今日はこの旅のメインイベント、知床峠越えに架かる予定だった。ところが、なんで今日だけにという強い雨に見舞われる。
昨夜半から降り出した雨は、結構な強さで降り続けている。朝のウトロは、雨に烟っていた。
うーん、どうしたものか。平地なら雨具で固めて走るという選択肢もあるが、今日は知床峠を越えるつもりだ。雨の下りは怖い。転倒すると死ぬからな。
その懸念があり、とうとうバスでの輪行を決意する。実はその可能性は前もって念頭にあり、知床を超えて羅臼に向かうバスと、羅臼から釧路へと向かうバストを乗り継げば、今日の泊地の標津に行けることは分かっていた。仕方ないな。
自転車を畳んで、宿の目の前にあるウトロバスターミナルから、
羅臼行のバスに乗り込んだ。他にも輪行準備をしている人がいたが、なかなか乗らないので方向が違うのかなと思っていたら、最終的には乗り込んできた。他は歩きの観光客らしい。
バスはウトロの海岸線から北上し、少し先から登り始める。結構な斜度だ。これは、晴れていても、荷物の重さから苦戦しただろうなあ。そんなことを考えているうちに、バスは
峠をあっさり通過し、雨のしぶきを飛ばしつつ下っていった。
羅臼に到着。しかし釧路便の発車までは相当間がある。手荷物をバスターミナルに置いて、しばし羅臼の町をうろついた。
羅臼神社。結構立派だ。海が近く、神社の本殿を参拝して振り返ると、家並みの屋根に
海鳥が群れていた。今日はまだ何もしてないのだが、もう昼が近かったので、港に近い蕎麦屋に入って、温かい天そばを食べた。
釧路便の発車時間になったので、ターミナルに戻り、再び乗り込む。バスは
海岸線を延々と走ってゆく。この羅臼~釧路便は、北海道のバス路線でも最長らしい。このまま乗っていたら、この旅の最終目的地まで行ってしまうのだよなあ。
やがて、標津に到着。僕と、ウトロから乗っていた人も降りる。この人も標津に泊まるのかな。
標津に到着したのは早かった。まだチェックインには早いし、雨も弱いので、標津の町をうろつく。
北方領土館という、なんとも怨念を感じる資料館があったので、入ってみる。”北方領土”の歴史的位置づけや、交流事業の経緯などが説明されていた。意外というとなんだが、結構何人もやってきてはいた。
Gmapを見ていたら、内陸の方にサーモン科学館という謎の施設を発見し、そこに向かった。要するに鮭水族館なのだが、
想像以上にでかい。
中は鮭中心だが、チョウザメや他の淡水魚も居ることは居る。
建物のサイロみたいに高い部分は、当然ながら展望台で、
周囲の平原を見渡せる。周りは原野だな。
海の方にも行ってみた。海沿いの公園にはキャンプ場が設定されており、悪天候にもかかわらず、いやだからなのか、
数組のテントが張られていた。市街地の店が近く、整備もされていて、快適そうだが、とにかく
鳥が多い。ヒッチコック的恐怖がある。
確か
龍雲寺という寺。盆踊りがありそうな雰囲気。
宿は民宿に毛が生えた規模だが、温泉施設併設のもので、専用の日帰り入浴棟がある。もちろん、宿泊客は入浴し放題。肌がつるつるしてくるような、本格的な温泉だった。
この宿の夕食は豪勢で、海鮮づくしというところだった。が、生憎なことに海鮮すぐ飽きる人の僕には量が多く、残してしまった。締めのホタテのリゾットも美味しかったのだが、数人の客に同数くらいの世話が付くスタイルで、なかなか緊張感みなぎるものがあった。もっと放っておいてくれても良いな。
日が落ちきった頃から、また降り出した。明日には上がってくれよな。