Strange Days

九州横断ツーリング7日目

2010年05月01日(土曜日) 23時14分 , デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:快晴

 今日は別府まで移動する。輪行すればあっという間だが、走るのも面白そうなコースだ。


 この旅が始まった頃、10日間ともなると何日かは降られるだろうと覚悟していた。ところが、今のところは天草の夜に降られたきりで、走っている時に雨に悩まされずに済んでいる。年初からの、いや去年末からの雨の多さを思うと、まるでそれを取り返すかのような運気だ。
 今日もいい天気だ。阿蘇地方は肌寒いが、国東半島では20℃を超えるらしい。本番時にも好天が続くようで、助かることだ。
 さて、阿蘇から次の目的地の別府までは、豊肥線と日豊本線を乗り継げば一発だ。しかし走ってもいい距離だし、今日は頑張ろうではないかと自分を鼓舞してみた。阿蘇から臼杵まで抜け、そこから輪行することにしよう。
 阿蘇からはR57をしばらく走り、途中でR10、さらにR502を走れば、臼杵に抜けることが出来る。途中の難関といえば、最初に出くわす滝室坂か。阿蘇の外輪山の低い場所を超える坂なのだが、低いとはいえ200m超。重い荷物をつけて登るのはきついかも知れない。しかしYoutubeに投稿されていたこの坂の走行動画を見て、路肩もそれほど狭くはないようだし、無理だったら阿蘇に引き返せばいいだけなので、アタックすることにした。
 R57を東進する。最初は結構交通量があって、この車たちの横を抜けるのは嫌だなと思っていたのだが、いざ滝室坂にかかると、どこに消えたのかぐっと交通量が減る。これならじっくり攻められうぜ。
 傾斜はそれほどにはきつくない。まあ標準的。しかし200mの高低差は、やはり足にそこそこ響いてくるものだ。
 途中に展望ポイントがあり、足を止めては阿蘇の風景を楽しんだ。
 登り切るのには30分程度かかった。その先は笑いが出るほどの快走路となった。なにせほぼ下りに追い風が吹き、漕がなくても30km/h、時には60km/hまで出るのだ。この速度でも、ポケロケはMR-4F改のような不安を感じさせられることはない。どっしり下ってゆく。R57は交通量が少なめで、また路肩も結構広く、車との並走に不安を感じなかった。
 途中、いくつかの道の駅に立ち寄る。この道の駅すごうは、この4月にできたばかりのようだった。
 竹田市街に近づくと、流石に多少のアップダウンが出てくる。が、基本は下りなので、相変わらず快走出来る。しかし他の道路と接合した関係で、交通量がグッと増えてきた。特にトンネルで困る。歩道があるわけでもないからだ。そうやっていくつかのトンネルを超えたところで、いよいよ交通量の多いトンネルに差し掛かった。弱るなあ、と思いつつ近づくと、恐らく旧道と思しき小さなトンネルが、自転車歩行者用に開口しているのがわかった。これは助かる。
 ホッとしたついでに、道の駅で仕入れてあった弁当をぱくついた。ちょうど、真横に豊肥本線が並走しているのだが、その向こうにまた別の石橋がかかっている。これはなんだろう。
 この先もそこそこの交通量の区画が続く。が、大分県央空港の辺りまで来ると、ここまでバイパスが通じているので、そちらに車が流れ、また車の少ない快走路を満喫出来るようになる。いい道だなー。
 R57は犬飼で乗り捨て、一時的にR10に、最終的にR502に乗り換え、臼杵に至った。R10はもとより、R502も新しい高規格道路なので、自転車で走るのに不安は少ない。
 臼杵に至れば、磨崖仏は見るでしょー。国宝だし。ということで、拝観料を払って磨崖仏を見て回った。
 ここの磨崖仏は大きく四つのエリアに分かれていて、それぞれ時代も様式も微妙に異なっている。しかしモチーフとして多いのは大日如来のようだ。
 今はこんな風に風化が進んでいるが、かつてはこのように彩色され、立派な伽藍に収まっていたそうだ。
 この辺りは近くにある満月寺の寺領だったようだ。満月寺は今では小さな寺だが、かつては僧房や伽藍が立ち並んでいたらしい。その寺に残されたお堂を眺めていると、近所の野良猫がノコノコと近づいてきた。
 この近所には睡蓮畑があるというので見に行ったのだが、種蒔きされたばかりで影も形もない。田の神も笑っておられるではないか。
 最後に輪行のために臼杵駅に向かう。この辺もそれなりに面白そうな街だ。この三重塔は九州では数少ない江戸期建立のものだという。江戸期に寺院の建立が減った理由はあるのだろうか?
 輪行で別府に入り、駅近くのホテルにチェックインした。夕食は食べログを参考に湖月というギョーザ屋に向かった。これが分かりにくい場所にある。ヤマザキデイリーストアの対面に通りがあり、その海側によく見ると細い通りがある。その途中にあるのだ。
 湖月はギョーザだけという潔いほどの店で、ちょうど席が空いていたのでギョーザ二人前とビールを頼んだ。ギョーザは小粒だがたいそう美味だった。カリパリ系ではないが、薄い皮と餡のハーモニーが素晴らしく、ビールが進む進む。
 満足して宿に帰り、ふとうたた寝していたら真夜中だった。まあ、明日はほとんどやることがない。

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