを行く。雨の日は御免な道だが、晴れているなら気分がいい。
大三島の反対側に抜け、
多々羅大橋を望む道の駅で休憩。自転車の人が多い。ものすごく多い。去年の五月連休中よりも多いのでは。いい傾向だ。
じゃこ天を補給し、ちょっと切なくなる道を南下、
大三島橋を越える。料金箱の辺りにチェックポイントがあるのだが、
この有様だ。それにしてもロードバイクの多いこと多いこと。
この料金所の手前辺りで、なぜか長岡氏と遭遇してしまう。それも、何故だか何故かレンタサイクルでだ。このまま尾道まで走るらしい。
昼食はさんわで取りたいという希望があったので、さんわまで走ることにした。とはいえ、去年のGWを鑑みるに、物凄く待っているのではないかと懸念していたのだ。ところが、着いてみると案外に人気がない。余裕で2階席をゲットできた。
塩ラーメンとおにぎりのセット、さらにギョーザを頼んだ。今回、人のこく旨塩ラーメンを味見して、その違いが大蒜であることに気づいた。なら普通の塩がいいな。
伯方島を周回する。途中、島の北岸で見かけた
駐輪スタンド。小径車にはちょっと厳しい。また、島の北岸からは
多々羅大橋が望める。
島をぐるりと渡って大三島橋の下を潜り、今度こそ
大島大橋を渡る。今回、久しぶりに大島南岸を行くことにした。5年前の旅の記憶が蘇り、さぞかし苦難の旅になるだろうと覚悟していた。まあ、それなりに乗る人が多いので大丈夫だよね。Bromptonでは不安ということで、こば氏はしまなみ正規ルートを行くと表明。
その正規ルートと、南岸ルートとの分岐点に、大島のスタンプポイントがあった。そこで見かけた
1輪車の人。結構なペースで走っているようだ。ちゅんちゅん女史に拠れば、去年も会ったとか。
さて南岸ルート。最初のうちは家も多くて、普通の海岸道路なのだが、
後半は人里離れたアップダウンの多い道になる。5年前の経験から、2時間以上は費やす覚悟をしていたのだが、案外にあっさりと走破してしまい、1時間半足らずで道の駅に到着してしまった。速かったなあ。ここでこば氏と再合流した。
道の駅から、いよいよ最後の来島海峡大橋へと上り始める。今日は本当に自転車乗りが多い。来島海峡大橋をほぼ渡りきった料金所が、ここでのチェックポイントだった。
途中、馬島に降りてみた。海岸に出て見上げると、
橋脚のマッシヴな姿が。また少し翳ってきた夕陽に、
長大な橋が迫力ある光景を作り出している。橋はいい被写体だ。
さて上に戻り、なんとなく出発準備をしていると、またしても思わぬ出会いがあった。なぜか小径車の集団が続いたのだが、そこに伊能氏が混じっていたのだ。なんでもサイクルハウスしぶや主催のツーリングに参加しているのだとか。それで小径車が続いたわけね。
伊能氏とはサンライズ糸山でも遭った。サンライズ糸山前のロータリーでは、多くの自転車乗り集団が集結中だった。今日一日で走りきった人が多いようだ。やたら目立つ集団は、今治の焼き鳥屋山鳥のジャージを着た集団と、鶴見辰吾主催の自転車クラブのそれだった。山鳥の人とは一昨々年の秋に遭遇したなあ。
荷物を部屋に置いて、糸山展望台に登る。まだ日があったので、明るい写真を撮れた。
巨大な橋を直近で見下ろせる場所は、他にはない。振り返ると、増えてきた雲から一瞬だけ顔を出した
夕陽が見えた。
夕食は大潮荘で取りたかったのだが、ここは予約を受け付けてない。そこで18:00開店直後を襲うと、難なく席を取れた。
煮魚の膳を注文する。料理の演出が行き届いていて、高評価だ。でも後で思うに、味は浜勝と甲乙つけ難かった。瀬戸内の煮魚はおいしい。
宿に戻り、簡単にミーティング。明日は雨なのでどうしようかという話題だった。僕は、ひどい雨なら松山まで出て、フェリーで呉に直帰しようかとさえ考えていたのだが。さすがに、雨の中を長時間走るのは気が重い。