Strange Days

J.G.バラード逝去

2009年04月23日(木曜日) 09時47分 SF 天気:晴れ

 20世紀と未来とを同時に感じさせる作家、バラードが逝ってしまったか。
 俺的には、バラードといえば最近作でも世界シリーズでもなく、短編集だった。特に最初期に編まれた"The Voices of Time"こそが、俺的にはバラードの代表作だった。バラード自身もそう言ってたし。短編では長編に現れる人間ドラマ、悪く言えばメロドラマ分が薄まり、人間関係が単なる相関図にまで圧縮されてしまう。だからこそ、SF作家バラードの旨み成分が、一番濃く感じられるものだったと思う。"音響清掃"なんか、これ以上長かったらメロドラマとして分解されてしまいそうだったもの。
 半村良もバラードも逝ってしまったか。まあ、二人とも死んだふりして、亜空間要塞で人類への逆襲を図っているだけかもしれないけどな、へへ。


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