Strange Days

高千穂阿蘇ツーリング2011秋4日目

2011年11月26日(土曜日) 23時06分 , デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:晴れ

 4日目の今日は、阿蘇の拾遺に徹する予定だった。すなわち、未踏の外輪山に登り、北阿蘇の平野も巡るのである。しかし、朝一で参加したバスツアーが、その後の行動を大きく変えた。


 予てからの案では、今日は概ね北阿蘇の平地をうろつき、最後に大観峰で夕陽を見てから下ることになっていた。下ると、もう内牧温泉である。まあ高地には登るが、概ね北阿蘇周辺をウロウロして、見落としたものを見てやろうという魂胆であった。
 この日、朝一で雲海バスツアーに参加することになっていた。これは日の出前にそらめぐりん号*1で大観峰に登って、阿蘇名物の雲海を拝もうというものだ。このツアーが、我々の行動を変えた。
 さて、バスは夜明け前の6:15くらいだったかに、宿まで迎えに来てくれる。できるだけ暖かい格好をして乗り込むと、やたらハイテンションのガイドの人*2が迎えてくれた。ちょっと鬱陶しいなあと思っていたのだが、やがてそのテンションが伝染してきたのか、こちらもやけにテンションが上がり始めた。
 さて、バスは大観峰の駐車場に入ったが、残念ながら雲海は見られず*3に終わった。代わりに、なんとも美しい夜明けを拝めたので良しとしよう。夜明けを見るなんて、多分久しぶり……いや、23日の朝にも見たか。
 バスはミルクロードを走って赤水方面に回ってくれる。なにせ、オープントップバスという珍しいシロモノなので、寒いのである。ちゃんとオーバーコートが用意されていたが、風が入る後方の寒さは相当のものだったらしい。見下ろす阿蘇北方は、雲海こそ無かったが、その片鱗くらいは伺わせる、幽玄な朝霧に覆われていた。
 このガイド氏、観光案内所で対外折衝や雑事をこなしているという。そして、この内牧への愛溢れるガイドマップの制作にも携わったという。これを見ると、内牧もなかなか美味しそうな街ではないか。ということで、まずは足元から今日のサイクリングを始めることにした。
 まず、潰れたスーパーの斜向かいにある和小物屋*4を襲う。これが、意外に面白いものを置いているのだ。ヘルメットの下に被る、ちょうどパールイズミからも出ているのと同形態の、アンダーキャップとか。これは人気を集め、僕も色合いの気に入ったものを買った。またカエルのマスコットが、実はド派手に光るのが判明したので、思わず買い。なかなか、油断ならない店だった。
 次に足を止めたのは、オシャレーなケーキ屋さん。ここでは店内で喫茶できるとのことだったが、席が埋まっていたので、たまごケーキを買う。卵を材料に使った、小ぶりなクリームケーキだ。
 次に謎のロールケーキを売る謎のお菓子屋。トマトのロールケーキだとか、漬物のそれだとか、とにかく地物を使ってケーキを作る店なんだとか。実は、阿蘇ホテルの夕食にも、わかめロールケーキという謎の代物*5が出たが、この店から仕入れたのかもしれない。ここでロールケーキ5種を買うと、店主はドーナツを8個もおまけにつけてくれた。これらは、後の野良喫茶に使う。
 次は辛いものだなと、北西に向かった辺りのからあげ屋さんに。鶏唐を買う。ちなみに、件のガイド氏に拠れば、ここは薄味系、外れにあるもう1店はおつまみ系の濃い味だとか。確かに、ご飯向きのちょっと薄味系。美味しいぞ。
 一度、内牧の南方に向かう。幹線道路沿いのスーパーの裏手に、久幸堂という店がある。結構有名店らしい。ここの売りが、このゆず萌えという菓子。萌えか、萌えなのか。まあゆず燃えだとネタっぽいしなあ。この菓子、伊勢の名物赤福餅と同じく3日しかもたないのと、店主が手を広げたくないらしく、県外では手に入らない幻の菓子なんだとか。
 人数分買って店内で開けたら、お茶まで頂いてしまった。いい店だ。
