Strange Days

諏訪麦草2016 2日目

2016年10月08日(土曜日) 22時44分 天気:雨結構降る

 昨夜半から雨が降り出し、今朝も降ったり止んだりの状態だ。自転車は諦めて、温泉めぐりでもしようと思う。


 自転車は宿に置いて、徒歩で茅野駅に向かう。途中、見かけた小社では、小宮祭の準備なのか、御柱を立てる準備が進んでいるようだった。この週末に、あちこちで小宮祭があったようなのだ。
 これも宿の近所にある鈿女神社。名前の通り天鈿女命を祀った社だが、やけに新しいので近年の創建*1のようだ。ちゃんとそれ用の、真新い御柱が立てられてる。
 この神社ともう一社、三輪神社の間近に、寒天倉という古い蔵がある。元々、寒天を冬季に乾燥させるための倉庫だったそうだ。寒天の産地でもあったのか。中は改装され、小イベント会場として用いられている。
 何の気なしに通りがかった裏道の、本当に小さな社にも、ちゃんと御柱が立てられているのには、感心するばかりだ。このサイズになると、近所のおっさんおばさんが適当に持ってきた材木を清め、こぢんまりとお祀りするのだろうな。なんとも好ましいではないか。
 茅野駅近くにある、縄文公園という小公園にある、縄文のビーナスと称される土偶のレプリカ。母性は豊穣の象徴だったのだ*2。実物を見てみたい。八ヶ岳方面の博物館にあるようだ。
 茅野からJRで上諏訪に降り立ち、湖の方に向かって歩く。より具体的には、高遠城方面に。この辺りは古い町割りが残っていて、地図を見ると防御のための鍵型の道が残されている。諏訪湖に向かう小川には、水草が生い茂っている。この橋の脇には、三の丸に湧いていたという温泉が、今も滾々と湯を生み出している。複数流れている小川の間くらいに、宮坂醸造の丸高工場があり、きれいな直販所が開店していた。味噌類を造っている。
 高遠城に着いた頃には、晴れ間すら見えていた。しかし、すっきり上がるというわけでもなく、またしばらくするとショボショボと降り返したりもした。城内にも入る。城門の幾つかは一時移築されたものを再移築するなど、原型をとどめているらしい。この上に見える三角形の窓は、銃眼。織田氏の高遠城攻めの際は、3千が篭もる城を5万で囲んだらしいが、それでも城門に寄せた途端、ここから乱射されるのは辛いな。
 場内は整備されており、庭園の周りをうろついた。天守台に登ると、南には茅野方面の平野が、北には諏訪の湖面が見える。
 お腹が空いてきたな。駅方面に戻った所に、そばごころ小坂で天ざるを頂いた。そばが冷水でよく締められ、美味。
 湖畔に歩き、湖畔沿いに北上する。雨の日なので、人では少ない、というわけでもなく、普通にジョギングしてる人や、傘を差して散策する物好きが、多数そぞろ歩きしていた。吾輩も人のことは言えないが。
 今日の目的の一つ、温泉に入ろう。湖畔を歩いてゆくと、風格ある洋風建築が目に入ってくる。ここは、昭和初期に紡績で富を築いた片倉財団が解説した、大規模な公衆浴場だ。入浴料は650円なりで、200円のタオルも買って、名高い千人風呂に入った。かなり広い湯船で、水深も1m以上ある。ぶったまげたのは、そこに玉砂利を敷き詰めていることだ。歩き難いほどではなく、足の健康には良さそうだ。縁は2段式で、上段に腰掛けると、普通の温泉くらいの感じで、ちょうどよく肩まで浸かれるのだ。洗い場は多いが、しかし千人同時は無理だろう。1時間に千人処理するくらいなら可能かもしれない。
 2Fの休憩室に上がり、ゴロ寝ついでにおでんを頼んだ。ん、なにかついでに飲み物も頼んだっけ?
 外は雨がまた降り出していて、陰々とした感じ。しかし、温泉だと落ち着くものだ。
 また湖畔に出た。湖畔を歩いていると目に付くのがこの像。「おーい、田舎の爺ちゃんから桃が届いたぞ」と見せびらかしているいるわけではなくて、人形浄瑠璃の登場人物、八重垣姫とのことだ。掲げているのは、許嫁の勝頼に届けるべく携えた、兜。この人は謙信公の実子という設定で、実在の人物ではない。
 また日が出てきた。しかし雲が消えることはなく、その後からも重い雲が近づいているのが見える。
 諏訪湖間欠泉センターに近づくと、ちょうど吹け上がるところだった。この間欠泉、かつてはどえらい勢いで自噴していたようだが、今は圧縮空気を送り込み、上部の冷えた温泉を吸い出した上で噴出させているので、全く自噴ではない。おかげで、スケジュールはきっちり決まっているのが便利。別府の龍巻地獄と違い、上を覆ってないので、その点はまあまあの迫力
 宿に戻ろうと駅に戻った辺りから、また雨が強まってきた。明日は止むのかなあ。

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