Strange Days

出雲の国ツーリング二日目

2009年08月18日(火曜日) 22時48分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) , デジタルカメラ 天気:快晴変わらず

 今日は比較的距離を走りそうだ。宍道湖を反時計回りに回り、境港でゲゲゲってから松江に引き返し、観光して帰るつもりだった。しかしこの道行き、かなり険しいものだった。


 朝早めにホテルを出た。出掛け、ホテルの支配人が我がSatRDayに興味を示された。なんでも出雲大社の方でサイクルイベントがあるとか無いとか。フロントのお兄ちゃんは傘立てに繋ぐよう勧めてくれたり、モーターサイクリストの方だがツーリングプランがあったりで、結構自転車乗りに慣れている雰囲気があった。
 さて、今日のルートは、R9をひたすら走り、松江の市街地で大根島方面に乗り換え、中海を超えて境港に、さらに北に向かって中海の北岸を回って松江に戻るという予定だった。一応は美保関に立ち寄りたいという目論見もあったが、この夏の暑さでは。
 R9は宍道湖に至るまでは結構路側帯が広くて快適だった。GPSにナビさせていたのだが、途中で何度も山陰高速道に誘導しようとするので参ったりもした。
 宍道湖に入ると、R9の路側帯は細く、また交通量も増えるので、ちょっとつらい道行きになってくる。しかし、この地のドライバーは非常にお行儀が良くて、対向車があって我が輩を抜けない時には、強引に抜きに掛からず、しばらく待ってくれる場合がほとんどだった。首都圏でよく見る不条理なクラクション野郎は1台も無かった。ダンプや商用トラックも多いのにだ。おかげで、つらくはあったが、危険な思いはそれほどせずに済んだ。
 松江の市外に入る。宍道湖の東岸にある松江からは、宍道湖は夕陽スポットだという。夏場に見ていたら遅くなるので、今日は夕陽ハントできないが。
 ここまでは比較的快調な道行きだった。しかし、ここから大根島までの道行きは大変だった。プチ峠をいくつもこなさねばならず、ハンガーノックなりかけの体にはつらかった。松江で11:00だったので、境港には昼頃余裕で着くと思っていたのだが。
 なんとか大根島との間に掛かる道を渡り、大根島の海岸部を走る。ひなびた漁村の風景と、工業団地とが交互に出現する。
 隣の江島に渡り、さていよいよ鳥取県は境港に向かう。橋があるはずだ。でも、さっきから見えているあの禍々しい代物ではないよね。
 これでした。以前あったという橋は撤去され、代わりにこれが架橋されたようだ。一応、歩道はあるのだが。しかし、なんてものを。
 ともあれ、登り始める。すごい眺めだな、オイ。おまけに、なぜか頂上付近で歩道が蛇行している上に、曲がりの内側に小憎らしい突起物まである。この橋の設計者が、よほど自転車のことを知らなかったか、逆にもの凄く憎んでいたかだろう。鳥取なんだか島根なんだか知らないが、このルートを立案した交通当局者の頭は確かだったんだろうか。こんなところ、誰も自転車でなんて上らないだろうが。なんて思いきや、ジモティと思しき女の子たちが上って、平気で下って行くよ。かなりクレージーな下りっぷりだったが、大丈夫だったんだろうか。
 ともあれ、遂に鳥取県に到達した。JR境港駅まで走る。ここから東に延びるのが、水岸ゲル、じゃなくて水木しげるロードだ。駅前で早速妖怪像を発見。えっと、この人は、確か埼玉の戸田さんという方ではなかったか。
 水木しげるロードには、こんな案配で妖怪像がずらりと並んでいる。ちょうど昼時で、しかもなぜか休みの店が多くて、覗く店覗く店がことごとく満杯だ。どこもかしこも、家族連ればかりだ。
 ここでの昼食を諦め、外れの店を探すが、もう面倒なのでコンビニおにぎりで済ませてしまった。気温が上がりすぎだ。
 さて、ここから北に渡るには、あの橋を渡らにゃならんのだろう。やはり自転車を甘やかせてくれない、古い型の橋だった。ひぃひぃいいながら渡る。
 ここからの中海北岸ルートは、道は細めだが交通量が少なく、またアップダウンが少ないので快適に走って行けた。
 対岸から製粉工場、じゃなくて境港を撮る。さらに江島からの猛々しい代物も。
 この先は向かい風ではあったが、向かい風に強いSatRDayだけに気楽な道行きとなった。途中でなぜか交通量が激増したが*1、その分道が新しく、広くなったので、これまた苦労もせずに進める。しかし、途中でこんな看板が出現しても困るのだよな。ちょうどこの辺りは工事中の区画で、しかも交通量が多いので自転車で車道を行くには覚悟が要る辺りだった。幸い、対岸に自転車歩行者用の回り道があったので助かった。
 この先は大過なく、松江市街に。松江城を見る予定だったが、既にバテバテだったので*2、一畑電鉄の松江宍道湖温泉を目指す。この辺りかなという辺りで、なんとなく気になる動きをする自転車の女子学生を発見し、ピンときたのでついて行ったら、案の定かの駅に到着した。ありがとうよ。
 この一畑電鉄、山陰地方最後の私鉄だということだ。経営は苦しいが、丸ごと観光資源みたいな、鉄分の多い人には楽しい会社らしい。僕が目をつけたのは、鉄分に関係なくて、ここの電車には自転車をそのまま乗せられると聞いたからだ。窓口で、人間の運賃とは別に\300払うと、そのまま自転車を持ち込める。手荷物扱いそのままだ。
 さらには、途中の一畑口駅で、なぜだかなぜかスイッチバックをやってのける。別に湖岸にある普通の駅なのだが。どうもここの前後で線路は'人'型に接続されているからのようだ。そして、かつては人型の頂点から先にも路線があったのだ。それが廃止された結果、スイッチバックが必要な使いにくい駅だけが残ったのだろう。なら線形を引き直せよと思うのだが、それは許されないくらいの財政状況なのだろう。今のままでも観光客がきてくれそうだし。実際、一畑口駅ではなんらかのイベント列車があったようで、多数の観光客が屯していた。
 列車はやがて出雲市駅に到着。ホテルに戻るなり、昨日に続いて速攻で沈没する我が輩だった。夏のツーリングは、やはり体力的につらい。
 夜中に起き出し、SatRDayをトラベルケースに収めてから、再びベッドインした。明日は自転車無しで、丸腰輪行の旅になる。

 

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