Strange Days

ようやくGP赤道儀のインプレッション

2000年04月17日(月曜日) 23時59分 星見 天気:晴れ

 会社から退けての帰り道、夜空には満月寸前の月が浩々と灯っていた。今夜は快晴。ようやく到来した観望日和だ。
 帰宅して、夕食もそこそこに望遠鏡をベランダに出した。GP赤道儀に載せた100EDの総重量は、片持ち赤道儀に載せているときの3倍にはなりそうだ。そのくそ重いのをとりあえずベランダに出してみた。そして極軸をコンパスを見ながらあわせようとした。
 合わない。三脚を思った方向に向けるには、我がベランダは狭すぎる。脚の一つを部屋のサッシ上に載せないと、うまくアジャスト出来なさそうだ。そうするとサッシが閉まらない。笑うしかない状況である。
 極軸を合わせるのは諦めて、とりあえず望遠鏡を月に向けてみた。粗動、微動装置ともに動きはスムーズで、月くらいなら粗動装置のみでも十分なくらいだ。赤経軸では微動装置の替わりにモータードライブを着けているのだが、その動作もスムーズで案外に使いやすい。もっとも、軸部の動きを見ているだけでは動いているのかどうかわからないくらい遅いのだけれど。クラッチ付微動ノブを着けて、手動でも微動できるようにした方が使いやすそうだ。
 望遠鏡の安定性もはるかに向上していて、片持ち式赤道儀より安定感がある。望遠鏡に例のアダプタをつけてE950を接続してみた。さらにフードを伸ばすと、なんだか物凄く怪しい物体になる。
 ムーングラスを入れたWO13.5mmで月を真中に入れる。その状態でミラーを切り替え、直進側に着けたE950に光を入れ、ピントを出そうとした。......あ、合わない。タレットと望遠鏡の接合部を深く接合しすぎたようだ。少し距離を取り、再度ピントを出すと、今度は月面の情景が露になった。しかしE950の液晶面に保護シールを貼っていることもあり、少しピントをつかみにくい。だいたいのピントを出して、シャッターを切ってみた。その画像をノートPCで転送して、表示させてみると、見事なピンぼけ。なんで~? しかし少し考えて手ブレの可能性が大であると考えた。こういう場合はレリーズが正解なのだろうが、E950には標準では取り付け不可能だ。自作しようと思っていたが、適当なパーツが手に入らずほったらかしになっている。
 それならセルフタイマだ。E950の取説を引っ張り出してタイマの使用法を理解し、早速使ってみた。写すごとにセルフタイマがオフになり、セルフタイマをONにするごとに手動フォーカスがオフになるのがうっとうしい。まあそれでも毎回手で設定しながら何枚か撮影してみた。
 それをPCに転送してチェック。うん、さっきよりはずっとましな画像になった。が、やっぱり全体的にピンぼけ気味だ。
 なぜなのか考えてみた。今回はどこかで読んだ知識を元に、フォーカスを無限遠に設定していた。対象が事実上無限遠にある星(E950の光学系では20m以上向こうは無限遠になる)なのだから良いのかと単純に考えていたのだ。しかしよくよく考えるとデジカメアダプタを介した撮影はコリメート撮影法だ。これは接眼レンズの接眼側に結んだ像を撮影することだと理解している。ならマクロ撮影じゃないと駄目なのではないだろうか。
 そんな風に考えたのは、あまりに眠くて一度寝床に入った後の事だった。
 日付が変わる頃まで一眠りするつもりが、目覚めるとなんと3時過ぎ。慌てて風呂に入り(ちょっと近所迷惑で気が引ける)、それからベランダに出てみた。もう遅いので、望遠鏡をのぞく気にはなれず、ワイドビノで空を見渡した。
 評判どおり、非常に明るい視界が広がっていた。確実に2等級は暗い星まで見渡すことが出来る。さそり座に向けると、アンタレスを中心に星座の大半が視界に入っている。これなら星座早見表と相性がいいだろう。星空観望の初心者にはうってつけのグッズと言えるのではないだろうか。
 ワイドビノを空のあちこちに向け、をを明るい明るいと喜んでいたら、空が本当に青く、明るくなっていることに気づいた。夜が明けつつあるのだ。そうか、もう夜明けがこんなに早くなっているのだなとしみじみ実感しつつ、ようやく床に入った。
 それにしてもGP赤道儀の重さ(というか我がベランダの狭さ)には参った。GP赤道儀は週末に活躍してもらうことにして、普段はやはりBORGの片持ち赤道儀に活躍してもらう方が良さそうだ。この軽さは本当に助かる。なんだかんだいわれて欠点はあるのだが、それでもBORGの製品構成はお気軽な観望のために良く考えているように思った。


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