Strange Days

真冬の無惨上洛戦 金閣寺は遠かった

2016年12月25日(日曜日) 23時04分 天気:良好

最終日は、やっぱ金閣寺行っておきたいよねと、あまり深く考えずに歩き出したのだが。

今日は横浜に戻るだけだが、まあ金閣寺くらい見ておくか。という真にテキトーかつ向こう見ずな気持ちで、宿を出た。
 地図を見ると、二条城、京都御所が割と近い。そこまで、大路ではなく小路を取って歩く。家々の間に小社がビシっとばかりに収まっていて、古都いいよなと思う。なんてこと無い民家の佇まいが、既に良い。逆に景観に配慮しております! ってな感じで構えた感じの家には、あまり魅力を感じない。旅行者の勝手な感想だ。
 なんだかわからない、手作り感と多国籍感を醸し出した店。ビストロらしい。大泉洋みたいな店主が『バッカじゃねえの?』とか勝手なことを喚き散らしていたら楽しい。
 ここは本能寺跡。信長の遭難後、本能寺は移転されたか、ここにない。
 小路を抜けてゆくと、急に視界が開け、二条城が見えた。京都所司代とともに江戸幕府の京支配の要で、その豪壮さは大変なものだ。城門からこの有様で、城としてと言うよりは、徳川家の権威の出張所という在り方だったようだ。御殿の屋根のでかいこと。内部は天井の飾り金具にもきめ細かな装飾がされており、投入された財力の巨大さに目をむく。御殿の頂点には菊の御紋が輝いているが、その前は当然三つ葉葵だったそうな。は小堀遠州作。
 さて、足を東に向けよう。いや待ってくれ、たしかに最初は金閣寺を目指すと言った。だがたとえたどり着いても、京都駅に引き返すのは骨だ。その分を京都御所に振り向けるのは、実は戦略的な勝利と言えないだろうか?(言えません)
 お腹が空いたなあと思いつつ、東にフラフラ歩いてゆく。味のある店が多い。残念なのは開店してないことだが。
 御所に近づく。御所は二条城よりさらに広く、全体はよく整備された公園になっている。南西の隅にある閑院宮邸跡。森林の間に、こういった屋敷が点在している雰囲気だ。
 敷地内は広い露地が南北に走っている。
 いったん抜け、飯処を求めて彷徨う。小洒落た店は多いし、目を引く建物も多い。ここは日本聖公会アグネス教会。飯処は方々にあるのだが、流石にお高いな。それと、なぜか沿道にやたら人が多い。京都駅伝か。そら多いだろうよ。落ち着かないなあとぼやきつつ歩き回り、遂には地下鉄駅近くの松屋にまで堕落した。良いんだよ、美味しくて安いじゃろうが!
 さて腹を満たした。改めて京都御所に、北側から再突入した。ここは既に皇室財産ではなく、宮内庁の管理する国有財産だ。自転車でのんびり通過する人も多い。
 御殿の周囲は一際広い露地になっている。避難所には最適だろう。なんに使うのか、小さめの唐門もある。御殿の一般公開は期日限定で、今日は立ち入れなかったが、常設の施設がいくつかある。
 さて、見るべきものは見た。いや覚えていろ金閣寺! いつかのリベンジを誓いつつ、京都駅に戻り、新幹線で帰横した。今回も宿題がたっぷり残り、しかし確かに多くのものを見て知った、それなりに満足感のある旅だった。

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