Strange Days

一人空耳の変遷についての件

2011年04月14日(木曜日) 21時11分 暮らし 天気:まあいいのかな

 いつからだったろうか、地元のスーパーの野菜売場で、あの歌が流れ始めたのは。
 最初、『ぱーんち、ぱーんち、ぱーんち』と聴こえていた。音がかなり控えめで、サビの部分しか聴こえなかったのだ。僕は『パンチか。野菜となんの関係があるかは知らんが、威勢のいいマーチっぽいアレンジといい、やや暗い世相にはうってつけではないか』などと、密かに評していたものだ。
 今年に入ってしばらくのことだった。件の野菜売場がレイアウトを変え、またかの曲の音量が上がったようだった。すると、サビと前後の部分くらいが耳に残るようになり、実はサビの部分を半テンポずれて認識していたことが判明した。『千葉~千葉~千葉~』と聞こえた。『そうか、千葉農協のテーマソング(?)だったのか。そういえば千葉産の野菜が結構あるな』と納得した僕は、しかし従来通り産地をあまり考えないで野菜を買う生活を続けていた。
 そして今日。久しぶりに早めに退社できた僕は、かの野菜売場を訪った。最近の野菜市況の激動に刺激されたのか、かのテーマソングの音量は一段と上がり、また音源の配置を変えたのか、遙かにクリアに聞こえるようになった。そして遂に、かの謎のテーマソングの全貌が、大体明らかになった。実は『地場~地場~地場~』と歌っていたのだ!*1 そしてサビの直後に『地場野菜♪』と続いていたことも判明。間違いないな。
 しかし、地場野菜の販促ソングだったとは。これの製作主体が謎だ。千葉農協のものなら自明のことだが、これは地場野菜、つまり相対的な位置関係に依存しての販促ソングなのだ。これを横浜で聞くと神奈川農協の販促ソングということになるだろうが、例えば高知で聞くと高知農協の販促ソングという意味合いになるではないか。すると、一体どこの誰が作った。
 穏当な答えは、全国の地域農協が共同で作ったということになろう。あるいは、JAが地場産の販促を狙って作ったのだろうか。しかし、なんとなくしっくり来ない。あるいは、全国地場野菜推進会議みたいな組織が存在して、そこが作ったのかもしれない。
 ともあれ、謎は一部残るものの、概ね推測できる情報を獲得できたので、ややすっきりした。しかし困ったことに。この販促ソング、実に耳に残るのである。おかげで、魚売り場で塩鮭を見繕っている時でも、耳からは暴力的に『地場野菜』が攻め入ってきて、頭ン中を占領しようとするのである。いやはや、困った。


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