Strange Days

2014秋の隠岐山陰ツーリング 2日目島前上陸

2014年11月08日(土曜日) 22時24分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) , デジタルカメラ 天気:はっきりしない

 いよいよ、今日からが旅本番。今日は隠岐の島は、島前に上陸する。


 島前は西之島へと渡るには、フェリーを使うより他に無い。境港の北、日本海に面した七類港から出るフェリー、くにが9:30出港を使う。松江からは、駅前から出る連絡バスで行ける。自転車を荷物室に放り込み、しばし車中の人となった。
 七類港ターミナルは、辺鄙な場所にあるにしては立派なものだった。もっとも、隠岐への玄関口が、田舎のフェリー港的な簡素のものだと、色々困るだろうが。
 切符をせしめるのと前後して、こば氏も現れる。今日からの隠岐の旅は、拙者、なぎの女史、小十郎氏、そしてこば氏の4名で行動する。
 乗船が始まり、荷物は乗降口脇に置いて、二等船室でごろ寝の時間だ。やや波がある気配。
 意識を喪失している間に、船はまず知夫里島に立ち寄った後、西ノ島は別府港に入った。今日はここを旅してから、港近くの宿に泊まる。
 まずお腹を満たしたい。港にも食事ができるところはあったが、荷物を置きに港直近の宿、ホテル隠岐に立ち寄ったところで、ここに併設されている和食屋で昼食にしようという話になる。僕は寿し膳にしたのだが、うーむ、まさか巻き寿司メインで来るとは……。
 荷物をおいて身軽になると、島の西方に向かった。去年の夏に果たせなかった、国賀海岸の探訪を果たすつもりだった。
 途中、素直にバイパスは通らず、船越の運河を越える。短くて細い運河だ。南にやや開いた入江になっており、その湾口の高所にバイパスの橋がかかっている。立派だな。
 国賀に向かう途中にある、由良比女神社に立ち寄る。こじんまりとした境内だが、長い歴史と、不思議な伝承を持つ神社だ。こういう謎めいた社が多いのが、隠岐の島の魅力の一つだ。
 西ノ島小学校を横目に、国賀への峠路に向かう。結構な斜度の道を越え、トンネルを越えてから一度下ると、そのまま海岸に下る道と、国賀の展望台に向かう道との分岐点にかかる。国賀展望台に向かう道を取ると、また途中で二手に別れる。実は、海岸線に近い低い場所と、摩天崖の上との2カ所に、展望台がある。去年夏は、摩天崖の上にある高所のものしか知らず、そこを目指したのだ。低い方を知っていたら、あんな苦労をして、しかも引き返すはめにはならなかったろう。
 ここも多少の登りがあるが、難なく越えて見下ろすと、火山島の崖らしい崩壊地形が随所に見られる。風と波に削られた尖塔のような岩が目立つ。
 やや高所にある駐車場に自転車を停め*1、先に居た観光客の集団に続いて、海岸線へと降りた。
 海岸には小さな桟橋がある。たぶん、別府港や浦郷港から出る観光船の、立ち寄り点なのだろう。その脇に、国賀神社という小さなお社がある。場所が場所だけに、さぞかし過酷な環境なのだろう。が、できるだけ奥まった場所に置かれている。
 この小さな桟橋から、Finepix S1でパノラマ撮影してみた。小さな入江になっているのがわかるだろう。
 北に向かっての道があるので、見える尾根をひとつ超えると、おお、結構な眺め。波が大穴を穿った結果だが、よく見ると奥にももう一つ、小さな洞窟が開いているのが見える。2連のものは、結構珍しいんじゃなかろうか。
 隠岐の島は、全体が火山島で、波や風雨に晒された溶岩が崩壊する過程で、様々な奇観を呈する。この尖塔のような形は、隠岐の島ではあちこちで見かけられるものだ。
 目を引くものがあった。海浜の奥まった辺りに、国賀レストハウスという、20世紀中営業していた観光売店の遺構がある。その中が、妙に派手に飾り付けられているが、これは一昨年にやったらしいアートなイベントの名残らしい。それにしても、今にも崩壊しそうだ。
 時期的に、既に日没直前だ。別府港へと戻っていった。ちょうど、夕方に寄港する隠岐汽船のフェリーが、入港作業中だった。
 チェックインしてから、すぐ隣にある隠岐酒造のアンテナショップを訪う。閉店が近い時間だったが、試飲させてもらう。意外性があり、口当たりも良かったのが、この海藻を使った焼酎、いそっ子。さすがに100%ではなく、主材料は米なのだが、30%以上使われている海藻の磯臭い香りが、ほのかに漂う。とても口当たりが良い焼酎だった。
 宿の夕食は、概ね作り置き主体の、それでも海鮮を求める向きにはまあ悪くないかなというものだった。あんまりに期待が大きいと、応えてはくれ無さそうなレベル。
 港のさざなみと、時折降りだす雨に神経を尖らせながら、就眠。

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