Strange Days

今日は北方に

2012年10月21日(日曜日) 20時41分 暮らし 天気:晴れ

 昼過ぎ、珍しくも北に向かってポケロケを走らせた。手持ちのグローブをスマホ対応にするという件で、導電糸を買いたかった。そこで、町田のハンズに向かったのだ。
 境川に沿って北上してゆく。雨の心配はなく、いい天気だ。帰りには海軍道路に寄ろう。
 町田はヨドバシの方に出て、そこから徒歩でハンズに入った。しばらく探してみるが、そもそも裁縫コーナーが見つからなかった。うーん、次は横浜に出るしか無いかな。
 引き返し、何の気なしに南町田のモンベルショップを襲う。そして、催事スペースに入ってみた。ここでは、時々ハッとするような写真展が開かれている。今日は東浦奈良男という人の写真展。いや、被写体がそのおっさんだった。この方、定年退職後に1万日の連続登山を発願し、その通りに雨の日も風の日も、奥さんが倒れた日も自分が倒れた日にすらも登り続けた。山は色々だが、住処の伊勢周辺が多かったようだ。が、なんと富士山にまで足を伸ばしている。日帰り登山、しかも何十回も登ったのだとか。
 胸を打たれた、一連の写真がある。東浦氏は、顔を挙げず、足元を見ながら歩む、独特の歩行スタイルを取っていた。1m先の地面を見つめつつ、杖を引き、ある時は街中の横断歩道を、ある時は山中の山道を一心に歩いている姿が、ほとんど同じポーズで情況のみが異なる写真が並んでいる。そこには強固な、もはや妄執と言っていいほどの揺るぎない意思が映しだされている。日時も、状況も違う写真なのに、そこに写されているのは、全く同じ揺るぎない、一つの意思なのだ。
 残念ながら、1万日を目前に控えた87歳の頃、遂に病魔により歩行もままならなくなり、断念されたという。去年の冬に死去。残された写真には、9738日連続登山という数字以上の、静かだが暗闇を突き通す力を持った、一人の男の生き様が浮かび上がっていた。
 波間に漂うクラゲのような己の生き様に愕然としつつ、海軍道路に向かった。
 ポケロケを停め、ふと振り返ると、謎の動きをする凧が。まるで連凧のように、1列に並んで飛んでいるのだが、時々スパっとばかりにバラけ、また集合する。連凧かと思いきや、どうも背後の人々を合わせて飛ばしているらしい。これ、前にテレビで見たな。
 さて夕陽。海軍道路からは、かろうじて富士山が見えるのだが、その手前の山に沈む夕陽と、富士から伸びる影を捉えた。この位置だと、もしかしたら春分、秋分辺りでは富士と重なるのではなかろうか。
 環4を快走して帰宅。


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