最終日。大幅に予定を変更し、永平寺を再攻略することにした。


　今日は、金沢の市街地の離れ、港湾辺りとか山の方とかに行くつもりだった。が、一昨日の永平寺攻略失敗が悔しい。山の麓までいったのに。よし、今日は再攻略だ。
　荷物をまとめてホテルを出て、福井行きの列車に向かった。が、金沢福井間って、案外に各停が少ない。特急券を買い直し、福井経由名古屋方面行きの列車に乗った。
　福井に降り立ち、予め福井発小松空港行きのバス時刻表を見ておいた。戦闘時間は4時間程度か。まあ、なんとかなりそう。
　福井駅前を出て、ほぼえちぜん鉄道と並走するコースを走った。永平寺町に入った辺りで、山から降りてきたらしいロードバイクの人々と、何度かすれ違う。この辺の定番ヒルクライムコースなのかもしれない。
　勝山街道を走り、永平寺口駅に近いあたりから、山登りコースを取った。酷暑の中のヒルクライムは、ヘタするとマジに死ぬので警戒していたのだが、雲が多いせいで案外に脳が煮えない。そして、傾斜も思いの外緩かった。
　もう一つ、念の為に、腹ごしらえ。本格的な登りにかかる辺りに、蕎麦屋さんが数軒立ち並んでいる。その一つに入った。う、うむ、まあまあかな。一昨日、昨日の蕎麦屋さんに比べると、ちょっと落ちる。
　さあ、ここからが本格的な上りだ。傾斜を増した山道を登ってゆく。さあ、ガンガン登るぜ、と思うほどもなく、明らかに永平寺界隈の観光客を当て込んだと思しき、観光駐車場が見えてきた。そして、すぐに永平寺の門前町に。あれ、こんな楽なのか。実は、永平寺口からここまでの高低差は、130m程度しか無いのだ。
　寺域の参道の脇に2輪の駐輪場*1があるので、ポケロケを停めて、参道に足を踏み入れた。寺域の方々には、丈高い大樹が並び、そこに新緑の萌黄色が重なって、とても清々しい。いいねえ、こういうの。
　拝観コースは決まっているので、拝観者用の入り口を入り、拝観料を収めてから、拝観コースに案内される。その前に、一室に案内され、そこで若い僧侶による、拝観の掟のレクチャーがあった。概ね、撮影は自由だが、修行中の僧侶を撮影してはならない、コースを外れてはならない、中庭に足を踏み込んでもならない、等々、ごく常識的なものだった。
　後は、各々の早さで、案内板に従ってコースを巡る。色々撮って回ったのだが、引きつけられたのが中庭の美しさだった。こんな風に。
　
　常に人手が入り、怠りなく整えられているのだろう。庭園の美しさはもとより、山門脇の小さな空間もまた、その美しさに惚れ惚れする。季節を変えて、また来たい。
　大急ぎで下り、福井駅まで戻って、ポケロケを畳んでおいた。トイレに入った時、もういいやと思い、コンタクトを外して、メガネに変えた。手元が見えないのは困るからな。
　バスで小松空港に向かい、小松から羽田、そして帰宅した。楽しかったな。福井、金沢は、また来たい場所だ。

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