 ゆず萌えは、ちょっともちっとした食感。外皮に黒砂糖を使い、餡も甘い。だから、しつこい甘さになるかと思いきや、ほんの少し入っている柚子ジャムが全てを救っている。これは、美味いぞ! 一口サイズなのも好ましく、下手するといくつでも手が出そう。
 ゆず萌えで糖分補給までこなし、いよいよ宮地方面に向かう。その前に、宮地に向かう一直線の道の途中、温泉街からわずかに外れた辺りに、もう1件のからあげ屋がある。ここは鶏モノしか置いてない肉屋。ここの唐揚げは、確かにおつまみ向けの濃い味。こんな住宅街にあるのに*6、結構客は多そうだった。
 さて、この店の前の道を、道なりに、本当に道なりに淡々と走ってゆくと、最後には宮地に到達する。宮地といい、阿蘇といい、内牧といい、JRの駅からは内牧への棒道がしかれているので、非常に便利だ。
 さてその途中、役犬原辺りに差し掛かると、滔々と水を噴き上げる小噴水と、その前で水を『ゲロォォ、ウヴァオォォォォ』とばかりに吐きまくっている、謎のカエル像とがある。夏にも遭遇した、役犬原の自噴泉だ。水量は豊富で、駐車場に、テーブルにおあつらえ向きの石のオブジェまである。
 さあ、いよいよ野良喫茶だ。僕となぎの女史が、それぞれプリムスのミニバーナーを、小十郎氏がアルコールバーナーを出して、湯を沸かし始める。珈琲をインスタントしか用意しなかったのが痛恨だが、メインはケーキなのでまあいいか。しかし次の機会には、ちゃんとコーヒープレスにミルを用意し、豆から挽いた珈琲を入れたい。代わりに、小十郎氏が用意してくれた抹茶が、アクセントになってくれた。
 さて、まずはメインディッシュ。トマトのロールケーキを含む、5種類のロールケーキが俎上に載せられた。まな板じゃなくて岩だけどな。適当に等分して、それぞれいただく。トマトのロールケーキは、ほんのりトマトの香りと、僅かな酸味がアクセントになっている。いちごのものは、ふつうに美味しい。素朴だが、一工夫のあるロールケーキたちだった。ドーナツは、まあドーナツでした。しかし、カロリー高いだろうな。
 たまごケーキ。中のクリームがとろりと美味しく、お茶請けに最適。つまり、この場にはうってつけだ。
 なんだかんだで、1時間ほども水場にいたんじゃなかろうか。楽しかったな。またやろう。
 そういえば、このツアーにはTikit2台に、Crusoe、Pocket Rocket Proと、Bikefridayが4台も居るのでした。
 再び走り始める。最初は宮地で昼食を、という気持ちになっていたが、溢れるカロリーに、もうイイかなという空気が醸成されてきた。今日は買い食いばかりになりそう。
 宮地に進入し、まずは阿蘇神社を参拝する。銀杏が秋を広く、高らかに宣言しているようだ。
 お参りの後は、参道沿いを散策する。この辺の観光マップに拠れば、ぐるりと戻ってくる形で、水基がいくつもあるという。これもその一つ
 当然、買い食いもするさ。メンチカツ紫蘇サイダー。たのシューたら申すシュークリーム
 水基は、一本東の通りにもある。やや外れているが。そこまでの道で見た、良い感じの金物屋。昭和の香りだ。
 また阿蘇神社に戻った所で、こぐ夫妻とお別れ。夜行で帰るんだとか。鉄ちゃんですね。
 最後に立ち寄ったのが、えらいところにある*7ひばり工房。元々はソーセージ工房を始めたら、色々賞を取ったというところ。併設されているカフェに入り、小腹が空いているのでホットドック珈琲を頼む。今日はここで打ち止め。大観峰にはもう登ったからいいや、という雰囲気が横溢している。
 でも夕陽は見たい。適当に、夕陽ポイントを探して、日没を待った。ちょっと雲が多かったが、秋らしく面白い雲が視界に入ってくれた。
 真っ暗になる前に、ホテルに帰投。ああ、今日も、いやもしかしたら今日が一番、楽しかったなあ。

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