Strange Days

下関周辺をウロウロ

2015年08月22日(土曜日) 21時40分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) , デジタルカメラ 天気:快晴

 昨日、下関の南西へと走った時、どこかの掲示に『自衛艦一般公開』の文字を認めた。宿に入ってから調べると、どうも唐戸市場辺りでやってるらしい。しかも、たか型ミサイル艇まで来るとか。これは見たいな。ということで、朝まず向ったのは、唐戸市場。行ってみると、岸壁に自衛隊の所属艦艇が3隻、待っていた。
 一番見たいのは、やっぱりPGでしょう。PGしらたかに、まず立ち寄った。はやぶさ型の最終艇であり、海自はPGの後続艇も、後継艇も計画してないので、これが最新最後のPGということになる。やっぱり、PG1号型から一気に大型化したとはいえ、小型艇とはいえ多様な任務は負わせにくいのだろう。
 前甲板で一際目立つのが、76mm速射砲。はつゆき以降のDDに採用されてきたのは、Oto Melara社製オリジナルのままの、ドーム型のものだったが、これは日本オリジナルの角ばったもの。ステルス性を重視したものだという。間近で見ると、想像以上にコンパクトで、艇内に給弾部を逃しているとはいえ、良くも76mm弾を100発/分も撃てるものだ。
 ふと振り返ると、並ぶ僚艦(挺)の向こうに、関門海峡大橋が見えた。
 艇内に入った。ブリッジは狭いが機能的で、どっちかというと旅客機のコックピットを思わせる。というのも、普通の自衛艦艦橋にはあまりない、座席が並んでいるからだ。近くの幹部が説明してくれたが、航走中は軽い船体に高速が相まって振動が甚だしく、全員が着席することになっているのだそうだ。ちなみにシートはレカロ。謎のこだわりだな……。
 艦橋直後には、チャフ・フレア射出機が設置してある。この艇にSAMの類は積まれていない。唯一の砲である76mmも、高速な対艦ミサイルに対しては分が悪いのか、もっぱらECMなどの欺瞞手段を講じて躱すつもりのようだ。
 艇中央にはブリッジから煙突に至る構造物が立ち並んでおり、その上をレーダーや通信、電子戦のためのアンテナが立ち並んでいる。コンパクトな船だが、電子装備は結構重そうで、精悍な姿だ。煙突直前の作業甲板には、舞鶴でも見た複合作業艇だ。マストは、船型に見合ったコンパクトなもの。
 この艇の存在意義は、このSSM1にある。あれ、両舷合計で4発か。他国は4連ランチャー2基とか、凶々しいものだが。ちょうど、上空をCH-47が通過してゆく。体験搭乗できるのかな。
 艇を降り、ヴァイタル・パートを側面から。実際に、中央部のCICを初めとする人員区画には、複合材によるヴァイタル・パート防御が図られているそうな。
 隣りにいるのが、多目的支援艦あまくさだ。ここで公開されていた3隻の中では唯一の自衛艦、つまり大体1000t超の基準排水量を持つ船で、専ら訓練を支援する役目を負っている。タグボートもあるので出番は少ないだろうが、故障艦の曳航も任務としているそうな。コンパクトにまとまったPGに対し、作業甲板が広くて、訓練支援機材がすっきり配置されている船型も幅広く、居住性も高そうだ。
 最後に乗ったのが、掃海艇うくしま。海自の掃海艇は、つい最近まで全木製で、この艇もそう。それ故、インテリアも気がふんだんに使われており、戦闘的なしらたか、機能的なあまくさに対して、なんとも居心地の良い船だった。しかし、前甲板にでんと居座るのは、凶々しい20mmガトリング砲。そういえば、世界の海軍で、ガトリング式機関砲を人力操作で設置するなんて例は稀だと思うのだが。海自は何故か好きだな。
 うくしまのブリッジはコンパクトで、掃海艇という性格ゆえか見晴らし良さそうだ。後甲板は作業機材が並んで広く、ここがこの船の要だと分かる。
 さて、今日は門司に渡りたいのだった。関門海峡大橋の真下、人道トンネルへと向った。途中で、どうしても目に入ってしまう、巨大ふぐ像。日本一らしいが、そもそもライバルになりたがる勢力は少なかろう。
 関門海峡大橋を見上げつつ人道トンネルへと潜り込んだ。真ん中辺りで福岡県に渡り、門司側に上った。
 ここで、タイヤの気圧が下がっている気がしたので、注気していたら、原付きを押してきた若い兄ちゃんから、「南の方に向かう良い道無いですか。沖縄に行きたいんだけど」という、すごい道の聞かれ方をする。鹿児島から、フェリーで沖縄に渡るつもりらしい。どうやら、地道を行きたいみたいなので、沿岸、東回りのほうが楽しいかな、別府もあるし、と答えておいた。こんな聞き方をするということは、時間が有り余っているんだろうな。
 お腹がすいたので、ノーフォーク公園のレストハウスに入り、ふぐ天入り冷やしぶっかけうどんを食す。暑いので、冷たいうどんは良い。ふぐもうまい。
 満足して、店を出たら、おじさんが追いかけてきて、これ落としてない、とANAマイレージカードを差し出してくれた。気づかなかったが、会計の時に落としたらしい。これは危なかった。礼を言いつつ、受け取る。ありがたいことだ。そして、こんな粗忽ではイカンな。カードを、財布のカードスリットに、深く差し込んでおいた。
 この公園からの、関門海峡大橋の眺めも素晴らしい。
 門司港と関門海峡直下とを結ぶトロッコ電車を横目に、門司港に向った。ここに来ると、いつもこの店に近寄っては、自転車で来たことをお思い出し、指を咥えて撤退する。なんて惨めな人生。
 気を取り直し、門司港を散策する。ここには何度か来たが、今までで一番好天だ。レンガ建ての建物が多い。
 跳ね上げ橋開閉を観察し、関門海峡大橋を、ほぼ真横から見る地点まで来た。この間、門司港周辺ではよさこいなんたらの類が開催されている関係で、ドンツクドンツクやたらうるさい。
 今まで入ったことがなかった、海峡ドラマチック館に入ってみた。中は、1Fが古い商店街を模した、土産物屋街になっていて、その上が展示物。最上階から、関門海峡を一望できる。1Fの土産物屋街は、ハリボテだが、照明を落としてある。高感度で撮ると、どうしても作り物感が出てくる。近くには、旧大連航路上屋が整備され、解放されていた。まだ、店舗の類は少ない。
 海峡を渡り返し、下関砲台跡に立ち寄る。これらの大砲を鋳造したのが、萩のあの鋳造所だったのだ。
 最後に立ち寄ったのは、橋のほぼ直下にある、立石稲荷大明神。鳥居の列を下ると、即車道という凄いシチュエーションなので、参拝するのが大変だ。
 ホテルに戻る。この日、下関周辺は、馬関祭りが盛大に開かれている。すごい人出で、普通の店があまり開いてない。その上、交通規制が強力に掛かっていて、いたるところで通行止め、一方通行(歩道もだ)になっているので、散々迷って、なにも見ないで帰って。というか、この祭り、どこがメインなのやら。


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