Strange Days

2000年10月08日(日曜日)

うっかり八兵衛

19時15分 暮らし

 うわっ、オフのレポートで水彩氏と章友氏を間違えていた。すまん。

テレビでも見るか

14時13分 テレビ 天気:くもりのち雨

 休みの中日ともなると外に出かけたい気もするが、今日はさぞかし人出が多かろうと思った。よって家でゴロゴロすることに決定。
 昨日録画しておいたNHKスペシャルを見た。アメリカはフロリダ半島の地下に広がる、広大な地下水脈を探検する人々の話題。
 フロリダ半島は地下水に恵まれた土地で、飲料水の90%を地下水で賄っているという。半島のあちこちには多くの泉があり、澄んだ水が滾々と湧き出ている。そうした泉は、その底で地下深く走る地下水脈とつながっている。
 地下水脈の形成には、フロリダ半島の成り立ちが関わっている。フロリダ半島はかつて水面下にあった。地球が温暖な時期に水に覆われていたフロリダ半島では、サンゴ礁が発達し、膨大な石灰質が堆積していった。やがて氷河期に入り海面が下がると、石灰石の塊が地上に現れた。それが長い間に侵食されて鍾乳洞となり、フロリダ半島に降り注ぐ雨が地下水となって流れるようになったというわけだ。
 この地下水路を潜水調査しているのは、厳しく訓練されたダイバーたちだ。かれらはボランティアとして実地調査を任されている。調査は10年以上にわたって続いているが、9年前にメンバーの一人が事故に遭い、水路内で亡くなっている。この事故をきっかけに徹底した安全対策がとられた。流れのきつい水路内の探査に適した装備を自力で開発する。また実際に潜水するダイバーを多数のサポートダイバーがバックアップする体制などなど。一般ダイバーが300名も命を落としているというのだから、こんな対策が必要になるのだろう。
 泉の多くは水路で連絡しあっていることが確認されている。調査した中では最も南のワクラ泉の場合、南方に実に5km以上も延びていることがわかっている。そしてこれらの地下水脈は、はるか北方から連なっていると考えられている。状況証拠があるのだ。
 '99年、調査範囲のはるか北方にある湖が、ホンの二晩で干上がるという椿事があった。調査の結果、この湖の地下にも地下水路があり、旱魃によって地下水位が下がったために湖の底が抜け、水が一気に流れ出してしまったためと判明した。一月後、今度はワクラ泉の水位が急上昇し、かつ透明度が下がるという事件が起こった。この二つの事件は密接にかかわっていると考えられた。すなわち、北方の湖から流れ出した水が、未知の地下水路を通ってワクラ泉から流れ出したのだと推測されている。
 水路ははるか南にも続いていると考えられている。メキシコ湾には真水が湧き出す海中泉がいくつもある。それらはフロリダ半島の地下水脈の終端だと考えられている。
 このプロジェクトを引率するのは、地元で証券会社に勤めているダイバーだ。完全にボランティアでこうした科学的調査が進められるというのが、アメリカという国家の面白いところだ。このダイバーは、「丘を越えると何が見えるのだろう。角を曲がると何が見えるのだろう。そういう好奇心がプロジェクトの原動力になっている」という。実際、地下深くに広がる大洞窟、パワーケイブを目にする人はごく少ないはずで、なんともうらやましい趣味だと思う。しかし14時間も潜水しているなんて。