Strange Days

2012GW旅行 高知北部を彷徨う

2012年04月30日(月曜日) 21時46分 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:雨

 3日目。今日は四国カルストを西に下り、内子、大洲を訪ねてから、八幡浜に泊まる予定だった。が、昨日から降り始めた雨が、その予定を狂わせた。


 明け方、雨音を聞きながら目を覚ます。まだ暗い外を覗くと、大粒の雨が降っている。それ以上に危険なのが、濃い霧が出ていることだ。これは、いかんなあ……。タクシー輪行せざるを得ないかもしれない。下りの雨は死ねるからな。
 ともかく、朝は朝食時間ぎりぎりまで寝て、朝食をとってからはG'z Type-X*1で天気情報を集める。しかし、この高所の状況は、下界とは違うだろう。
 8:00を過ぎると、霧はやや薄まった。しかし、相変わらず風が強い。こんな日に、あの五段城の観光道路を通過せにゃならんとは。やはり、タクシー使うかなあ……。
 そう考えて、宿のおっさんと相談する。『もったいない』とおっさんは言い、バス便を調べ始めた。ちょっと下れば、どこかからバス輪行出来るのではないかというのだ。おっさんは、風はちょっと下ったら無くなるはずだという。それで僕も考えたのだが、高知側に下り、窪川、あるいは土佐大正辺りから輪行出来るのではなかろうか。窪川までは、以前走ったことがあるし、土佐大正も、ショートカットするルートがあるだろう。よし、それにしよう。
 ともかく、高知側に下っていった。最初は風に煽られて恐怖だったが、やがて風は止み、雨脚もさほどではない、意外に走りやすい状況になってきた。このまま窪川に向けて下るつもりだったが、県道と間違えて林道の一つに入ってしまった。すぐ気づいたが、防水パックに収めたRadarで地図を見る*2限り、このまま走ると梼原に出られそうだ。そこからだと、多分宇和島に出ることが可能なはず。しかし、本当にそうかな。地図では高低がいまいちわからないので、もしかしたら凄い山越えになるかもしれない。しかし、行くほかない。
 降り続け、やがてやっと人里に出た。山間の小さな集落が、現れては消える。山間の小さな天地に、静かに雨が降り注ぐ。おお、これだよ、これ。久しぶりに、旅の実感を得た。昔、日田から中津に向けて、山間のなんてことはない集落を走った時にも感じたものだ。これが旅愁というものか。小さな天地にポツポツと立つ人家も、小さな田畑も、そしてそこに生きる人々も、なにか愛おしい。
 思いがけず、楽しい道行になった。やがて幹線に出て、車が増えてきたと思ったら、梼原に到達した。この辺りとしては開けた、観光に色気を見せている街だ。しかし、今日は飯を食いたいだけ。寒かったので、温かい蕎麦かうどんをと思いつつ探し、南端にあるうどん屋に入った。肉うどんを食しながら、今後の道行を調べる。地図を見る限り、このまま宇和島まで出るのは容易そうだ。きつい坂はなさそうだが、問題は雨か。それは覚悟するしか無い。
 さらに走り続ける。概ね走りやすいので、川沿いの道を選んで走った。上り坂に遭うこともあったが、それほどきつい思いをせず、道の駅で休憩しながら宇和島に向かう。そして宇和島の手前で大きなトンネルを潜り、抜けると、そこが宇和島駅だった。着いたよ。
 早速輪行準備をする。ここで初めて、気合の入ったサイクリストに出会った。やはり雨中を走ってきたらしい、フォリナーな二人連れだった。思わず、ニヤリと目を交わす。
 宇和島から、八幡浜までは、特急で40分ほど。輪行解除が面倒なので、八幡浜駅から宿まで、タクシーで運んでもらった。
 宿に落ち着くと、夕食を求めて辺りをうろつく。これという店がないので*3、コンビニで適当に買った。
 さて、明日はどうなるかなと心配しつつ、就眠。

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