Strange Days

壱岐行き3日目 雨の中東部を彷徨う

2016年06月12日(日曜日) 22時46分 天気:雨時々止む

 今日は湿っぽい天気になりそうだ。自転車で走りたい範囲は、もう大体走ったので、今日はきっぱり歩きに徹する。


 壱岐の朝は雨。予報でも、日中は雨から逃れられない様子だ。
 さてどうするか、と昨夜から考えていたのだが、少なくとも自転車には乗りたくない。じゃあ、バスで原の辻辺りに出るか。あそこには一支濃く博物館などの施設が集まっているので、時間をつぶしやすい。基本、雨具を着込んで、気になる場所を歩き回ろう。
 さて問題は、郷ノ浦から原の辻に向かうバス便が少ないことだ。壱岐は車道が隅々にまで走っているため、自家用車需要が大きく、バスはそれほど重視されていない感じがある。あるだけ感謝しなくてはな。
 雨具を着込み、最低限の荷物だけ持って、宿を出た。バス乗り場に行っても何も無いので、それまでは郷ノ浦の町をうろつく。旅の無事を、御立派様に祈願しておく(筋違いだが)。
 この郷ノ浦の港は、湾沿いに拓けた港町と、その奥の坂沿いに広がる町とが繋がっている。坂道の裏手には渓流じみた場所も見られる。山と川が、実に近いのだ。
 お宝地蔵にも寄っておこう。しかし、海賊を祀ってもご利益あるのやら。
 バスが来たので、原の辻に向かう。雨に煙る谷間Gは、自転車で走る際には実に憂鬱だが、今は大変心安らぐ風景に見える。雨は思ったよりしっかり降っているが、まあ雨具で身を固めているので、平気だろう。
 適当な場所で降り、原の辻ガイダンス館までてくてく歩く。この原の辻は、壱岐最大の、そして長崎でも第2の平野だ。周囲に山があり、海は直接見えない。そんなところに港があったというのは、やはり不思議な感じはある。
 館内に入り、じっくり展示を見て回るが、なにせもう来るのが5回目くらいだし、そんな広い展示でもないので、あっという間に回りきってしまう。さらにビデオ鑑賞も追加だ。
 それでも時間は早いのだが、まあ昼食を入れておくかと、ここの喫茶室で古代米カレーとやらを注文。あれ、思いの外、本格的なのが出たぞ。まあルーは業務用だろうけど。おいしかった(小並感)。
 ガイダンス近くにある古代米田んぼでは、泥んこバレー的な催事をやっている。女の子同士の泥んこバレーならともかく、おっさんおばさんの泥まみれの戦いを見てもなあ、と思いつつ、ここまで突き抜けると返って楽しそうだ。
 せっかくなので、原の辻復元遺跡をうろつく。誰も居まいと思いきや、傘を差してうろつく観光客がちらほら。物好きだね(お前もな)。
 さて、ここからは裏コース。観光客が行きそうにない、マイナーな場所を尋ねてみる。海に向かっててくてく歩いてゆく。山中の墓地の近くに、平山古墳がある。7世紀初頭、ということは蘇我家絶好調時代の古墳で、壱岐の有力者のものだったのだろう。
 ずっと海に向かって歩いてゆくと、重山塚がある。こちらはずっと時代が下り、戦国期のもの。壱岐国を支配していた波多氏の内紛に絡み、若くして殺害された波多重を痛んで立てられたものらしい。しかし、内紛はその後も続き、重を討った波多家家臣らは討たれ、もはやどちらが悪とも指弾できないような仁義なき戦いの果てに、なぜか松浦氏が壱岐を手に入れてしまうのだ。
 復元遺跡を遠くに見ながら、田んぼのあぜ道をてくてく歩き、一支国博物館に向かった。壱岐は古墳だらけの島なので、歩いていれば何かにぶつかる。これだけの遺跡を全部保全するのは難しそうに思う。
 てくてく歩いて、一支国博物館に入った。インタラクティブな展示が多い博物館だ。出土品が豊富だからというのもあるのだろう。
 ここは高台にあるので、原の辻の平野を見通せる。天気がよければ、海も見えるはずだ。
 図書室でしばし壱岐の歴史に関する本を読み漁り、バスで郷ノ浦に帰還した。歩いてばかりだったので、結構消耗したな。

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