Strange Days

対馬壱岐~九州北方ツーリング 6日目

2015年05月04日(月曜日) 22時27分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 天気:好天

 対馬、壱岐の旅も、今日が最終日。芦辺港から出るフェリーに乗るまで、昨日の復仇を果たすのだ。


 今日は泊地の郷ノ浦からは、島のほぼ反対側、芦辺港からのフェリーで福岡に向かう。それまでは、昨日の雨であまり回れなかった、壱岐の名所を拾ってゆくつもり。
 郷ノ浦から、昨日最後に立ち寄った風土記の丘方面に向かう。行く先はそこではないのだが。
 途中、車道沿いに目立つ鳥居があり、気になったので寄ってみた。住吉神社だ。迷いませんように。
 さらに北上してゆくと、観光地図では大きな古墳があると載っていた。そこを目指す。道を東に折れ、分け入ってゆく。早速迷いながらも、無事に古墳に着いたので、まあ御加護があったんじゃなかろうか。ここは双六古墳。県内、というのは、ここは行政上は長崎県なので、その範囲でだ。福岡県とすると、もっと大きなものがあったと思う。
 見晴らしのいい草地に、こんもりと塚が盛り上がっている。なかなか気持ちいい場所だ。古墳の玄室を覗くことが出来る。
 亀石という交差点で、西に折れる。少しアップダウンがあるが、ポケロケならばなんてことはない。湯ノ本という港に出て、さらに岬の方に進む。この辺り、壱岐サイクルという表示板が多く出ていて、サイクリングコースのようだ。
 岬の先端に、景勝地の猿岩がある。こ、これは、確かに、すごく猿です。
 すぐ近くまで行けるので、真正面から撮ってみる。しかし、この角度だと、あんまり猿じゃないな。
 土産物屋があったので、入ってみた。やはりあったな、これ。だがしかし、壱岐なら『壱岐にイキました』じゃないとダメなんだ!*1
 この猿岩近くに、興味深い戦争遺構がある。黒崎砲台だ。ここは、ロンドン軍縮会議で廃艦にされた、戦艦土佐の主砲塔を流用したもの。長門と同じ真41サンチ連装砲だが、長門のものより装甲が増圧されるなど、改良されていたはず。ここで終戦まで、対馬海峡の監視に当たっていたのだが、幸いにしてというか、最後まで戦火を交えることがなかったという。ちなみに、入り口に並んでいる砲弾のうち、小さい方が41サンチ砲弾で、大きい方は無関係なはずの46サンチ砲弾だ。
 中は真っ暗だが、バリケードが開いているので入れそう。携帯電話のLEDライトを頼りに、入ってみた。中はこんな感じ。って、よく見たら立入禁止看板が蹴倒されてる。
 砲台を下から見るとこう。光が漏れてる辺りが砲座で、するとこの辺りに給弾リフトなどが設置されていたはずだ。
 上に回ることも出来る。上から見るとこう。コンクリと石材で形作られたこの円形構造物に、バーベットと台座が据えられたはず。陸奥のおかげで、日本にも41サンチ砲身そのものは残されたが、砲塔のサイズを実感できる場所は、ここしかない。
 先の湯ノ本方面に戻ってゆく。途中、看板が見えたので、立ち寄る。ステゴドン象が発掘された場所だと。日本海は、かつては陸地で、巨大な森にステゴドンが闊歩していたという。
 小腹がすいたので、湯ノ本おさかなセンターという土産物屋に立ち寄った。ちょうど、おばさんが揚げ物をしていたので、じゃこ天を買い求める。しみじみうまい。
 再び亀石交差点へと戻り、今度は東進する。すぐに『百合畑古墳』の看板が見えたので、またしても立ち寄った。ここは小さめの古墳が密集している場所で、弥生時代の地元有力者たちの墳墓だろうとのこと。
 壱岐には、まことに古墳が多い。さらに東に、岩の窟という、大型の古墳がある。近所の国分寺近くにはへそ岩という代物があるのだが、これもなんだか古墳や古代信仰との関わりがあるんじゃなかろうか。
 昨日は雨でスルーした月読神社に、今日は立ち寄る。想像以上にコンパクトな社殿で、真新しい。元々、この神社は長い間放棄されており、近年になって整備が進められているのだとか。
 このまま芦辺港へと向かう。昼時を少し外して、昨日入ったダイエーのかっちゃんに。昨日、美味しそうだった牛丼を注文。これは、絶妙な半熟具合だ。あっさり出汁の小うどんもついて、お得感がある。
 フェリーターミナルで、博多港への切符を買い、自転車は適当にこの辺にと指示された辺りに駐めておいた。意外に、自転車旅の人が多い。この3日、全然見かけなかったんだが。北の方のキャンプ場に居たのかもしれない。
 やがて、フェリーに乗り込み、壱岐を離れる時間が来た。よし、対馬はまた行くか微妙だが、壱岐はまた来たいな。
 フェリーは玄界灘を静々と進む。海上で、やはり壱岐と本土を結ぶ水中翼船に、何度も追い抜かされ、行き違った。これにも自転車を載せることは可能だとか。しかし、壱岐までフェリーでも1時間半程度なので、それなら高速船を使う必要はないなあ。
 やがて、福岡が見えてきた。大都会だ。
 上陸し、今日の宿がある中洲川端駅辺りに向かう。宿の直前で、どえらい騒がしさに驚いたが、そうか、今日は博多どんたくだ。しばらく行列を眺めたりして、ホテルに入った。宿は無線LANも完備で、近所にコンビニも密集していて、文明度に泣けてくる。Ingressしながら歩きまわり、博多の夜をそこそこ楽しんだのだった。

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